2011年02月17日

swan magasineのSHOKO特集

現在発売中のswan magasine
私の大好きなベルリン国立バレエ団プリンシパルのSHOKO特集だったので思わず買ってしまいましたが、これで1000円って高いですね〜。

SHOKOさんは、昨年夏に妊娠がわかり、ローザンヌ・ガラのあとは実家のある九州で過ごしていたそうです。Kバレエのダンサーブログに、ベルリン国立バレエの来日公演直前の1月12日に元気な男の子を出産したと報告がありました。

スワン・マガジンでは、バレエに集中してとびきりストイックな生活を送っていて、何でも「大丈夫、自分でできます」と言ってしまう甘え下手なSHOKOさんが、どのようにして旦那さんのヴィエスラフ・デュデックさんに心を開いていったのか、妊娠ということをどのように受け止めたのか…など、なかなか興味深い記事でした。

第一線で活躍しているバレリーナが、どのように女性の幸せと、ダンサーとしてのキャリアを両立させていくのか、バレエを続けていく上で女性ならば誰でも絶対にぶち当たるであろう大問題です。
30代前後で、一番油の乗っている時期に出産するプリマが最近多いですよね。
ザハロワとか、オレリーデュポンとか…

SHOKOの場合は、「踊りに対して余裕が持てるようになった今だから、こうした時間を与えられたことの意味を、すんなり理解できるんです」と、ベルリンに入団した時でなく、自然体で踊れるようになった今の時期に妊娠したことをとてもナチュラルに受け止めているようです。
この記事を書いた方は、きっとSHOKOさんの大ファンなのではないでしょうか。ファン目線で、知りたいことは聞いてくれているし、なおかつとても美しいインタビューになっています。

amazonのレビューを読んでみたら、全部漫画のswan続編の感想ばかりで、中にはSHOKOのことを知らない方もいらっしゃるようでしたが、漫画swanの読者=バレエファンとは限らないということですね。
記事の方は結構マニアックなバレエファン向けだから、それだけでは売れ行きが心配、だから漫画ファンを取り込むというのはこの雑誌のうまい戦略ではないかと思います。


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2010年04月20日

草刈民代「バレリーヌ」

今日の朝日新聞朝刊に、全面広告で草刈民代さんのヌードがでていたので、びっくりしました。

すべてをさらけ出さなければ、人を感動させることは、できない。
顧客を魅了し続けてきた多彩な「精神/esprit」。
バレエのためだけに形作られた「肉体/matiere」。
舞踊家人生を集大成した、二冊組豪華写真集。


幻冬舎から出版された写真集「バレリーヌ」の広告でした。
ちゃんと胸もあるし、もっと痩せているのかと思ったけれども、意外としっかりと筋肉のついた体で、凛としてとても美しい姿です。(膝の向きがアンドォールしていないのがバレエのポーズとしては気になりますが…)

引退して、表現者としてバレエ人生の集大成に、ダンサーとしての鎧をまとった演技者としての自分の最後の姿を残しておくことを決意したそうです。

いつの日か、何もまとわず、何の気負いもなく、カメラの前に立てるようになりたいと思っていました。それは、表現者としての強さがなければできないことだと思っていたからです。ダンサーであった私を写真を通して表現してみたかった。

以前のブログで、舞台ではその人の人格、生活ぶりなど、すべてがまるはだかになる、と書きましたが、おそらく自分のすべてをさらけだす覚悟で踊ってきた草刈さんにとっては、それはヌードになるのと通じるところがあったのかなと感じました。


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2010年01月30日

DANZA26号

バレエ・ダンスのフリーマガジン「DANZA」26号が出ています。

表紙はアニエス・ルテステュ。

アニエスは巻頭インタビューでパリオペラ座の来日公演で踊る
「ジゼル」の役作りについて語っております。
ジゼルが他の村娘のように、ぶどうの収穫などの農作業をやらずに
いるのは、心臓が弱いだけではなくて、
彼女の白い美しい手を荒らしたくないため。
母が彼女を大事に箱入り娘のように育てている、そのわけは…
出生の秘密(貴族の落とし種とか?)があるから、だそうです。



もうひとつ興味を引いた記事は、3月に新国立劇場で上演される
「アンナ・カレーニナ」について語った振付のボリス・エイフマンの
インタビューです。
日本人メイン・キャストの厚木三杏さん、山本隆之さん、
貝川鉄夫さん、堀口純さんの4人をサンクト・ペテルスブルグに
2週間招いて、じっくりリハーサルをするそうです。

