2015年10月09日

Kバレエ・カンパニ「シンデレラ in Cinema」井澤&神戸

2015年9月30日(水)シネプレックス平塚で観賞

シンデレラ 神戸里奈
王子 井澤諒
仙女 浅川紫織

シンデレラは初演時と、再演時の2回舞台を見ています。
今回は映画とのことで、あの舞踏会のシンデレラからボロ服のシンデレラへの変身イリュージョンのからくりが、わかりました!!
音楽の響きが、何か手を加えたようで美しく盛られています。
カット割は、比較的見やすく、時々表情がアップになるところも悪くなかったです。
シンデレラの神戸さんが素晴らしかったです。
いじめられても、想像力で明るく遊び、おばあさんには優しく、舞踏会に行くときの高揚感、王子の前にパドブレで出てくる時の緊張感も、すべて自然でした。
特にボロ服のところが可愛らしかったです。
松岡さんだと、舞踏会のシーンでそれはゴージャスになるのですが、その点は神戸さんの方が、「普通の女の子」っぽさが残ってました。

王子は、踊りは井澤さんが上手で文句なしでしたが、演技は宮尾さんの方が面白かった。特に舞踏会で、二人のお姉さんに迫られて困っている顔の宮尾さんは絶品です。私はあの、トイストーリーのウッディみたいな宮尾さんの表情がツボなんですよ。
だけど宮尾さんは踊りがねぇ… 
井澤さんはばっちりと踊りこなしてました。
舞踏会の最後の方のリフト満載のパ・ド・ドゥはあわただしい感じでしたが、これは振付が良くないのです。

シンデレラは音楽が素敵だし、演出も楽しいです。浅川さんの仙女は天下一品です。
地元近くの映画館で上演してくれてありがとうございます。
これからももっと映画館上演をしてくれたら、あらたなファンもできるかもしれない。しかし、映画館で見れるからいかなくてもいいやというファンもいるかもしれない。
難しいところですね。



posted by haru at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創立50周年記念スターダンサーズバレエ団「オール・チューダー・プログラム」初日

2015年9月26日(土)14:00 テアトロ・ジーリオ・ショウワ

開演の20分前に代表の小山さんがプレトークをなさいました。
叔母である太刀川さんが、チューダーの作品に「こんなバレエがあるのか」と
衝撃を受けて、スターダンサーズバレエ団結成のきっかけになったと。
チューダーの作品は、昔も今も客受けが良くないので、チューダー氏は、すべてチューダー作品だけのプログラムにはせずに、白鳥の湖などと一緒に上演しろと太刀川さんに助言していたと。
簡単な作品の解説もあって、興味深いトークでした。

「Continuo」
林ゆりえ 松本実湖 酒井優
加地暢文 安西健塁 渡辺大地

パッヘルベルのカノンで、ストーリーのないアブストラクトバレエ。
男性の腕の上に全身をまっすぐ足先まで一文字になるような振付がめずらしかったですが、難しそうで失敗しているダンサーもいました。
こういう誰でも知っている音楽で、ゆったりとしているのを魅せるように踊るというのは、よほどの音楽性がないとできないのだな、と物足りなさを感じました。

「リラの薗」
カロライン 島添亮子
その愛人 吉瀬智弘
カロラインの婚約者 横内国弘
彼の過去の女 佐藤万里絵

婚約パーティに男女共にその愛人やら過去の女やら、わけありが現れて…感情のもつれがあるけれども、結局はカロラインは婚約者を選ぶというストーリー。ちょっとマクミランの田園の出来事とかっぽい。
けれどマクミランの、たとえばマイヤリングのようなドラマティックさはない。
日本人ダンサーがあっさりしているからなのか…島添さんはきれいで雰囲気もあったが、そんなに心理的で面白いとも思えなかった。

「小さな即興曲」
鈴木優   加地暢文

シューマンのピアノ曲「子供の情景」に乗せて、雨の日に遊ぶ兄妹を描いた作品だそうです。
鈴木優さんが動き出したとたん、そのすっと伸びた首に長い手脚、つま先までがあまりにきれいなので震えが走りました。スタイルの美しさ、清潔感、かわいらしさ、女の子らしさ、無垢な純粋さ、伸びやかなポーズと…どこをどう切り取ってもきれいで、彼女を見ているだけで幸せな気持ちになりました。
蛭崎さんのピアノも軽やかで、加地さんとの取り合わせも良かったです。
新国立劇場バレエ研修所の時から注目していますが、今回のこの作品は彼女にぴったりで素晴らしかったです。

