2017年06月30日

Kバレエ2017「ジゼル」浅川&宮尾

2017年6月25日(日)13:00 東京文化会館
ジゼル 浅川紫織
アルブレヒト 宮尾俊太郎
ヒラリオン 石橋奨也
ミルタ 矢内千夏
ペザント 中村春奈 井澤諒

Kバレエシネマのバヤデールでのガムザッティの浅川さんが、セリフが聞こえてくるような見事なマイムと踊りだったので、これはぜひ彼女のジゼルが見たいと思い、チケットを取った公演です。

第1幕は、おとなしくて目立たないジゼル…とう造形を狙っていたようで、それが華やかな美貌で強さを感じる彼女のキャラクターとはなじまないように思えました。踊りは軽やかでよかったですが、アルブレヒトの宮尾さんとの交信もあまり感じず。彼女は本当に誰かを強く好きになったことがあるのか、どこか本人のクールさが出てしまい、失恋して狂うジゼルにリアリティがなかったです。

ペザントがKバレエではパ・ド・シスとして6人で踊られますが、中心になるペアの中村春奈さんは、やわからかで優しく美しく、とてもステキでした。有名なペザントの女性ヴァリエーションがこの版ではないのが残念。
Kバレエでは、有名どころの古典作品を熊川さんが再演出していますが、ジゼルに関しては、スタンダートな版とそれほど改変していないし、美術衣装はピーター・ファーマーで、村人たちは茶色を基調とした地味なもの。熊川さんの作品としては珍しいくらいの古典主義です。
その中でも、秀逸な演出は、第2幕のジゼル登場シーンで、ジゼルが中央に進むと、両サイドからスモークがたかれ、その中を他のウィリーたちが取り囲むようにして出てくるところです。幻想的で美しかったです。

第2幕は浅川さんは、そのクールビューティがしっくりきて、感情を感じさせないような静かな踊りで圧倒しました。「静か」な踊りとは、余分なものがそぎ落とされ、精神が集中された状態です。
アルブレヒトが、精霊になったジゼルを頭上にリフトする所があります。
普通は、さっと一気に頭上にジゼルを横たえるように一瞬で持ち上げます。その時にいかに軽く見せるかが男性の腕の見せ所なのですが、宮尾さんの場合は、一気に、ではなく、ゆっくりと頭上にいくまでの過程がスローモーションでみるように持ち上げていました。一気にやるよりもゆっくりスムーズにやる方がはるかに難しいと思いますが、宮尾さんは見事でした。
力を込めてあげているようには全く見えず、ジゼルが体重がないように軽く見えました。
アルブレヒトの一幕の演技、あまり心に響かなかったのですが、このリフトは感心致しました。
彼は熊川さんと違って、オレ様的性格でもないし、こういう縁の下の力持ち的な役柄(サポートだけ)とかの方が光るのかもしれませんね。
第2幕のアルブレヒトのヴァリエーションも、だいたいはいいのですが、途中のピルエットだけ少しもたついてしまって、いったい何年主役やらせてもらっていてこの程度なんだとがっかりもしたんですけど。

第1幕が終わった時点では、やはり祥子ジゼルを選ぶべきだったかなと少々後悔したのですが、第2幕は素晴らしかったので満足です。



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2016年11月20日

「ラ・バヤデール」祥子&遅沢

2016年11月19日(土)16:30 東京文化会館

ニキヤ 中村祥子
ガムザッティ 浅川紫織
ソロル 遅沢佑介
ハイ・ブラーミン スチュアート・キャシディ
マクダヴェヤ 酒匂麗
黄金の仏像 井澤諒

熊川さんは中村祥子さんで、Kバレエの全幕レパートリーすべて映像に残すつもりなのでしょう。
白鳥、眠り、このバヤデールもシネマとして公開されるようです。
そのための録画撮りをしていたためか、コールドに至るまで気合の入った良い舞台となりました。