なお、DANZAはネットからでも読むことが出来ます。こちら

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2009年10月24日

『テレプシコーラ第2部』第3巻ネタバレあり

山岸涼子のバレエ漫画『テレプシコーラ第2部』の3巻が発売になりました。
今までの巻に比べて、3巻はすごく面白い!
ローザンヌバレエコンクールに挑戦する六花を描いているのですが、
いかに世界のバレエ界でコンテンポラリーを重視するように
なっているかを強調しています。

世界はもはや
クラシックだけを
踊れるダンサーを
必要としていない

クラシックも
コンテンポラリーも
その両方をクリアー
したものだけが

これからの
バレエ界を
動かしてゆくー



創造力豊かでコンテンポラリーが得意な六花ちゃんと、
クラシック重視でコンテを軽視している茜ちゃん、
そしてギエムばりの身体能力を持つ謎の少女、ローラ・チャン。

現在連載中のダ・ヴィンチでは、熱のため準決勝のクラシックで
「パフン」と転んでしまい、コンテンポラリーを棄権した六花ちゃんが
「私のローザンヌはこれで終わった…」とベッドで泣いてる一方、
最高の出来でクラシックを踊って、コンテもまあまあの出来だった
茜ちゃんの番号が、決勝出場者の中にない!!まさか落ちた!?
というところまで来ています。

たぶん、茜ちゃんは決勝に行けず、コンテを棄権した六花ちゃんが
決勝に進むという流れなのでしょう…


何故クラシックが上手で自信満々の茜が落ちて
六花が決勝へ進めるのか?


3巻では、六花とケントがこんな会話をしているシーンがあります。

六花 「コンテンポラリー楽しかったね」
ケント「うん 僕好きだ」
六花 「これがどのくらい点数に反映するかわからないけれど」
ケント「あんがい影響度高いと思うな
    審査委員長がコリオグラファーのN氏だから」
六花 「そう?でもコンテンポラリー上手でもクラシック下手なら
   決勝に残れないよね?」
ケント「うーん それも程度によると思うな
    このところヨーロッパはどんどんコンテンポラリーが
    強くなってきてるし」


この漫画は2008年1月に行われたローザンヌ・コンクールを
舞台に想定しているようです。
その時に審査員を務めた堀内元さんのインタビューを、
私が以前の記事にしています。こちら

このときの採点は、コンテンポラリー・レッスン25点、
表現のレッスン25点、
クラシック・ヴァリエーション25点、
コンテンポラリー・ヴァリエーション25点の
合計100点。

テレプシコーラの中で「歴史とセミナー」といっているのは
表現のレッスンにあたります。
実際、2008年の時はジゼルとアルブレヒトの出会いのシーンを
やったそうです。

表現のレッスンで、ただひとり、独自の振付を考えた六花。
熱のため、うまく踊れなかったけれど、ローラが代わりに
完璧にイメージを表現して踊ってくれた。

漫画では審査員側のことは全然描かれていませんが、
もし書かれていたら、この子は独創性に富んでいると六花は最高得点、
そして六花の意図する事を的確につかんで踊ったローラは、
その英雄的行為も評価されて、表現力で少し難あり(コビがないから)
の本来の点数より加点されそうです。


たとえば、六花はコンテのレッスンで23点、表現のレッスンで25点、
クラシック・ヴァリエーションが18点として
コンテのヴァリが棄権で0点でも合計66点

茜はコンテのレッスン10点、表現レッスン10点
クラシック・ヴァリ25点、コンテ・ヴァリ15点とすると合計60点

ローラはコンテレッスン23点、表現のレッスン15点、
クラシック・ヴァリ25点、コンテ・ヴァリ20点の
合計83点ぐらい。

決勝へ進める分岐点が65点ぐらいだとすると、
六花はぎりぎりで通過できるということになります。


ローザンヌ・コンクールに挑戦するバレリーナの卵たちの実情を
リアルに描いているこの漫画、第2部はローザンヌだけで
終わるんじゃないかという気がしてきました。

だって、たとえばその後六花がバレエ留学したとして、
留学生のリアルを山岸先生は描けるのでしょうか。

留学した後に日本に帰ってきたら、よっぽど上手じゃないと
プロのいわゆる御三家(新国立、Kバレエ、東京バレエ)に
入るのは難しいし、出身のバレエ学校で小さい子たちに
教えをやって、バレエの先生になるしか食べていく道がないという
ような夢のないことを描いてもしょうがないですよね。

