2009年10月24日

『テレプシコーラ第2部』第3巻ネタバレあり

山岸涼子のバレエ漫画『テレプシコーラ第2部』の3巻が発売になりました。
今までの巻に比べて、3巻はすごく面白い!
ローザンヌバレエコンクールに挑戦する六花を描いているのですが、
いかに世界のバレエ界でコンテンポラリーを重視するように
なっているかを強調しています。

世界はもはや
クラシックだけを
踊れるダンサーを
必要としていない

クラシックも
コンテンポラリーも
その両方をクリアー
したものだけが

これからの
バレエ界を
動かしてゆくー



創造力豊かでコンテンポラリーが得意な六花ちゃんと、
クラシック重視でコンテを軽視している茜ちゃん、
そしてギエムばりの身体能力を持つ謎の少女、ローラ・チャン。

現在連載中のダ・ヴィンチでは、熱のため準決勝のクラシックで
「パフン」と転んでしまい、コンテンポラリーを棄権した六花ちゃんが
「私のローザンヌはこれで終わった…」とベッドで泣いてる一方、
最高の出来でクラシックを踊って、コンテもまあまあの出来だった
茜ちゃんの番号が、決勝出場者の中にない!!まさか落ちた!?
というところまで来ています。

たぶん、茜ちゃんは決勝に行けず、コンテを棄権した六花ちゃんが
決勝に進むという流れなのでしょう…


何故クラシックが上手で自信満々の茜が落ちて
六花が決勝へ進めるのか?


3巻では、六花とケントがこんな会話をしているシーンがあります。

六花 「コンテンポラリー楽しかったね」
ケント「うん 僕好きだ」
六花 「これがどのくらい点数に反映するかわからないけれど」
ケント「あんがい影響度高いと思うな
    審査委員長がコリオグラファーのN氏だから」
六花 「そう?でもコンテンポラリー上手でもクラシック下手なら
   決勝に残れないよね?」
ケント「うーん それも程度によると思うな
    このところヨーロッパはどんどんコンテンポラリーが
    強くなってきてるし」


この漫画は2008年1月に行われたローザンヌ・コンクールを
舞台に想定しているようです。
その時に審査員を務めた堀内元さんのインタビューを、
私が以前の記事にしています。こちら

このときの採点は、コンテンポラリー・レッスン25点、
表現のレッスン25点、
クラシック・ヴァリエーション25点、
コンテンポラリー・ヴァリエーション25点の
合計100点。

テレプシコーラの中で「歴史とセミナー」といっているのは
表現のレッスンにあたります。
実際、2008年の時はジゼルとアルブレヒトの出会いのシーンを
やったそうです。

表現のレッスンで、ただひとり、独自の振付を考えた六花。
熱のため、うまく踊れなかったけれど、ローラが代わりに
完璧にイメージを表現して踊ってくれた。

漫画では審査員側のことは全然描かれていませんが、
もし書かれていたら、この子は独創性に富んでいると六花は最高得点、
そして六花の意図する事を的確につかんで踊ったローラは、
その英雄的行為も評価されて、表現力で少し難あり(コビがないから)
の本来の点数より加点されそうです。


たとえば、六花はコンテのレッスンで23点、表現のレッスンで25点、
クラシック・ヴァリエーションが18点として
コンテのヴァリが棄権で0点でも合計66点

茜はコンテのレッスン10点、表現レッスン10点
クラシック・ヴァリ25点、コンテ・ヴァリ15点とすると合計60点

ローラはコンテレッスン23点、表現のレッスン15点、
クラシック・ヴァリ25点、コンテ・ヴァリ20点の
合計83点ぐらい。

決勝へ進める分岐点が65点ぐらいだとすると、
六花はぎりぎりで通過できるということになります。


ローザンヌ・コンクールに挑戦するバレリーナの卵たちの実情を
リアルに描いているこの漫画、第2部はローザンヌだけで
終わるんじゃないかという気がしてきました。

だって、たとえばその後六花がバレエ留学したとして、
留学生のリアルを山岸先生は描けるのでしょうか。

留学した後に日本に帰ってきたら、よっぽど上手じゃないと
プロのいわゆる御三家(新国立、Kバレエ、東京バレエ)に
入るのは難しいし、出身のバレエ学校で小さい子たちに
教えをやって、バレエの先生になるしか食べていく道がないという
ような夢のないことを描いてもしょうがないですよね。

でも、こちらの想像をいつも良い意味で裏切ってくださる
山岸先生ですから、きっとまた新たな展開になるのでしょう。
期待しています。


追記:

現在進行中の2010年ローザンヌ国際バレエコンクールの
概要はこちら


もうビデオ予選通過の連絡は日本人参加者のところに
届き始めているようです。
例年通りなら、11月頭ぐらいにHPで出場者が発表されるでしょう。

コンテンポラリー課題は、2年つづいてノイマイヤー作品でしたが、
2010年はキャシー・マーストンとクリストファー・ウィードンの
二人の振付師の作品から出されています。
ということは、ノイマイヤーは審査員ではないのかもしれませんね。

ローザンヌでのコンクールは2010年1月26日(火)〜31日(日)まで
開催されます。


ぴかぴか(新しい)

再追記:

11月発売のダ・ヴィンチを読んだら、茜も六花も決勝に進めず、でした。
う〜ん、やられた。
六花は棄権として処理されてしまったようです。
山岸涼子のコミックス「牧神の午後」の巻末にある
ローザンヌ珍道中記を読むと、「無冠の大器に声がかかることもある」
と書いてありますから、何らかのオファーがある展開なのでしょうか。


ぴかぴか(新しい)












posted by haru at 00:20| Comment(2) | TrackBack(0) | バレエ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもブログ、楽しく読ませて頂いています。
私も六花ちゃんは決勝に進めているのではないかと思っているので♪だって、六花ちゃんの番号が人の頭でキレイに隠れてるのっておかしいでしすよ!すごく信憑性の高い解析をありがとうございますm(__)m
Posted by とらみみ at 2009年10月25日 02:17
とらみみさん、
ですよね?!
早く次の号が読みたいです〜〜
風邪が治って決勝がうまく踊れれば、
スカラシップもありえるのでは?

茜はバレエ学校か団からのオファーが
来るのではという気がします。
茜って自己中だけどとことんポジティブだから、
この世界で生きていくには適していると思います。
Posted by haru at 2009年10月25日 20:51
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