冒頭は苦行僧たちの踊り。ここはKバレエの男性ダンサーたちがはじけるところ。
マクダヴェヤの酒匂さんのジャンプがすごく高くて、開脚も空中のポーズが決まっていて、しょっぱなからワクワクしてきます。

ソロルの登場は、グラン・ジュッテの連続ではなかったです。海賊みたいなパッセの形を見せるジャンプ1回で登場。んーここはやはり、斜めに大きなジュッテで登場して欲しいところです。

ハイ・ブラーミンと共に僧侶たちが登場。このエキストラの僧侶が、初演時に驚いたのですが、太った中年の方々なんです。普通、こういうエキストラって、バレエ団員の下っぱがやるものですが、それだと体格的に細くて舞台に重厚感が出せないと判断したのか、体格の良いエキストラを調達(いったいどこから?)。
こんなところに熊川さんの「こだわり」を感じます。そうです。こういう小さなことの積み重ねで舞台の重みが違ってくるんです。脇役もエキストラも重要な要素です。

巫女の踊りの後、ニキヤ登場。ヴェールをかぶった祥子さん、そのままでも美しい。
この世のならぬ美しさというよりも、もう少しナチュラルで、平民の娘が取り立てられて巫女になった雰囲気。わりと普通っぽいというか。あえてのキラキラ度おさえめというか。

とても控えめで、神に仕える身という自覚があり、ハイ・ブラーミンのプロポーズもきっぱりと断る。
でも、マクダヴェヤから「ソロルが待っている」と聞かされると、突然瞳がキラッと輝いて、表情がパァーッと明るくなる。ニキヤにとって、ソロルは特別な存在だというのがよくわかりました。

ニキヤの踊りは、大変に抑制された感じで、それはこの1幕の時から、影の王国に至るまでずーっと続いていて、唯一解放されるのは、この一幕で踊るソロルとの愛のパ・ド・ドゥ。

そう言えば、この公演の前に行われた公開リハーサルで、ソロルを探すニキヤのことを、熊川さんが「Where is my lover?」ってアテレコをしていたけれども、祥子さんは、まさにそのセリフが聞こえるようなお手本のような演技でしたね。

場面が変わってラジャの屋敷。これがお前の婚約者だよとガムザッティに見せるソロルの似顔絵が、なにげに遅沢さんに似すぎていて(笑)あたりまえなことですが、ここが似ていない舞台って結構あるんです。こういう小道具も神経が行き届いているところ、いいと思います。

浅川ガムザッティが、ゴージャスな美しさでキラキラオーラ全開です。これはソロルでなくても誰でもまいってしまうだろうという位の。思わずくらっとくるソロルの気持ち、わかります。
ニキヤとガムザッティの対決シーンは、マイムからセリフが聞こえてくるようで、大変にドラマティックでした。美女二人の喧嘩、大迫力で、キッラキラのガムザと、身分の低いニキヤという対比もわかりやすかった。浅川ガムザは、生まれながらのお姫様で、自分の思い通りにならなかったことなど、一度もないという育ち方で、だから自分に歯向かっていうことを聞かないニキヤに対して、思わずムカついて「殺す!」となる流れも納得できました。

ニキヤの「殺す!」マイムで休憩かと思ったら、舞台は続いて婚約式のシーンへサクサク進みます。
度肝を抜くくらい大きな象(これは海賊の船にも匹敵するくらいの大装置です!)にソロルが乗って登場。これまた大きな仕留めた虎がお土産。

ジャンぺの踊り、にぎやかな太鼓の踊り、パ・ダクシオン、ガムザッティとソロルのパ・ド・ドゥなど、古典バリバリのクラシックから、土着的な太鼓の踊りまで、さまざまな踊りがてんこ盛りで楽しい!
杉野さんをリーダーとする太鼓の踊りは、みんなはじけておおいに盛り上がる!ボリショイにも負けていない!
バヤデールでは、きたない恰好の男子の方が見せ場が多くて踊りまくる!
例外はソロルの友人の栗山さん。シュッとして細くて長身王子。見た目は抜群です。踊りがもっともっと上手になってKバレエを背負うくらいになって欲しいです。

