2016年11月07日

「シンデレラ」中村祥子&遅沢佑介

2016年10月29日(土)16:30オーチャードホール

シンデレラ 中村祥子
王子 遅沢佑介
仙女 西成雅衣
シンデレラの義姉 山田蘭 岩淵もも
シンデレラの継母 ルーク・ヘイドン

シンデレラは、熊川さんがはじめて自分が踊らない前提で振り付けた全幕作品。
初演のタイトル・ロールは松岡梨絵さん。キッラキラに輝いていて、ボロ服が全然みすぼらしく見えないほどでした。今回中村祥子さんのシンデレラを見ていて、どうしてもあの時の松岡さんが思い出されてなりませんでした。
祥子さんの踊りはもちろん素晴らしいのですが、松岡さんのあの時の輝きとキレの良い脚さばき、心の美しさがどんな時でも伝わってくるようなにじみ出る情感…まさにプリマバレリーナ松岡梨絵の頂点として、燦然と私の中で輝いているのです。

その後、松岡さんは二度目のシンデレラの主演を降板して出産、Kバレエを去りました。
あの時は、松岡さんのプリマとしての洋々とした未来への道が、ずっと続いていくものだと思っていたのですが、シンデレラ初演がキャリアの頂点だったとは。
もちろんプリマであると同時に一人の女性であるので、女性としての幸せを得ることはおめでたい事なのですが、観客としては残念ですし、本当にバレエ・ダンサーの旬って短いです。

その点、中村祥子さんは、プリマバレリーナとして、そして母親として、この二つを両立させているという、日本ではめずらしいケースです。彼女の類まれな才能を認めて協力を惜しまない旦那様も影の立役者と言うべきでしょうね。

さて、第1幕のボロ服のシンデレラ。祥子さんは、いじめられてもすぐに立ち直って、自分で楽しみを見つけてその場を明るくしてしまう超ポジティブシンデレラです。
今の祥子さんは女性としての家庭の幸せ、プリマとしてのやりがいのある仕事と、大変に幸せな状態にあると思いますので、どうもそのあたりの地が出るというか、シンデレラが全然かわいそうに見えないんです。
この第1幕での悲惨さ、暗さがある程度ないと、変身したシンデレラとの差が際立たないのですけど。
もう少し陰影のあるような演技があるとよかったです。

義姉たちにも少し遠慮があるのかしら?山田蘭さんの義姉は初めて見ましたが、悪くはないけれど、もう少し踊りのキレと、特徴的な性格づけがあると岩淵さんとのコンビがさらに映えると思います。アシュトン版だと、ひとりのお姉さんはおっとりタイプ、もうひとりはちょこまかタイプとなっているのですけど。
岩淵さんは何度もこの役を踊っているだけにさすがの存在感とコメディエンヌっぷりでした。







posted by haru at 10:11| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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