でも、こちらの想像をいつも良い意味で裏切ってくださる
山岸先生ですから、きっとまた新たな展開になるのでしょう。
期待しています。


追記:

現在進行中の2010年ローザンヌ国際バレエコンクールの
概要はこちら


もうビデオ予選通過の連絡は日本人参加者のところに
届き始めているようです。
例年通りなら、11月頭ぐらいにHPで出場者が発表されるでしょう。

コンテンポラリー課題は、2年つづいてノイマイヤー作品でしたが、
2010年はキャシー・マーストンとクリストファー・ウィードンの
二人の振付師の作品から出されています。
ということは、ノイマイヤーは審査員ではないのかもしれませんね。

ローザンヌでのコンクールは2010年1月26日(火)〜31日(日)まで
開催されます。


ぴかぴか(新しい)

再追記:

11月発売のダ・ヴィンチを読んだら、茜も六花も決勝に進めず、でした。
う〜ん、やられた。
六花は棄権として処理されてしまったようです。
山岸涼子のコミックス「牧神の午後」の巻末にある
ローザンヌ珍道中記を読むと、「無冠の大器に声がかかることもある」
と書いてありますから、何らかのオファーがある展開なのでしょうか。


ぴかぴか(新しい)












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2009年03月20日

「起承転々 怒っている人、集まれ!」佐々木忠次著

NBS(日本舞台芸術振興会)を設立した佐々木忠次さんが
1989年〜2008年にわたってNBSニュースに連載していたコラムを
一冊にまとめたものがこの本。

この20年の間にはバブルとその崩壊があり、
新国立劇場の建設があり、日本のオペラ・バレエ界の
勢力図もだいぶ変わってきたと思う。

佐々木さんが頑張って海外との繋がりを創り上げて
日本にオペラやバレエを呼んできたその道筋を、
バブル時代、カネにまかせて企業がドスドスと踏み荒らし、
アーティスト達の出演料を高騰させた。

本格的なオペラとバレエの牙城となるはずだった
日本の第2国立劇場は、一部の委員の意見が通って、
採算の取れない中途半端な座席数のハコになってしまった。

国立劇場と呼ぶならば、専属のオーケストラ、
専属の合唱団、そして専属のバレエ団も作るべき。
だけども、オーケストラはいまだにないし、
合唱団もバレエ団も1年契約のアーティストを
集めただけのもので、保険や年金などの保障はない。

…等々、佐々木さんは、この国のおそまつな文化施策に
これでもかこれでもかと怒りの鉄拳をふりあげています。

バレエのことについて言えば、私は新国立バレエのファンですが、
たしかに、あまりにもダンサーの待遇が不安定すぎます。


話に聞くところでは、新国立はひとつの舞台に立ってナンボの
出演料支払いをしているようです。
それだと、出演の少ない期間もあるわけだし、
プリンシパルになっても「教え」をやらなくちゃ生活できない。

やはり、国立と名乗るならば、月給制度にして、
パリ・オペラ座のように、年金をもらえるように制度を
きちんと整えて欲しいですね。
怪我をした時も、安心して休めるような保障制度も欲しいし。

予科生もできて、研修制度はどんどん拡大していく傾向がありますが、
その子たちが目ざす先が、不安定な職場ではね…

この間のローザンヌコンクールを見ても、
日本人ダンサーのレベルはすごく向上しています。
海外へ出なくても、日本でもきちんとプロとして生活してゆける、
そのお手本になるぐらいのシステムをぜひ整えてください!


ぴかぴか(新しい)







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2009年03月10日

「バレエに育てられて」牧阿佐美著

新国立劇場バレエ芸術監督、牧阿佐美先生の自伝が出版されました。
「バレエに育てられて」



橘バレエ団創設者橘秋子の娘として生まれ、
15才にしてバレエ団を結成(福田阿佐美ベビーバレエ団)、

22才のときにアメリカに渡って、バレエ・リュッスのプリマだった
アレクサンドロワ・ダニロワに学び、1955年に帰国して翌年、
23才にして牧阿佐美バレエ団を設立、芸術監督に就任。

当時の牧阿佐美バレエ団には、大原永子、大井昌子、早川恵美子、
森下洋子など、現在の日本バレエ界の大物が在籍していました。

日本のバレエ界では、小牧バレエ団、谷桃子バレエ団、
東京バレエ団などの有力なバレエ団がありましたが、
50年代〜60年代にかけては、
日本のバレエの揺籃期に誕生した2、3のバレエ団から
まるで細胞分裂するかのようにダンサーの移動、集散があって、
いくつものバレエ団が作られていきました。

新国立バレエ団の最初の芸術監督であった島田廣、
そのパートナーであり、日本バレエ協会初代会長だった服部千恵子、
東京バレエ団を立ち上げた佐々木忠次、
牧阿佐美とのちに結婚した三谷恭三、谷桃子や小林紀子、森下洋子など、
現在のバレエ界の重要人物は、すべてお互いに何らかの形で
かかわりをもっていることがこの本を読むととてもよくわかります。

そして、そのほとんどが高齢であるとはいえ、まだ元気で
日本のバレエ界を動かしているのです。
派閥の力が幅をきかしているのもやむなるかな。

おそらくゴーストライターの手によるものでしょうが、
牧阿佐美先生の半生を描きながらも、
日本バレエ界の研究資料にできるほど、現在までの道のりが
ちゃんと書かれていて面白い本です。

最後の方に、AMスチューデント設立の話があり、
これはアサミ・マキの頭文字をとって、
ほとんど自分だけで教えをする、牧阿佐美直伝のクラス。

草刈民代、成澤淑栄、志賀美佐枝、田中祐子、野間景、酒井はな、
小嶋直也、久保紘一、吉本真由美、吉本泰久、上野水香、
逸見智彦、服部有吉、金森穣、遅沢佑介、本島美和、伊藤有希子など

国内外で活躍する目ぼしいダンサーの8割ぐらいはここの出身かと
思えるほどの面子がずらっと揃っています。

現在の新国立劇場バレエ団でも、このAMスチューデント出身者が
何人かいて、どうして実力がまだそこまででないのに、
あんなに主役に引き立てられるんだろうと思っていましたが、
この本を読んでその理由がわかりました。

「私の生徒がかわいい」からなのですね。
「ダンサーは舞台でしか成長できない」とも書いてありました。
う〜ん、その気持ちはわかるのですけれど…。

ご自分のバレエ団でやるのならいいですけれど、
新国立においては、「国立」なのですから、
日本のバレエ界のことを考えて、公平な目で見て、
たとえ自分の生徒でなくても、一番良いダンサーに主役をふるのが
芸術監督に求められていることではないでしょうか。



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2008年07月25日

「テレプシコーラ」第2部第1巻発売!

山岸涼子のバレエ漫画「舞姫テレプシコーラ」、
やっと第2部1巻が発売されました。

もちろん、ダ・ヴィンチの連載を立ち読みしてましたが、
なかなか展開がすすまないな〜〜という感じで
少々あきれていましたが、コミックスになったら
一気に読めるので面白かったです。

第2部は、高校1年生、15才になった六花が
ローザンヌコンクールに挑戦する姿が描かれます。
といっても、第1巻では、飛行機が雪で遅れたり、
一緒に挑戦する茜ちゃんがカゼをひいていたり、
なんだかんだで、やっと、ローザンヌのレッスン場に
たどりついたところで幕。

山岸先生が、実際に2008年のローザンヌを取材して書いているので、
とってもリアル。このままバレエっ子のマニュアルになりますね。

個人的には、拓人と六花がユース・アメリカン・グランプリの
日本予選に挑戦するときに、付添のない一人ぼっちの参加同志だったので
お互いに助け合い、励ましあうシーンがホンワカとして良かったです。



巻尾に、首藤康之さんと山岸先生との対談が載っています。
この中で、山岸先生は、12才で親に言われるままバレエをやめてしまい、
それまでは本当にバレエが好きだったのに、
「あのとき、ある意味、自分の意識みたいなものが死んだのだと
いうことにも気づかず……
…それから17歳までどうやって生きてきたのか記憶がないのです。」
とおっしゃっておられます。

これ、まったく私もそうなんです!
私も12才の時に親にバレエをやめろと言われてやめてしまって、
そのあと中、高校と無気力、無関心、無感動の人間になって
生きていました。

高校2年ぐらいになって、モダンバレエのレッスンをやりはじめて
少し目があいてきたという感じで、その間、
本来ならば青春の真っ只中だったはずの記憶がありません。

本当に自分の好きなこと=生きがいは
決して手放してはいけません!!


しかし、山岸先生はこうも語っています。
「今になってみれば、それで本当に良かったと思います。
バレエの道を選ばないで(笑)。選んでいたら挫折して
人生にうちひしがれていたでしょう。」


これも同じかも。

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2008年06月18日

「白鳥の湖」伝説 小松正英とバレエの時代

「白鳥の湖」伝説 山川三太著 無明舎


最初は画家を目指してハルビンに渡り、
(といっても目的地はパリだったが)
パリまでたどり着けずに、ハルビンのバレエ学校に入学し、
その後上海に密航同然で行って、「バレエ・リュス」のダンサーになり、
『ペトリューシカ』『バラの精』などを踊ってプリンシパルとして活躍。

そして戦後、日本に引き揚げてきて、
初めての全幕『白鳥の湖』公演を成功させた、
いわば日本バレエ界の始祖ともいえる小牧正英。

その彼の半生をつづったのがこの本です。


とにかく、小牧正英という人物が、面白いし、
とても不思議な魅力のある人だったことが伝わってきます!

ハルビンから上海に行くときは、
乗船券も渡航証明書もなかったので、
でっちあげの言い訳で、強引に船に乗り、
上海についたら5時間の尋問うけ、ようやく解放され
それからバレエ・リュスのあるフランス租界へたどりつくまでも、
まるでスパイさながらのドキドキ状態。

当時の上海は、それはそれはモダンな都市だったそうです。
上海バレエ・リュスでは、ダンサーは基本給プラス公演手当てが毎月支払われ、
ダンサーたちのレベルも高く、
公演のプルミエの翌日には、英、仏、露、独、伊、中、という
各国語の新聞に批評記事が載り、それもとおりいっぺんの紹介記事でなく、
本当にバレエを知らなければ書けない細部にまで目の行き届いた
評ばかりであったそうです。

上海のバレットマンがバレエを見守る目差しは温かくても、
その批評眼はきびしいものがあったようです。

日本に帰ってきて、全幕『白鳥の湖』を成功させたあと、
小牧バレエ団をつくり、谷桃子と結婚、これは2年ぐらいで破局し、
当時の大スキャンダルになって「色魔的バレエ王」などと
呼ばれたそうです。

こちらに簡単な半生が紹介されていますが、
この本のほうが詳しいし、面白いです。


小牧正英氏は、2006年に94歳でお亡くなりになったそうですが、
彼の波乱に富んだ人生は、映画にしたら面白そうです。
主役は、熊川哲也さんがイメージにぴったりなんだけどな…


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2008年06月06日

戦時中のバレエ用語

『バレリーナ谷桃子物語』を読んで、当時のことを
いろいろネットで調べていましたら、面白そうな本がありました。

『「白鳥の湖」伝説 小牧正英とバレエの時代』
戦後、日本で始めての「白鳥の湖」全幕を成功させた
小牧正英の半生をつづった本です。

まだ読んでいる途中ですが、この中で、戦時中に
敵性語を使ったバレエレッスンができなかったため、
バレエのパを日本語に言い換えていたというくだりが
かなり面白かったので紹介しますね。

男性の回転技、ダブルのザンレールは「くるくるポン」

跳躍技のグラン・ジュッテは「はすがいとんぼ」

同じく跳躍技のジュッテ・アントラッセは「足からげ」

ハートたち(複数ハート)  

なるほど〜〜〜ひらめき
日本語で言った方がわかりやすい。




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2008年06月03日

「バレリーナ谷桃子物語」小林進著

今年3月に出版された新刊
「バレリーナ谷桃子物語」小林進著 雄山社

読んでみました。
内容は、谷桃子が少女時代にバレエにあこがれて
モダンバレエを習い始めたころから、日劇に入り、
その後谷バレエ団を設立して引退するぐらいまでの
かなりざっとした半生の物語です。

谷桃子以外は、仮名になっています。
彼女に唐突に結婚を申し込んで、その後
バレエ団に別の恋人ができて唐突に去っていく
のは小暮真樹とありますが、これは小牧正英の事ですね。