ガムザッティの難しいヴァリエーション、浅川さんが端正かつ華麗に踊りきって大喝采!!
浅川さんは初演時のニキヤが、とても良かった記憶がありますが、ガムザッティも素晴らしい。祥子さんと浅川さんでニキヤとガムザッティを交替して日替わり公演なんか、いいんじゃないですか?
この二人で、たとえばジゼルとミルタを交替して日替わり公演もいいと思います。

遅沢さんは、もっとできる人だと思いますが、ジャンプの高さが少し物足りない感じではありました。彼はKバレエで長いですからね〜もう7、8年?
経歴を見ると2007年入団、2013年からプリンシパルなんですね。遅沢さんという相手役がいるから祥子さんが踊れるわけであって、祥子さんのために外部からゲストを呼ぶのはKバレエらしくないし、かといって宮尾さんはいまいちなんで、もうすこし彼に頑張ってもらわなくては。

ニキヤの悲しみの踊り。ポワントでススしてからアティチュードという振付、普通はさっと脚を上げてからすぐにアテールに降りるのですが、祥子さんはポワントのまま、片脚をゆっくりとあげてアティチュードにもっていき、そのままポワントバランス。これを繰り返しました。すごい大技!
こういう大技、コジョカルとロホがやったのを見たことがあります。そういう世界でも超一流のバレリーナしかできない技です。

この悲しみの踊りが、花かごをもらってから明るい曲調になるのですが、熊川版では、花かごは直接ソロルからニキヤに渡されます。(準備したのはラジャです。ラジャが花かごに毒蛇をしかけさせたという設定です)
ラジャが花かごを「踊ってくれたお礼に渡せば」みたいな感じでソロルに渡し、ソロルがニキヤに花かごを渡し、受け取ったニキヤが喜んで明るく踊りだすという、大変納得のいく話の流れになっています。

花かごから毒蛇がでてきて噛まれたニキヤに、びっくりする様子のガムザッティ。ガムザッティが仕掛けたのではないようで、でもニキヤは「あなたがやったんでしょう」と言いますが、「そんなの知らないわ」と、まあ本当に知らないんでしょうが、悪びれず、ソロルの手を取り、あちらにいきましょうというガムザ。
それを見て、解毒薬を拒絶して死ぬニキヤ。このあたりのお話しは、ジゼルにそっくりですよね。

ニキヤの死で第一幕は終わって休憩です。第二幕は神殿の中で祈るソロル。この神殿のセット、タイムマシンの異次元空間みたいでなかなか面白いです。マクダヴェヤが水パイプをすすめて、ニキヤの幻があらわれ、それを追っていくと影の王国です。

影の王国は2段半ぐらいのつづら折り。影たちの衣装は、ちょっとかわったバルーンスカート風のチュチュで凝っています。コールドたちの見せ場の長いシーンですが、とても良く揃っていて、緊張感と一体感のある美しい踊りでした。観客もしわぶきせずに、かたずをのんで見守って、引き込まれました。こういう舞台と客席の一体感を味わえるのが、DVDでは味わえない、劇場空間ならではの良いところです。

影となったニキヤの踊りは、余計なもののないシンプルな、クリアな踊りでした。祥子さんはポワントに乗って「たゆとう」のが好きで、作品によってはよくそれをやるのですが、ここではそれは封印し、古典のエッセンスのみで魅せるような踊りでした。
ヴェールの踊りは、左右両方に回転する、とても難しいものですが、完璧でした。
そのあと、ちょっとピルエットで落ちるという祥子さんにしてはめずらしいミスがありました。まあ、たぶんもう一回の公演でもビデオ撮りをして良い方と差し替えてシネマで使うので大丈夫でしょう。
遅沢さんのソロも、だいぶ体力を使ったのか、ヘロッてるところがありました。少しお疲れなのかしら。

三人のオンブル、それぞれのヴァリエーションが素晴らしかったです。ふんわりと軽くて、体重がないようで。中村春奈さん、小林美奈さん、浅野真由香さん。このあたりのランクの女性ダンサーが徐々に育ってきているようです。

影の王国から帰ってくるとソロルは死んでいて、駆け寄ったガムザッティに白蛇が食いつく。
神殿が崩壊して(ここの舞台装置、すごくゆっくりと大岩が落ちてくるのが、CGみたいで迫力あります)すべてが無となった中に黄金の仏像が踊ります。

その後、スモークがたかれ、天国でニキヤを追いかけていくソロルで幕。

この最後の演出ですが、初演時は、たしか神殿崩壊のあと、洪水が起きて、それを水色の布で表現していたと思いますが、そこがなくなってしまいました。
あの水色の布の洪水で、「世界が浄化された」というインパクトがあるのに、改変されたのは少々がっかりです。初演時に、それで終わるのはどうかという意見があったのかと思いますが、熊川さんの秀逸なアイデアなのですから、つらぬき通して欲しいです。






















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2016年11月07日

「シンデレラ」中村祥子&遅沢佑介

2016年10月29日(土)16:30オーチャードホール

シンデレラ 中村祥子
王子 遅沢佑介
仙女 西成雅衣
シンデレラの義姉 山田蘭 岩淵もも
シンデレラの継母 ルーク・ヘイドン

シンデレラは、熊川さんがはじめて自分が踊らない前提で振り付けた全幕作品。
初演のタイトル・ロールは松岡梨絵さん。キッラキラに輝いていて、ボロ服が全然みすぼらしく見えないほどでした。今回中村祥子さんのシンデレラを見ていて、どうしてもあの時の松岡さんが思い出されてなりませんでした。
祥子さんの踊りはもちろん素晴らしいのですが、松岡さんのあの時の輝きとキレの良い脚さばき、心の美しさがどんな時でも伝わってくるようなにじみ出る情感…まさにプリマバレリーナ松岡梨絵の頂点として、燦然と私の中で輝いているのです。

その後、松岡さんは二度目のシンデレラの主演を降板して出産、Kバレエを去りました。
あの時は、松岡さんのプリマとしての洋々とした未来への道が、ずっと続いていくものだと思っていたのですが、シンデレラ初演がキャリアの頂点だったとは。
もちろんプリマであると同時に一人の女性であるので、女性としての幸せを得ることはおめでたい事なのですが、観客としては残念ですし、本当にバレエ・ダンサーの旬って短いです。

その点、中村祥子さんは、プリマバレリーナとして、そして母親として、この二つを両立させているという、日本ではめずらしいケースです。彼女の類まれな才能を認めて協力を惜しまない旦那様も影の立役者と言うべきでしょうね。

さて、第1幕のボロ服のシンデレラ。祥子さんは、いじめられてもすぐに立ち直って、自分で楽しみを見つけてその場を明るくしてしまう超ポジティブシンデレラです。
今の祥子さんは女性としての家庭の幸せ、プリマとしてのやりがいのある仕事と、大変に幸せな状態にあると思いますので、どうもそのあたりの地が出るというか、シンデレラが全然かわいそうに見えないんです。
この第1幕での悲惨さ、暗さがある程度ないと、変身したシンデレラとの差が際立たないのですけど。
もう少し陰影のあるような演技があるとよかったです。

義姉たちにも少し遠慮があるのかしら?山田蘭さんの義姉は初めて見ましたが、悪くはないけれど、もう少し踊りのキレと、特徴的な性格づけがあると岩淵さんとのコンビがさらに映えると思います。アシュトン版だと、ひとりのお姉さんはおっとりタイプ、もうひとりはちょこまかタイプとなっているのですけど。
岩淵さんは何度もこの役を踊っているだけにさすがの存在感とコメディエンヌっぷりでした。







