2014年11月11日

東京バレエ団50周年記念「第九交響曲」

2014年11月9日(日)6時 NHKホール
映画「エトワール」で見たときから気になっていた第九を、ついに見る事ができました!

これはバレエ公演というよりも、オーケストラとソリスト、合唱団、ダンサー、その場にいる観客すべてが、空間と時間を共有する「ライブ」です!

楽しかった!!

ベジャールは、普段の公演では、あえてオケを使わず録音音源ですが、この作品で目論んでいたのは、おそらくこのライブ感、祝祭感、生きる喜びを共有する事。

これは、録音音源や、テレビ画面では絶対に味わえない、その場にいなければ感じ取ることのできないたぐいのものです。

総勢350名の出演者、数が多ければいいってわけでもないけれど、大勢の熱気、パワー、エネルギーがいつのまにか会場を満たし、その暖かいオーラに包まれた幸福な時間。

ズービン・メータさん率いるイスラエル響(かなりの大編成)の演奏が素晴らしく、管楽器、特にホルンは、前日の新国立劇場眠りのオケに爪の垢でも煎じて飲ませたいくらい美しい音色でした。

いつもバレエ公演の伴奏でしかオーケストラを聞いてないので、一流のオーケストラはこんなにも違うものかと驚きます。

舞台は通常ならばオケピットになる位置までせり出して円形のバスケットコートのようなライン引かれた床です。

どこか体育館のようなスポーティな感じでもあり、観客席に向かって踊る時もあれば、中央の円に向かって踊る時もあり、これは絶対上の席から俯瞰して見た方が、フォーメーションが分かって面白いでしょう。

中央に画かれた円形のラインは、時にはこの空間をつかさどる魔法陣のようにも見えます。

ベジャールは各楽章を、土火水風としているそうで、衣装(ユニタードのようなシンプルなもの)は茶色、赤、白、黄色でした。

それぞれの楽章で核となるソリストの踊りがあり、ソリストを丸く囲んでコールドが踊る、いわば拡大版ボレロのようなシーンが多かったです。

第九と言えば、熊川哲也さんがKバレエの為に作った「ベートーベン第九」という作品があり、私はかなり好きなんですが、そちらは、火山、海、生命の誕生、人間達の祭、というテーマをそれぞれの楽章に当てはめています。

そのKバレエの第九を見る時に、いつも眠くなってしまう第3楽章。
少しゆっくりしたテンポで大変美しい音楽ですが、ベジャール版ではここで大ベテランのエリザベット・ロスとジュリアン・ファブロー投入。

2人のアダージョにもやや眠気を覚えてきた所、指揮者のメータさんが、体の向きをかなり観客側に変えて、下の舞台で踊る二人を見ながら指揮を始めたのです!

これにはしびれました。
メータさん、なんて穏やかで優しい顔つきなんだろうと。

こんな指揮者と舞台を作れるダンサーは何て幸福なのだろうかと。

メータさんのおかげで乗り切った第3楽章のあとはお待ちかね歓喜の第4楽章。ソリスト陣の歌声は第一級でしたし、ここでやっと登場した黒豹のようなオスカー・シャコン、女黒豹マーシャ・ロドリゲスも素晴らしく、アフリカンダンサーたちも祝祭の輪に加わり(全然踊ってなかったみたいだけど、列になって歩くところに出てきました)
フィナーレを迎えます。

東バのソリストもなかなか良かったですが、やはりベジャールのダンサーたちは身体のキレがよくて、大貫真幹さん、オスカー、マーシャ、2幕のキャサリンティエルヘルムも素敵でした。

2幕には冲香菜子さんも出てきて、とても楽しそうにノビノビと踊っていたのが印象に残っています。



posted by haru at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする