2016年07月18日

Kバレエトリプルビル 2日目

2016年7月17日(日)14時 オーチャードホール

「ラプソディ」
伊坂文月 荒井祐子

「シンプル・シンフォニー」
中村祥子 遅沢佑介
宮尾俊太郎 井上とも美
栗山廉 小林美奈

「アルルの女」
熊川哲也 浅川紫織

前回の眠り公演のあたりに急に決まったトリプルビル。
パンフレットも間に合わなかったのか、薄いカラー刷りのものが無料で配られました。
ラプソディ30分、シンプル20分、アルル15分で休憩込で85分の公演。短いです。
最後に、出演者全員によるスペシャルアンコールがあって、元を取った感じでした。

熊川さんが出るというせいか、ほぼ満席。ラプソディのみ、ソリスト二人のキャストが違います。
本日のラプソディは井澤さん主演の予定でしたが「芸術的理由」とかで伊坂さんにチェンジ。
井澤さんは後ろのボーイズに混じって踊っていましたが、キレがいいし、すこし音を早取りで踊るので、この作品にはピッタリなのに、なぜなのでしょう。
身長が足りなかったのか、リフトが下手だったのか…伊坂さんの方が「陽性」な感じがするからなのか…

本当の理由はわかりませんが、伊坂さんは、きちっと踊っていました。
悪くはないのですが…面白くはない、物足りない。
この作品って、もともとミーシャに振りつけられたもので、天才的なダンサーが、90%くらいの力で、遊び心をもって余裕で踊るところがいいんです。
熊川さんしかり、マックレー先輩しかり。その点、伊坂さんは上手だけれど、天才ではない。
100%で踊っている感じでいっぱいいっぱい。もっと伸びやかさや、やんちゃなイメージが欲しかったと感じました。もっとはじけて踊るには練習時間不足だったのかもしれません。

荒井さんは久しぶりに見ましたが、抒情的でニュアンスたっぷり。さすが。貫禄がついてきました。
その分、重量感(実際に重くなったということではないです。相変わらず細いです)のある踊りというか、もう少し軽やかに踊っても良かったような。矢内さんとか、白石さんとかがやっても面白いかもしれない。

ラプソディは、DVDになった熊川&都のものと、舞台でも一度見ていますが、主役の男性が空気を切り裂くように飛び出してくる衝撃が、今回はありませんでした。
Kバレエの衣装は、不思議な黄色と赤とで昔のアバンギャルドみたいな強烈なセンスなので、今回は衣装を変えるかと思いましたが、そのままでした。荒井さんの胸にお花だか原子炉マークだかみたいなのがついているのが気になるんですが…
何度か見ているので、これはこれで面白いのかもしれないと思うようになってきました。

ラプソディの後でシンプル・シンフォニーを観ると、熊川さんは、ラプソディへのオマージュとしてこの作品を振りつけたんじゃないかと思うくらい、印象が似ています。音符ひとつひとつに動きがつけられているようなところとか、頻繁に方向変換をするところとか…舞台装置も三角の組み合わせで、なんとなく似ているし。

三人のカップルがでてきますが、メインは中村祥子さんと遅沢さん。
祥子さんがそれは素晴らしくて、柔らかく伸びやかな動きだけれども、この鬼振付にぴったり合っていて、その中で自分らしさを出しているのがわかります。
出演者は全部出づっぱりで、自分の踊りがないときも横で立っている。そのとき、さすがの祥子さんでも、荒い息を隠せないような呼吸をしているのを見て、どれだけ大変な振付なんだろうと。
衣装が黒いシンプルなハイネックのチュチュなのですが、チュチュの裏に鮮やかな緑色がはいっているのがおしゃれです。タイツとポワントも黒で、タイツは少し透けるので、祥子さんの素晴らしく発達した美しい脚の筋肉がよく見えました。
Kバレエに遅沢さんがいてよかった。こんなに祥子さんをきれいに見せてくれて。彼ぐらい踊りのうまい、釣り合うパートナーがいなくては、祥子さんはKバレエに来てくれなかったかもしれません。

男性三人は祥子さんに合わせて高身長。
宮尾さんと栗山さんがユニゾンで踊るところがありましたけど、宮尾さん!!栗山さんに負けてますよ!
栗山さんの方がよっぽど踊りにキレがあります。
プリンシパルなんだから、もっと頑張って!!

最後の演目、アルルの女ですが、私は初めて見ました。
最初は御大はほとんど踊りません。うつろな目をしているだけです。
浅川さんが、彼をなんとかしようとすがったり甘えたりします。
浅川さんはつま先も美しいですし、達者ですけれど、この二人カップルには見えません。

そして、いっちゃてる感じの御大は、彼女が去ったあと、ひとりになって狂気にとらえられて…
ラストのジャンプ、舞台一周(これは飛び上がらないのでマネージュではありません、みなさん、拍手はなさらないで〜〜)窓からのダイブ…終了。

踊りとしては物足りませんし、キレも高さも熊川さんらしくない(本人比)です。
今のKバレエではもっと踊れる男子がいっぱいいます。
でも、役柄に入り込んで、物語を語る演技は素晴らしかったです。
幕が下りて、カーテンコールになっても、役柄からなかなか抜けられないらしく、笑顔にならなかったです。

最後にスペシャルアンコールで、出演者全員が出てきて、最初のラプソディから順番に演目のさわりを踊ってくれました。
熊川さんもサービスで大ジャンプを披露して、やっと笑顔になりました。

しかし、私はアルルの女より、もっときちんと踊る熊川さんが見たかったです。
たとえば、ご自身振付のカルメンより、鎖でつながれて踊るパ・ド・ドゥとか。

今の熊川さんには、これぐらいがちょうどなのでしょうか。
そうすると、もうそろそろ舞台から引退した方がいいと思います。
今回で引退でもいいかと、いや今回引退するつもりで、急にこのトリプルビルをやることにしたのかと思いました。

スペシャルアンコールを見て、これはKバレエオールスターズか?と思いましたが、よく考えてみると、今回はキャシディとか、白石さんとか、佐々部さんとか、山田蘭さんとか、出ていない人も結構いるんです。
それでは引退公演にはできないですよね。













posted by haru at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。