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2016年07月23日

新国立劇場バレエ 子供のためのバレエ劇場「白鳥の湖」井澤&米沢

2016年7月21日(木)15時 オペラパレス
オデット/オディール 米沢唯
ジークフリード王子 井澤駿

子供のために新制作した「白鳥の湖」
オーケストラがないけれども、大人でも楽しめるクオリティの高い公演でした。
子供向けに色々とカットされております。
第1幕は、ワルツの曲の中にすべてを詰め込んでいます。友人たちや道化の踊り、王妃のマイムも。
40分→5分といったところ。
しかし、その後王子の見せ場、哀愁のソロはあります!
女の子の「王子様ステキっ❤」という反応を狙っているのか、あるいは男の子に「カッコいい!僕もあんな風に踊りたい💡」と思わせてバレエ・ボーイズを作るためか…

第2幕は、オデットのヴァリエーションがカットされているのですが、ロットバルトの登場、王子とオデットの出会いとパ・ダクシオン。白鳥の見事なコールドもたっぷりとあります。

米沢唯さんのオデットは、清潔感があって、とても細いのだけれども、すっと強い芯が通っている。
肩の可動域が大きくて、鳥のように後ろにゆっくりと腕がまわり、どこまでも伸びていくようなしなやかさ。指の先までも繊細にコントロールして、音楽に寄り添い、音楽を彼女自身が奏でているような気がしました。

以前は胸が薄くて子供っぽく見えた体型も、体を大きく使って踊ることによって気にならなくなったし、女らしいというよりは、やや中性的な印象も、「人でないもの」というオデットの特性には似合っています。彼女らしい個性だと思います。

色々なダンサーのオデットを観ましたが、女っぽさ全開のオデットもいれば、女王らしいオデットもいるし、少女のようなオデットもいます。唯さんのオデットは、人間の女とか女性とかいうことをあまり感じさせない、不思議な存在感があります。でも、王子に白鳥たちの命乞いをするシーンなどは、少し女らしさが漂います。この不思議さに惹かれます。もう米沢唯のトリコです。

唯さんは、クラシックのテクニックが盤石なので、どんなシーンでも安心してみていられます。
王子との踊りは大変に美しかったです。これを見た少女たちが、「唯さんの白鳥を見て、バレリーナになろうと決意しました!」な〜んてことがたくさん起こりそうな名演でした。

休憩の後は第3幕です。
道化の踊りがたっぷりあります。これは、「あんなすごい踊りを俺もおどりたい!」とバレエボーイズを奮起させる効果がありそうです。各国のディベルティスマンは、スペインとナポリのみです。あとは私でも退屈することが多いのでカットして正解です。

花嫁候補たちの踊りもあります。この衣装が、ヘンテコな細巻貝みたいなものを頭に載せてます。
ああ…これって、今の牧版白鳥の前にやっていたキーロフ版で使用していた衣装だと思い出しました。
見るたびにヘンテコだと吹き出しそうになっていたのに、なぜまた採用したのか理解に苦しみます。ダンサーがかわいそうです。牧版の花嫁候補の衣装は、全員お揃いでなく、少しずつデザインが変わっていて、「やっとステキな衣装になったわ!」と思っていたのに…。
牧版を作ったのが2007年ごろだから、それ以前というと10年前の衣装を引っ張り出してきたのでしょうか。次回上演の際にはぜひ別のデザインで新調して頂きたいです。
ついでに言えば、舞踏会のロットバルトの衣装もたぶんキーロフ版のものですが、ものすごく変なので次回新調希望です。

黒鳥のパ・ド・ドゥはカットなしです!唯さんのオディールは、明快です。ゲームとして王子をたぶらかすのを面白がっているというのがよくわかる。
ヴァリエーションは、トリプルピルエットからアティチュードターン。見事です。稽古場では6回転ピルエットもやってしまうという話です。やはり稽古場で6回転できるからこそ、舞台で余裕の3回転ができるんですね。
注目の32回フェッテは、前半は1−1−3、後半は1−1−2。
トリプルをきっちりと拍の中に入れ込むので、後半のダブルがやけにゆっくり回っているように見えました。
唯さんの技を見ると、胸がスカッとします!!
クリアで雑味のないビールを飲んだ時みたいで…いえ、唯さんをビールに例えるなんて失礼ですよね、ピュアな最高品質、ピュアモルトです!すっきりして雑味がないけれども、奥深い。