上海でバレエ・リュスの団員として踊り、
終戦後日本に引き上げてきて、初めての「白鳥の湖」公演を
おこなった、日本バレエ史上の重要人物です。
2006年にお亡くなりになりました。

谷桃子と離婚して彼が付き合ったのは、太刀川 瑠璃子。
スターダンサーズバレエ団の創設者、代表です。

谷桃子は、その後パリに留学するも、
日本のバレエとのあまりのレベルの違いに
だんだんと意気消沈し、ひきこもりのようになって帰国。

その後谷桃子バレエ団での「白鳥の湖」全幕公演をおこない、
TVや映画に出演して全国的な人気を得るようになります。

私生活では10歳年下のダンサー、小沢尚と愛し合うようになります。
(これはのちに小林紀子と結婚し、
小林紀子シアターを立ち上げた小林功のことでしょうか)
二人の結婚は谷桃子の母かよに反対されて、
同棲のみに終わってしまいます。


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日本のバレエ創世記に重要な役割を果たし、
戦後復興時の「バレエアイコン」だった谷桃子が、
こんなに悩み、苦しみ、自信喪失し、
そこから母や仲間に励まされ、立ち上がり、
長い道のりを歩いてきたのかと
この本を読んではじめて知り、驚きました。

実は私、幼稚園から小学生の頃、
谷桃子バレエ教室へ通っていました。
谷先生は、そのころは引退間近でしたが、
今でも「ジゼル」第一幕狂乱の場面の演技は思い浮かびます。
子供心にも、ジゼルがかわいそうでなりませんでした。

踊りを愛し、控えめで愛らしいジゼル。
ウィリーになった2幕では、「能面」をイメージして
踊っていたそうですが、私には2幕のことは
あまり記憶に残っていません。
狂乱の場が印象的だったのは、
やはりドラマチック・ダンサーだったのですね。
今だったら、ロミオとジュリエットなんか踊ったら
ぴったりだったんでしょうね。

この本には、残念ながら当時の写真などが
あまり入っていません。
谷桃子バレエ団のサイト「ネット資料館」
で、そのへんの話や写真が見れて面白いです。


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2008年03月23日

山岸涼子の傑作バレエ漫画集「牧神の午後」

メディアファクトリーより、山岸涼子の傑作バレエ漫画集
「牧神の午後」が発売されました。こちら

内容は、
「牧神の午後」1989年作

伝説のバレエダンサー、ニジンスキーを
振付師ミハイル・フォーキンの視点から
踊りの神に憑依された天才の光と闇を描いています。

山岸先生ならば、もう一歩彼の精神の深みに
つっこんで書けたのではという不満もありますが、
「跳躍して降りてこなかった」というシーンなど
当時の雰囲気をとらえていて、
私も観客になってニジンスキーの舞台を観ているような
気分になりました。


「黒鳥 ブラックスワン」1994年作

バランシンの妻になったマリア・トールチーフを
主人公にして、バランシンの人間像に迫る作品。

マリア・トールチーフは、映画「バレエ・リュス」の中に
登場してきて、私が一番気になったバレリーナでした。

インディアンの血をひいた、とても美しいプリマで、
当時としては抜群のスタイル。


黒ハート続きを読む
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2007年11月06日

テレプシコーラ再開!!

山岸涼子のバレエ漫画「テレプシコーラ」
第2部が今日発売のダ・ヴィンチで
いい感じで始まりました!

これから先はネタバレです。







第2部では、何と六花ちゃんが、
ローザンヌ・バレエ・コンクールに行きます!!

雪の降る成田空港が1話の舞台です。
六花ちゃんは、高校1年16歳。
あれから2年ぐらいたってます。

たしか、1部の終わりは六花が中2の年末でした。
ローザンヌは2月だから、正確には2年と2ヶ月経っている。

背が160センチに伸びて、お顔もきれいに主役風の描き方になりました。
(160センチというところが微妙。
新国立バレエの採用基準は161センチだからわずかに足りない)

六花ママはあきらめていたローザンヌだけれども、
ダメもとで応募したビデオ
(股関節の開きが悪いのを隠すように、左側の方から撮った)
で予選突破!!ローザンヌへ行く事に。

茜も一緒にローザンヌへ!
こちらは前年度にビデオ審査に落ちて、
今回は五嶋先生が値段の高い、腕のいいカメラマンに頼んで
万全の撮り方で挑み予選通過!
けれども茜は日本出発の日に風邪を引いてしまい、
発熱・咳の状態のまま空港に現れる。


金子先生はあのハーレキンを踊っていた彼と結婚し、
妊娠、出産。
金子先生をひそかにライバル視しているという五嶋先生も、
負けじと結婚、そして妊娠中の為、
今回のローザンヌ行きは、個人旅行でなく、
コンクール出場者用のツアー参加の形になる。

風邪を引いている茜を他の出場者がやっかいもの扱いする中、
吹雪の為飛行機は欠航!
さあどうなる次回!!!


