2017年06月30日

Kバレエ2017「ジゼル」浅川&宮尾

2017年6月25日(日)13:00 東京文化会館
ジゼル 浅川紫織
アルブレヒト 宮尾俊太郎
ヒラリオン 石橋奨也
ミルタ 矢内千夏
ペザント 中村春奈 井澤諒

Kバレエシネマのバヤデールでのガムザッティの浅川さんが、セリフが聞こえてくるような見事なマイムと踊りだったので、これはぜひ彼女のジゼルが見たいと思い、チケットを取った公演です。

第1幕は、おとなしくて目立たないジゼル…とう造形を狙っていたようで、それが華やかな美貌で強さを感じる彼女のキャラクターとはなじまないように思えました。踊りは軽やかでよかったですが、アルブレヒトの宮尾さんとの交信もあまり感じず。彼女は本当に誰かを強く好きになったことがあるのか、どこか本人のクールさが出てしまい、失恋して狂うジゼルにリアリティがなかったです。

ペザントがKバレエではパ・ド・シスとして6人で踊られますが、中心になるペアの中村春奈さんは、やわからかで優しく美しく、とてもステキでした。有名なペザントの女性ヴァリエーションがこの版ではないのが残念。
Kバレエでは、有名どころの古典作品を熊川さんが再演出していますが、ジゼルに関しては、スタンダートな版とそれほど改変していないし、美術衣装はピーター・ファーマーで、村人たちは茶色を基調とした地味なもの。熊川さんの作品としては珍しいくらいの古典主義です。
その中でも、秀逸な演出は、第2幕のジゼル登場シーンで、ジゼルが中央に進むと、両サイドからスモークがたかれ、その中を他のウィリーたちが取り囲むようにして出てくるところです。幻想的で美しかったです。

第2幕は浅川さんは、そのクールビューティがしっくりきて、感情を感じさせないような静かな踊りで圧倒しました。「静か」な踊りとは、余分なものがそぎ落とされ、精神が集中された状態です。
アルブレヒトが、精霊になったジゼルを頭上にリフトする所があります。
普通は、さっと一気に頭上にジゼルを横たえるように一瞬で持ち上げます。その時にいかに軽く見せるかが男性の腕の見せ所なのですが、宮尾さんの場合は、一気に、ではなく、ゆっくりと頭上にいくまでの過程がスローモーションでみるように持ち上げていました。一気にやるよりもゆっくりスムーズにやる方がはるかに難しいと思いますが、宮尾さんは見事でした。
力を込めてあげているようには全く見えず、ジゼルが体重がないように軽く見えました。
アルブレヒトの一幕の演技、あまり心に響かなかったのですが、このリフトは感心致しました。
彼は熊川さんと違って、オレ様的性格でもないし、こういう縁の下の力持ち的な役柄(サポートだけ)とかの方が光るのかもしれませんね。
第2幕のアルブレヒトのヴァリエーションも、だいたいはいいのですが、途中のピルエットだけ少しもたついてしまって、いったい何年主役やらせてもらっていてこの程度なんだとがっかりもしたんですけど。

第1幕が終わった時点では、やはり祥子ジゼルを選ぶべきだったかなと少々後悔したのですが、第2幕は素晴らしかったので満足です。



posted by haru at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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