「ロミオとジュリエット」よりパ・ド・ドゥ
林ゆりえ  吉瀬智弘

音楽もなじみがなく、どういう風にみればよいのかと思っているうちに終わってしまいました。

「葉の色あせて」よりパ・ド・ドゥ
吉田都  山本隆之

チューダーといえば、この作品が有名です。ストーリーのないアブストラクトバレエで、夏の終わりと過ぎし日の美しい想いでをノスタルジックに描いた作品だそうです。
都さんは相変わらずの高安定でしたが、リハーサル不足なのか、リフトが難しいのか、息が合わなかったところがありました。

「火の柱」
ヘイガー 本島美和
姉 天木真那美
妹 西原友衣菜
友達 山本隆之
向かいの家から出てきた男 吉瀬智弘

強圧的で厳しい姉と奔放な妹にはさまれたヘイガーが、オールドミスなる恐怖から向かいの家から出てきた男に思わず身をまかせ、後悔して苦しんでるところを好きだった友達に過去のあやまちを許してもらって救われるという、ちょっとどろどろしたストーリーです。
本島さんの熱演が、ひとり浮いているぐらいで、このような作品ならば、ほかのダンサーも本島さんと同じぐらいの高テンションで演じて欲しかったです。
こういう大人っぽい話をバレエで演じるのには、日本人は体格的に子供っぽいから、かなりあざといぐらいに表現しなくては、見ている観客に伝わりにくいと思います。

今回の公演、8割以上は埋まっていましたが、半分以上は出演者の関係者や、バレエ評論家などで、おそらく3分の1ぐらいは都さん目当てのバレエファンではなかったかと思います。
バレエの歴史の上で重要だという観点からのオール・チューダー・プロでしたが、エンターティンメントとしてバレエを楽しみたい私のような観客にしてみれば、チューダーさんの助言のように、「白鳥と一緒に上演した方がいい」という意見です。

まあ、私の目当ては都さんではなくて、鈴木優さんでした。
新国立バレエ研修所8期生の鈴木優さんは、双子のかたわれの舞さんと共に、群を抜いて美しいその容姿で、将来は新国立劇場で活躍してくれるものと期待しておりましたが、どういうことか、8期生たちはビントレー時代のラストシーズンに準コールトとして採用されたものの、本採用には誰ひとりとして受かりませんでした。
踊りが上手で卒業公演で見事なキトリを踊った榎本朱花さん、女性らしいたおやかなオーロラを踊った佐藤愛香さんは今どうしているのかわかりません。
アレグロの動きがシャープだった中西夏未さんは、今シーズンKバレエに入団して、シンデレラのあたりまではいたようですが、今は名簿から名前が消えているので辞めてしまったようです。
驚異的な脚の長さとコケティッシュなスター性を持っていた島田沙羅さんは、ロゼラハイタワーに留学したそうです。
鈴木舞さんは、シンガポール・ダンスシアターでプロとして踊っています。

バレエ研修所の8期生は、中西さん以外は、この子たちの時に作られた予科生制度出身です。
予科生制度は、牧先生が、海外に将来性のある子が流れないように青田買いするために作った制度だと私は思っていました。
だから、当然、研修所卒業後は新国立劇場に入るのだろうし、牧先生好みの美しい少女ばかりで、他の期と比べてレベルが高いとずーっと感じていました。
ところがビントレーの次に芸術監督になった大原先生は、8期生を採用せず、放り出したのです。
風のうわさでは、立ち役に使いまわしのできるような、高身長の子を取りたかったらしいという事で、確かに高身長の9期の関晶帆さんは採用されて、白鳥やバヤデールのコールドで、一番前で踊っています。
大原先生は背の高い順に前から並べているからです。

しかし、国民の税金を使って育てた金の卵バレリーナなんですよ。
せめて、10年ぐらいはプロのダンサーとして働けるような環境に置いて欲しかったです。
そりゃあパリオペラ座バレエだって、付属のバレエ学校から入団できるのはわずかですよ。
でも、バレエ団に入団できなくても、ヨーロッパなら職業として、他のバレエ団で働けるし、パリオペラ座バレエ学校の卒業生なら就職にそれほど苦労しないでしょう。

でも、日本にはプロといえるバレエ団が3つしかないんですよ。
その中でも一番恵まれていると言われているのが新国立バレエ団です。
研修所の卒業生だったら、とりあえず採用してあげて欲しいです。
あの子たちが、もしも海外に留学していたりしたら、別の道がひらけていたのかもしれないのですから。
その一番重要な時期に、がっちり研修所で確保していたんですから。




posted by haru at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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