…というようなお話で、次回から当分は、
ローザンヌ・コンクールに出場するバレリーナの卵たちの話や、
その周辺の裏話などが存分に入ってくるのではないかと
すっごく期待しています!

山岸涼子先生は、何度がローザンヌ・コンクールにも
行っていますから、きっと面白い話がありそう!!
第1部の悲劇性を払拭するような展開を御願いします。

そうそう、大地くんは前年度のローザンヌ・コンクールに
出場したという話がちらっとありました。
するとスカラを取って、今はロイヤルあたりに留学中なのかな?




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2007年10月25日

バレエ漫画新刊

槇村さとる「Do Da dancin’ヴェネチア国際編」第2巻
山岸涼子「ヴィリ」が発売になっています。


ドゥダのヴェネチア国際編は、主人公の鯛子が白鳥のオデットに挑戦する話で、
“クラシック”バレエという事について、いろいろ興味深い解釈が登場します。


たとえば、クラシックバレエダンサーとしての
出世街道をドロップアウトした鯛子が、
モスクワ王立バレエプリンシパルの
龍一に質問するシーン。


「クラシックバレエってなんだろう?」



彼の答えは、「役を演じること



「自分の個性を捨てて!?

』ってもんがないってこわくない?」




「だからダメなんだよ、おまえは。

だよ

役がなければ個性もない。
ありのままの自分なんて
楽ちんすぎてみっともない。


くだらなすぎ。
手抜きすぎ。
見せるのは失礼だ。




一見アホみたいな王子であっても、
そのキャラクターを
咀嚼して、
想像して、
洞察して、
自分との違いと、
同じ所をさぐって近づいていく。

その過程で
自分の想像力や
感受性や
性格や
生き方が問われる。



かくれていた自分を知る。



自分でもわからなかった個性が出てくる。




役の中に自分の真実を見つけて、
本物の感情を乗せた時、
時代や人種を越えて、
人を感動させられる。



くだらない自我を捨てた時、
はじめて本物の個性が表面に出てくるんだ。」




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こういうことって、役者さんもそうだとおもいますね〜

役を自分にひきつけるタイプと、
自分が役に近づいていくタイプとありますが、
バレエダンサーも、役に対するアプローチは
同じような過程をたどるのでしょうね。

ただ、クラシックの場合は、役を自分にひきつけるのではなく、
自分から役に近づいていかねばならない、という事を
龍一は言っていますが。
彼はそっちのタイプなんでしょうね。
鯛子は逆に自分にひきつけるタイプで。

まだ単行本化されていませんが、
連載されている方では、
このあと鯛子が、「クラシックは、自分を押し付けないから、
形の中にそっと自分を入れて観客に差し出すから、
見ている人にとっては優しいんだ」
という事に気づきます。

ドゥダは、時々、はっとするような薀蓄が含まれているので
ためになります。

第1部にあった「イメージ筋の強いやつがチャンプだ」というのが
私のお気に入りの言葉です。


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山岸涼子「ヴィリ」は、ダ・ヴィンチでの短期連載でしたが、
どうも、結末が甘すぎて、納得できませんでした。

最初の方には拒食症とか、高校になってから伸び悩むダンサーとか、
バレエ団を存続させる苦労とか、リアルな要素があったのに、
最後はホラー漫画か?と思わせておきながら、
あっけなくハッピーエンド的結末で…

海外のバレエ団に行ったけど、帰ってきてしまったダンサーとか、
上手だけれども、バレエ団のトップがいすわっているから
主役を踊れないダンサーとか、
「あるある…」要素だらけだったのにねえ。

山岸先生は、かえってドラマを作らずにバレエ団の日常を
描いていただけの方が面白かったりしてね。

テレプシコーラの第2部は11月ぐらいから始まるらしいです。
楽しみです






るんるん
















posted by haru at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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