2010年10月26日

吉田都@NHKプロフェッショナル仕事の流儀

吉田都さんのロイヤルバレエでの最後の日々をとりあげた
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見ました。

コベントガーデンでの最後の公演となった「シンデレラ」のリハーサル、何度も踊った得意の演目なのに
「振付が完全に体に入っていない、時間がない」
とあせる都さん。
「そんな風にみえない。大丈夫よ」
とコーチが言っているにもかかわらずです。

そして、リハーサルが終わったら速攻でアイスボックスに行き、大量の氷で左ひざと腰を冷やす。

左ひざは以前に怪我をしていて、腰も爆弾をかかえている。


そして練習の合間には、ピラティスでインナーマッスルを鍛えたり、マッサージを受けたり。
マッサージを受けるのもすごく苦しそう。

股関節の痛みで整体トレーナーのところに行く。その後も納得がいくまで練習、練習。

股関節の痛みは公演前日にはさらにひどくなり、痛みどめを打つほどに。

もう限界かと思うほどだったが、ロンドンでの舞台は無事終了。

ご主人と束の間の休日に、散歩をする都さん。
「とにかく無事に舞台が終わってよかった」と言うご主人。
ご主人はいつも一日中、夜中までパソコンで仕事をしているそうです。

そして来日公演のロミジュリのリハーサル。
バルコニーのシーン。上体をそった形での高いリフトが
「あ〜〜腰が、腰が〜〜あせあせ(飛び散る汗)」腰が痛くてリフトに耐えられない。

「大丈夫?リフト無理しないで」と相手役のマックレーが気遣う。

都さんを最初に見出したピーターライト氏(バーミングロイヤルバレエ名誉監督)がリハーサルの見学に来る。
バルコニーのシーンを見た後で、「技術的には完璧。でも情熱が足りない。カゴの中にはいったライオンみたい。もっと情熱を表現して」と二人に伝える。
やっぱりピーターに見てもらうと違う。来週スティーブン(マックレー)と相談する、と喜ぶ都さん。

そして、ラストシーンのリハーサル風景。
都さんはジュリエットがロミオの死を知って自殺するところの演技が納得いかないと何度も何度もやり直す。
するとコーチはこう言う。
「舞台に出ればインスピレーションが湧いてどうすればいいかわかるわ」
こうしなさい、とかああした方がいいとかの具体的なアドバイスはない。

日本に出発する前日、都さんはロイヤルの自分の楽屋を引き払う。
壁に貼ってある写真や絵をすべてはがして鞄につめる。
そして、何もなくなった自分のスペースに座り、
「ここにいたんだ……ほこりがいっぱい」
(置いてあったものをどけたら、埃がたまっていたという意味です)

来日してからのリハーサル。
まだ最後の自殺シーンでどのようにするか迷っている。
「ロミオをもっと長く抱いていた方がいいのかしら?」
コーチは言う。
「あなたのやりたいようにやっていいのよ」

そして、いよいよロイヤル引退の日が来た。
「良く眠れましたか」との質問に、
「夢を見ましたね。おばあさんが出てきて、あなたの踊り嫌いって言うの。
そういう人いっぱいいるんだろうけど、何もわざわざ言わなくても…て思った(笑)」

開演前の舞台袖で、コーチは「楽しんで楽しんで楽しんで」と都さんに言い、
芸監のモニカ・メイスンは「成功を祈っているわ」と声を掛けます。

幕間に都さんは「がんばれ、がんばれ」と自分につぶやきます。

そして最後のシーン、死んだロミオを長く抱いて、ジュリエットは慟哭、そして落ちてある剣が目に入り駆けよって拾い上げ、胸に刺します。
気持ちの移り変わりが良く分かる自然な演技でした。

スタンディング・オベーションのカーテンコール、
そして打ち上げパーティーで番組は終わります。



るんるん


長く厳しかった闘いの日々。

「なんかね、気持ちがおだやかになってきちゃったんですね。
そんな気持ちじゃやっていけないですよ」
群雄割拠するロイヤルでプリマとしてやっていくためには、常にアグレッシブに挑戦するテンションが必要だということだと思います。
もちろん、人と競うことではなく、自分自身への挑戦なのでしょうが。

番組を通じて伝わってきたのは、都さんの軽やかな舞の裏にある努力と労力と限界に来た肉体。

白鳥は、みかけは優雅でも、水面下では、必死に足を動かしているということそのもの。

この番組をみちゃうと、単純に「都さんステキ黒ハート」と喜んで観ているのが申し訳なかったな、という気になってきました。

私でさえそうなんだから、あまりバレエを知らない人なんて、びっくりするでしょうね。

見ごたえのある番組でした。
都さんのロイヤル引退公演「ロミオとジュリエット」はNHK教育で11月19日(金)23時に放映です。


ぴかぴか(新しい)



















posted by haru at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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