2016年05月02日

東京バレエ団「ラ・シルフィード」沖&松野

2016年4月30日(土)14時 東京文化会館

ラ・シルフィード:沖香菜子
ジェイムズ:松野乃知
エフィー(花嫁):河谷まりあ
ガーン(ジェイムズの友人):和田康佑
マッジ(魔法使い):森川茉央

ラコット版のラ・シルフィードが面白いのは第1幕にあるオンブル(影)のパ・ド・トロワ。
ジェイムズとエフィーが婚約パーティで踊るところに、いつの間にかシルフィードが入り込む。
シルフィードが見えるのはジェイムズだけ。
ジェイムズ以外の人間たちにはパ・ド・ドゥに見えるが、ジェイムズとシルフィードにとってはパ・ド・トロワ。
エフィーにはシルフィードは見えないけれども、ジェイムズの気持ちがどこかまっすぐ自分に向っていないことを感じながら踊る。

ジェイムズは、かわいくて愛らしいエフィーと、蠱惑的なシルフィードのはざまで、どちらを選ぶかという悩みをかかえながら、二人の相手をして踊る。
沖香菜子のシルフィードは静謐で、この世のものならぬほど美しい。踊っている間にも、その魔力のようなものにジェイムズがどんどん惹かれていくのが感じられた。

そしてついにジェイムズはシルフィードを追って森の奥へ行ってしまう。
松野乃知はアントラッせの後脚が高くあがるし、繊細ながらダイナミックな跳躍が素晴らしい。

第2幕、フライングなどもあり、森でのシルフィード達の踊り。
フォーメーションの移動もきれいで、体の角度もぴったり揃っていて、極上のコールドバレエだった。
芸術監督、斉藤由佳里の指導が行き届いていることがうかがえる。

マッジにそそのかされて、ヴェールをシルフィードにかけると、羽根が取れて急速に弱っていく。
そして、シルフィードの細い腕が、力なく下がると、パサッと中身がなくなって蝉の抜け殻になったようで、この臨終シーンは今まで見た事のない表現であった。
そして、その後のジェイムズの慟哭。
 
沖シルフィードと松野ジェイムズは、これが2回目のラ・シルフィードだったが、特にこの第2幕後半は二人とも役に入りこんでいて、観客もどんどん舞台の世界に引き込まれて行きました。

舞台の素晴らしさを堪能した公演でした。





 








posted by haru at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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