2015年08月25日

小林紀子バレエシアター「ミックスプログラム」

2015年8月23日(日)3PM 新国立劇場中劇場
「ソワレ・ミュージカル」振付ケネス・マクミラン 音楽ベンジャミン・ブリテン
ホテルのエレベーターホールのような背景に、ベルボーイの恰好をした男性たちと、それに似た感じのチュチュの女性たち。マクミランというよりはアシュトンのようなテイストで、ストーリーのないレビュー風。
プリンシパルの大森結城さんが、女性らしくて華やかで良かったのですが、最後の方で三人揃ってフェッテするところ、落ちてしまって立て直せなくて、残念な終わり方になってしまいました。

「グローリア」振付ケネス・マクミラン 音楽フランシス・プーランク
合唱つきで音楽が美しかったです。これは戦争がテーマのバレエで、男性は塹壕にいるような帽子に総タイツ、女性はグレーのタイツにスカートで、マクミランの特徴的なリフトが多用されています。
合唱もつけるとなると、費用もかかるし上演が難しいと言われていた作品らしく、日本で上演するのはかなりチャレンジングな事だったと思います。作品のトーンは地味だし、暗いテーマだし、まったく一般向けするものではなかったですが、このような作品をあえて上演するという小林紀子先生のイギリスバレエに対する思い入れを感じました。
合唱付きのバレエはいいですよね。新国立劇場バレエで上演したカルミナ・ブラーナ、そして中劇場で上演したウォルシュ振付の「オルフェオとエウリディーチェ」はかなり好きな作品です。

「ライモンダ」第3幕
ハンガリーダンスの萱嶋さんがきれいでした。重厚な舞台装置も良かったです。
衣装は新国立劇場の牧バージョンの方が素敵です。

今回はバレエやオペラに造詣の深い友人のおかげで観賞出来ました。
最近私はおけぴやヤフオクなどでチケットを買うことが多いのですが、小林紀子バレエシアターのチケットはそのような譲渡サイトにはほとんど出てきません。
ダンサーにチケットノルマがあるそうで、知人やバレエ関係者、ダンサーが教えをやっている教室の生徒などでチケットがはけてしまうのでしょうね。そういう意味ではお稽古バレエの典型的なスタイルなのではないかと思います。小林紀子バレエシアターは、必ずオーケストラ演奏で、取り上げる演目も、あまり知られていないようなイギリスの作品が多いという独自路線を進んでいます。
せっかく珍しい演目をやっても、観客が身内だけでは、小林先生の自己満足に収束してしまい、広くバレエ界や芸能界に発信することにはならないような気がします。
また、デボラ夫人と親しいのか、マクミランにこだわっているようですが、もっと新しい現代に生きている振付家の作品などを上演しても良いのではないでしょうか。



posted by haru at 22:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大森結城さんの件。

悪友(自称大森結城ファンクラブ会長)にチケットを押し付けられて楽日を観に行ったのですが、初日を観た彼が「あまりにボロボロでショックを受けた」と言っていたので、なんとなく予想していました。

彼が言うには、初日の彼女はもうぜんぜん踊りにキレがなく、『ソワレ』は非常に細かい独特のしぐさの数々が魅力的な作品なのに、それらがすべてボヤケてしまい、しかも瞬発力もなくなっているので、あらゆる振りがなんとなく遅れ気味。ジュテもぜんぜん飛べてないし、ポーズもビシッと決まらず、最後のフェッテもなんとなくふらついて左右のダンサーより遅れていたし、見るに堪えなかった、とのことでした(それでも初日はちゃんとフェッテを回り切ったようです)。

「初日は、前日に遅くまで舞台稽古があって、しかも当日午前中にゲネがあり、疲れているのはわかるけど、それは他のダンサーも同じ条件なのだから、言い訳にならない。発表会じゃないんだから、あんな踊りを見せちゃだめだ。だいたい、彼女は考えが甘くて、プロらしい厳しさに欠けるところがある。すばらしい才能があったし、本番に強かったから、若いころにはそこそこの練習でなんとかなったかもしれないが、もうそんな年齢じゃないだろうに」と、憤懣やるかたない様子でした。

念のため書いておきますと、大森結城さんは10年前の『ソワレ』の日本初演で神がかり的に素晴らしいパフォーマンスを見せて、デボラ・マクミラン夫人(『ソワレ』の舞台美術を担当)に「これまでに見たどの『ソワレ』よりもすばらしい!」と絶賛されたダンサーです。私も悪友と一緒にその公演を観て、スゴいダンサーだと思いましたし、その後の数回の再演でも魅力的なパフォーマンスを見せてくれました。

が、その後、小林シアターで『ソワレ』は上演されなくなり、その間に大森さんも出産・育児で数年間舞台を離れていて、シアターの舞台に戻ってきたのは昨年の夏公演からだと思います。それ以降、冬の『くるみ』、春の豊島区の公演に出演して、それらを観た悪友によれば、小さい役ならソロであっても無難にこなしていたようです。しかし、さすがに『ソワレ』のプリンシパルのような難しい役では衰えが隠せなかった、ということでしょうか。

まぁ、自分ではもっと踊れるつもりだったんでしょうけれど、年を食うっていうのは、そういうことですからね。その点、悪友の言うように「考えが甘い」のでしょう。

それに、疲れや多少のケガがあっても、踊りのスピートや精確さが本番で極端に悪くなるということは考えられないので、実際にはリハーサルの時からあまり踊れていなかったのだと思います。

でも、彼女は小林シアター内ではもはや重鎮ですので、誰も面と向かって不出来を指摘しませんし(とくに『ソワレ』に関しては彼女よりうまく踊ったダンサーは他にいないわけですからね)、紀子先生ですら、「本番に強い」という以前のイメージがあったので、リハーサルの出来が悪いから降板させる(第1キャストと第2キャストを入れ替える)という選択肢は考えなかったのかもしれません。

それゆえ、本人はリハーサルでもそれなりに踊れているつもりだったのでしょうし、だからこそ本番にも堂々と登場できたのだと思います。

なお、左脚の故障中という話も聞いていたので、フェッテが落ちてしまったのは本番中にそれが悪化したのではないかとも想像できますが、それもおそらくは「この程度の痛みなら、若いころにはちゃんと踊れた」という慢心というか、「甘さ」を以て舞台に臨んだ結果であろうことは想像に難くありません。
___

P.S. 楽日にハンガリアンのプリンシパルを踊ったのは「萱野」ではなく「萱嶋みゆき」さんです。

P.P.S. 小林シアターは基本的に紀子先生の自己満足のための団体だと私も思います。


Posted by TMK at 2015年08月26日 22:44
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