2016年06月11日

Kバレエ「眠れる森の美女」中村祥子&遅沢佑介

2016年6月11日(土)12:30 東京文化会館
オーロラ姫 中村祥子
フロリムント王子 遅沢佑介
リラの精 浅川紫織
カラボス ルーク・ヘイドン

私が前回Kバレエの眠りを見たのは2010年。熊川さんと東野さんが主演でした。
その時の自分のレビューを読むと、「東野さんはまだオーロラを踊るのには早すぎたのじゃないか、そして熊川さんはセーブ運転モードだった」等々と書いてあり、あまり満足した公演ではなかったようです。

しかし、今回は、大大満足の素晴らしい公演でした。
その原因は、衣装や装置を新調して色彩が上品で美しかったとか、浅川さんのリラと女性ソリストたちがレベルアップしていたとか、カラボスの演技が面白かったとか、キャシディの王様がかっこよかったとかというもろもろ以上に、「プリマが素晴らしいから」これにつきます。

眠りという演目は、古典中の古典。
ドンキや白鳥にあるような32回転フェッテはありませんが、クラシックのスタイルですべてのパをきっちりと見せることができてこそ、振付の良さが見えてくる演目です。
完璧なアンドォール、脚のライン、アラベスクのポーズ、優美な腕使い、ローズアダージオでのバランス…
端正に踊ることによって、オーロラ姫の貴族性や上品さを表現するのです。

中村祥子さんは、身長172センチくらいでしょうか、長くてスリムな手脚、弓なりの脚のライン、見事な甲、小さくて美しいお顔という容姿

どこまでも伸びていくようなアラベスク、微動だにしないポワントバランス、やわらかな腕使い、丁寧な踊りと、視線や指先までも語るような表現

第1幕の登場シーンでは、あまり跳ねるような踊り方ではなかったですが、そのかわり、紡ぎ糸をもらってはしゃいで踊るところでは、ピョンと飛ぶようなステップを見せて、オーロラの高揚感を表してくれました。

第2幕は「眠っているオーロラ」なので、夢の中にいるようにはかなげで、「眠っている」ことを表す腕のポーズが美しい。

第3幕のグランパのアダージオで、私は不思議な感覚におそわれました。
祥子さんの踊りを見ていると、自分がヨーロッパの伝統ある歌劇場にいるような感じがするのです。
祥子さんは、ウィーン、ベルリン、ハンガリーなど、そうそうたる豪華な歌劇場で踊っていたプリマです。
彼女はヨーロッパの歌劇場の空気を身にまとっているのですね。

バレエでは、わずかな首のかしげ方、ほんの少しの腕の角度などで、まったくニュアンスが違ってきます。
祥子さんは、ヨーロッパで長く踊ることによって、ヨーロッパの貴族のしぐさ、ニュアンスを表現できようになったのだと思います。
こんな感覚、他の日本人のバレリーナでは感じたことないです。
(米沢唯さんの踊りも端正で素晴らしいけど、ヨーロッパにいるという感じはしない)

遅沢さんは、祥子さんを美しく見せるようにサポートしてくださり、ありがとうございます。
特にアダージオでのフィッシュダイブ3連続、祥子さんの脚が天井に向くぐらい急勾配な角度で、あのような角度のフィッシュダイブは初めて見ましたが見事でした。

祥子さんの事ばかり書いてしまいましたが、まさに現役日本人バレリーナの中で一番のプリマでしょう。
今、年齢的にもキャリア的にも技術と表現のバランスが取れて、良い時期ですし、可能ならば彼女のすべての舞台を見たい!!と感じるくらい素晴らしい舞台でした。

熊川さんにも祥子さんを呼んでくれてお礼を言いたい気持です。
こんな素晴らしいプリマを見ることができる幸せ。
このオーロラはシネマにして欲しいし、祥子さんのジゼルも見たい!!











posted by haru at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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