井澤王子についてですが…容姿は王子度満点です。ちょっと暗めの雰囲気もいいかも。
彼は新国立劇場のNO1王子を目指して売り出し中ですが、存在感というかオーラが薄いんですよね。
悪くはないけれども、あまりひっかからない。もっとナルシストになればいいのかもしれない。

第4幕は、またまたナレーションであっさりと4曲分ぐらいをカットし、クライマックスへ突入です。
王子とオデットの間を裂こうとするロットバルトから逃げたり、「オデット最終兵器」(王子がバズーカ砲ようにオデットをリフトしてロットバルトに立ち向かうこと)で立ち向かったり…
牧版と振付が似ているので、うやむやにロットバルトが滅ぶのではないだろうな…と心配になりました。
しかし、やっと王子がロットバルトと闘い、それも結構一生懸命に闘って、羽をもぎ、その後ロットバルトが湖に落ちて稲妻とともに死ぬという、わかりやすい結末になっていました。

牧版の大きな欠点は、どうしてロットバルトが死ぬのかがわからないところなんですが、この子供版では、その点をきっちりとわかりやすくしたのは大変評価いたします。

花嫁候補の衣装以外は、白鳥コールドバレエの美しさを堪能できるし、物語もコンパクトにまとめられているし、白鳥の湖の踊り、黒鳥の踊りなど、みどころはすべてきっちりと入っているし、新国立劇場ならではの、クオリティの高い公演になっていたと思います。
これでオーケストラを付けたヴァージョンで、大人向け短縮版白鳥の湖として、料金を安めにして、バレエを見たことがないけれども一度は見てみたいという層を狙った公演を打ったらいいんじゃないかと思いました。












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2016年07月18日

Kバレエトリプルビル 2日目

2016年7月17日(日)14時 オーチャードホール

「ラプソディ」
伊坂文月 荒井祐子

「シンプル・シンフォニー」
中村祥子 遅沢佑介
宮尾俊太郎 井上とも美
栗山廉 小林美奈

「アルルの女」
熊川哲也 浅川紫織

前回の眠り公演のあたりに急に決まったトリプルビル。
パンフレットも間に合わなかったのか、薄いカラー刷りのものが無料で配られました。
ラプソディ30分、シンプル20分、アルル15分で休憩込で85分の公演。短いです。
最後に、出演者全員によるスペシャルアンコールがあって、元を取った感じでした。

熊川さんが出るというせいか、ほぼ満席。ラプソディのみ、ソリスト二人のキャストが違います。
本日のラプソディは井澤さん主演の予定でしたが「芸術的理由」とかで伊坂さんにチェンジ。
井澤さんは後ろのボーイズに混じって踊っていましたが、キレがいいし、すこし音を早取りで踊るので、この作品にはピッタリなのに、なぜなのでしょう。
身長が足りなかったのか、リフトが下手だったのか…伊坂さんの方が「陽性」な感じがするからなのか…

本当の理由はわかりませんが、伊坂さんは、きちっと踊っていました。
悪くはないのですが…面白くはない、物足りない。
この作品って、もともとミーシャに振りつけられたもので、天才的なダンサーが、90%くらいの力で、遊び心をもって余裕で踊るところがいいんです。
熊川さんしかり、マックレー先輩しかり。その点、伊坂さんは上手だけれど、天才ではない。
100%で踊っている感じでいっぱいいっぱい。もっと伸びやかさや、やんちゃなイメージが欲しかったと感じました。もっとはじけて踊るには練習時間不足だったのかもしれません。

荒井さんは久しぶりに見ましたが、抒情的でニュアンスたっぷり。さすが。貫禄がついてきました。
その分、重量感(実際に重くなったということではないです。相変わらず細いです)のある踊りというか、もう少し軽やかに踊っても良かったような。矢内さんとか、白石さんとかがやっても面白いかもしれない。

