2014年03月27日

Kバレエ15周年記念「ラ・バヤデール」浅川&遅沢

2014年3月26日(水)14時 オーチャードホール
ニキヤ 浅川紫織
ソロル 遅沢佑介
ガムザッティ 井上とも美
ハイ・ブラーミン(大僧正)スチュアート・キャシディ
マグダヴェヤ 兼城将
ブロンズ・アイドル 伊坂文月

熊川さんのつくる古典の改訂版は、いつも新鮮なアイデアの演出で驚かされるのですが、今回もいくつか演出についてなるほど、と思った点を上げます。

@第1幕第1場のセットの、迫力ある巨大石像がリアルだ!
A大僧正のお付きの8人の僧が…太ったおっさんだ!!相撲部屋からでも連れてきたのか?
Bソロルは口ひげを生やしている!
C苦行僧は、ナイフで自分を傷つける踊りで、本当に苦行をしている!
D宮殿で家来たちがチェスを指しながらのユーモラスな踊りが、音楽にぴったり合っていて面白い!
E婚約式にソロルが乗ってくる象さんと、お土産に持ってくる虎のでかいこと!
F太鼓の踊りがある!!(壺の踊りはない)
Gニキヤが踊ったお礼に、ソロルが直接花かごを手渡す!! だから、それまで寂しそうに踊っていたのに、急に嬉しそうに踊りだすのね!
H蛇の解毒剤を渡す大僧正は、かわりに俺の物になれと、ニキヤに迫らない。つまり、大僧正が嫌だから死ぬのではなく、生きていてもソロルとは結ばれないと思って死んだのね。
Iアヘンを吸って、ニキヤの幻が見えると、ソロルも幽体離脱してその幻を追う。
J影の王国の後、倒れているソロルのところに来たラジャとガムザと大僧正、ソロルは死んでいる。
Kガムザがソロルに取りすがり嘆いていると、白い大蛇がガムザを襲う。
L神の怒りか、雷鳴がとどろき、寺院が崩壊する。
M人間たちのドロドロした営みを浄化するかのように、金の仏像が舞う。
N浄化された地上は水でおおわれ、ソロルの魂はニキヤの魂を追って坂を登っていく。


とまあ、めいっぱいネタバレしましたが、一番感心したのはラストの金の仏像です。
金の仏像の踊りは、英国ロイヤルバレエ時代、熊川さんが踊って大絶賛を得た、思い入れのある踊り。
でもこの踊りは、ほとんどのヴァージョンでは、物語の進行に関係のないディベルティスマンのように扱われています。
確かに、振付も、音楽も、突出している感じです。
そこで、熊川さんは、この踊りを最後に持ってくることによって、このどろどろした世界を浄化する「神」という、物語のキーポイントの役割を与えたのです。
これは、熊川さんの「ベートーベン第九」の第四楽章の「神」とリンクしているものがあるような気がします。あの作品でも、神は最後に登場して、この世を支配していることをアピールするのです。

第1幕は寺院、宮殿でのニキヤとガムザの対決、宮殿の庭での婚約式でニキヤが死ぬまで。
第2幕は影の王国と寺院の崩壊。
第1幕が70分で、ちょっとつめこみ過ぎているように感じました。
もう少し短くするか、第1幕にも休憩を入れるかして欲しい。

ニキヤの浅川紫織さんは、凛としていて美しくて、踊りも完璧でした。
婚約式の踊りで、ポワントのススから片足をパッセにあげてのバランスや、影の王国でのパ・ド・ドゥでのアラベスクのポワント・バランスもきっちりと。
難しいベールを使った踊りも見事でした。
遅沢さんとの息もぴったりです。
遅沢さんは、どうだ!と踊りでアピールするぐらいの覇気はなかったし、もうちょっと感情表現を豊かにやっても良かったと思いますが、浅川さんのパートナーとしてはちゃんとやっていました。
少しセーブ運転なのでしょうか。もっとできる人だと思いますけど。

Kバレエの男性陣はみんな素晴らしいです。
苦行僧の踊りで、みんなで一斉にファイブフォーティーするところなんかあるんですよ。
びっくりしました。
マグダヴェヤを踊った兼城さんは、踊りにキレがあってすごく良かったです。
女性のコールドも、このバヤデールの為に採用した人もいたらしく、とても揃っていました。
ガムザを踊った井上さんも、わがままなお姫さまの感じが良く出ていました。
イタリアンフェッテも上手に踊っていました。
コールドで目を惹くのは山田蘭さん。首が長くて美しいんです。彼女がガムザやるのを見たいですね。

ひとつ残念だったこと。
今回も美術衣装がヨランダ・ソナベントだと思っていたら、ディック・バードでした。
ソナベントのような独特の世界観を持つアーティスティックなものではなく、プロフェッショナルな仕事ではありましたが、派手な感じの、普通のバレエの衣装でした。
最初に作られたチラシでは、ソナベント風の、変わった衣装を着た遅沢さんと浅川さんだったので、期待していたんですけどね。
ソナベントさんは、1935年生まれだそうですので、79才ぐらいですから、最初はソナベントさんの予定だったけれど、健康上の理由とかでダメになったとか?

ぴかぴか(新しい)












B
posted by haru at 23:04| Comment(1) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同じく26日マチネ公演を観てきました。
太っちょ僧侶にチェスや太鼓の踊り、像に虎に白蛇に!!
ん!?面白ーい!わーリアル!え、えー!?などなど、
とっても楽しみました。

浅川さんの全く揺るぎない踊りに、井上さんの演技もとても素晴らしくて、脚長くて長身でステキーと思って見ていた遅沢さんが、途中から物足りないと思えてしまうくらい、キャスティングのバランスが大変な作品なんだなーと感じました。

衣装のお話もとっても共感します。ヨランダの凄みのあるデザインも見てみたかったですね。
でも今回の華やかで可愛らしいものが、kバレエの方々をとても良く映していて、助けになっている気がしました。

Kでエキゾチック物だったら、海賊よりまたバヤデールやってくれないかなーと思うくらい、気に入りました!




Posted by マイテ at 2014年03月29日 23:05
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