ラプソディは、DVDになった熊川&都のものと、舞台でも一度見ていますが、主役の男性が空気を切り裂くように飛び出してくる衝撃が、今回はありませんでした。
Kバレエの衣装は、不思議な黄色と赤とで昔のアバンギャルドみたいな強烈なセンスなので、今回は衣装を変えるかと思いましたが、そのままでした。荒井さんの胸にお花だか原子炉マークだかみたいなのがついているのが気になるんですが…
何度か見ているので、これはこれで面白いのかもしれないと思うようになってきました。

ラプソディの後でシンプル・シンフォニーを観ると、熊川さんは、ラプソディへのオマージュとしてこの作品を振りつけたんじゃないかと思うくらい、印象が似ています。音符ひとつひとつに動きがつけられているようなところとか、頻繁に方向変換をするところとか…舞台装置も三角の組み合わせで、なんとなく似ているし。

三人のカップルがでてきますが、メインは中村祥子さんと遅沢さん。
祥子さんがそれは素晴らしくて、柔らかく伸びやかな動きだけれども、この鬼振付にぴったり合っていて、その中で自分らしさを出しているのがわかります。
出演者は全部出づっぱりで、自分の踊りがないときも横で立っている。そのとき、さすがの祥子さんでも、荒い息を隠せないような呼吸をしているのを見て、どれだけ大変な振付なんだろうと。
衣装が黒いシンプルなハイネックのチュチュなのですが、チュチュの裏に鮮やかな緑色がはいっているのがおしゃれです。タイツとポワントも黒で、タイツは少し透けるので、祥子さんの素晴らしく発達した美しい脚の筋肉がよく見えました。
Kバレエに遅沢さんがいてよかった。こんなに祥子さんをきれいに見せてくれて。彼ぐらい踊りのうまい、釣り合うパートナーがいなくては、祥子さんはKバレエに来てくれなかったかもしれません。

男性三人は祥子さんに合わせて高身長。
宮尾さんと栗山さんがユニゾンで踊るところがありましたけど、宮尾さん!!栗山さんに負けてますよ!
栗山さんの方がよっぽど踊りにキレがあります。
プリンシパルなんだから、もっと頑張って!!

最後の演目、アルルの女ですが、私は初めて見ました。
最初は御大はほとんど踊りません。うつろな目をしているだけです。
浅川さんが、彼をなんとかしようとすがったり甘えたりします。
浅川さんはつま先も美しいですし、達者ですけれど、この二人カップルには見えません。

そして、いっちゃてる感じの御大は、彼女が去ったあと、ひとりになって狂気にとらえられて…
ラストのジャンプ、舞台一周(これは飛び上がらないのでマネージュではありません、みなさん、拍手はなさらないで〜〜)窓からのダイブ…終了。

踊りとしては物足りませんし、キレも高さも熊川さんらしくない(本人比)です。
今のKバレエではもっと踊れる男子がいっぱいいます。
でも、役柄に入り込んで、物語を語る演技は素晴らしかったです。
幕が下りて、カーテンコールになっても、役柄からなかなか抜けられないらしく、笑顔にならなかったです。

最後にスペシャルアンコールで、出演者全員が出てきて、最初のラプソディから順番に演目のさわりを踊ってくれました。
熊川さんもサービスで大ジャンプを披露して、やっと笑顔になりました。

しかし、私はアルルの女より、もっときちんと踊る熊川さんが見たかったです。
たとえば、ご自身振付のカルメンより、鎖でつながれて踊るパ・ド・ドゥとか。

今の熊川さんには、これぐらいがちょうどなのでしょうか。
そうすると、もうそろそろ舞台から引退した方がいいと思います。
今回で引退でもいいかと、いや今回引退するつもりで、急にこのトリプルビルをやることにしたのかと思いました。

スペシャルアンコールを見て、これはKバレエオールスターズか?と思いましたが、よく考えてみると、今回はキャシディとか、白石さんとか、佐々部さんとか、山田蘭さんとか、出ていない人も結構いるんです。
それでは引退公演にはできないですよね。













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2016年06月11日

Kバレエ「眠れる森の美女」中村祥子&遅沢佑介

2016年6月11日(土)12:30 東京文化会館
オーロラ姫 中村祥子
フロリムント王子 遅沢佑介
リラの精 浅川紫織
カラボス ルーク・ヘイドン

私が前回Kバレエの眠りを見たのは2010年。熊川さんと東野さんが主演でした。
その時の自分のレビューを読むと、「東野さんはまだオーロラを踊るのには早すぎたのじゃないか、そして熊川さんはセーブ運転モードだった」等々と書いてあり、あまり満足した公演ではなかったようです。

しかし、今回は、大大満足の素晴らしい公演でした。
その原因は、衣装や装置を新調して色彩が上品で美しかったとか、浅川さんのリラと女性ソリストたちがレベルアップしていたとか、カラボスの演技が面白かったとか、キャシディの王様がかっこよかったとかというもろもろ以上に、「プリマが素晴らしいから」これにつきます。

眠りという演目は、古典中の古典。
ドンキや白鳥にあるような32回転フェッテはありませんが、クラシックのスタイルですべてのパをきっちりと見せることができてこそ、振付の良さが見えてくる演目です。
完璧なアンドォール、脚のライン、アラベスクのポーズ、優美な腕使い、ローズアダージオでのバランス…
端正に踊ることによって、オーロラ姫の貴族性や上品さを表現するのです。

中村祥子さんは、身長172センチくらいでしょうか、長くてスリムな手脚、弓なりの脚のライン、見事な甲、小さくて美しいお顔という容姿

どこまでも伸びていくようなアラベスク、微動だにしないポワントバランス、やわらかな腕使い、丁寧な踊りと、視線や指先までも語るような表現

第1幕の登場シーンでは、あまり跳ねるような踊り方ではなかったですが、そのかわり、紡ぎ糸をもらってはしゃいで踊るところでは、ピョンと飛ぶようなステップを見せて、オーロラの高揚感を表してくれました。

第2幕は「眠っているオーロラ」なので、夢の中にいるようにはかなげで、「眠っている」ことを表す腕のポーズが美しい。

第3幕のグランパのアダージオで、私は不思議な感覚におそわれました。
祥子さんの踊りを見ていると、自分がヨーロッパの伝統ある歌劇場にいるような感じがするのです。
祥子さんは、ウィーン、ベルリン、ハンガリーなど、そうそうたる豪華な歌劇場で踊っていたプリマです。
彼女はヨーロッパの歌劇場の空気を身にまとっているのですね。

バレエでは、わずかな首のかしげ方、ほんの少しの腕の角度などで、まったくニュアンスが違ってきます。
祥子さんは、ヨーロッパで長く踊ることによって、ヨーロッパの貴族のしぐさ、ニュアンスを表現できようになったのだと思います。
こんな感覚、他の日本人のバレリーナでは感じたことないです。
(米沢唯さんの踊りも端正で素晴らしいけど、ヨーロッパにいるという感じはしない)

遅沢さんは、祥子さんを美しく見せるようにサポートしてくださり、ありがとうございます。
特にアダージオでのフィッシュダイブ3連続、祥子さんの脚が天井に向くぐらい急勾配な角度で、あのような角度のフィッシュダイブは初めて見ましたが見事でした。

祥子さんの事ばかり書いてしまいましたが、まさに現役日本人バレリーナの中で一番のプリマでしょう。
今、年齢的にもキャリア的にも技術と表現のバランスが取れて、良い時期ですし、可能ならば彼女のすべての舞台を見たい!!と感じるくらい素晴らしい舞台でした。

熊川さんにも祥子さんを呼んでくれてお礼を言いたい気持です。
こんな素晴らしいプリマを見ることができる幸せ。
このオーロラはシネマにして欲しいし、祥子さんのジゼルも見たい!!











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2016年01月12日

Kバレエ「白鳥の湖」in Cinema

2016年1月12日(火)13:00 ユナイテッドシネマ平塚

オデット/オディール 中村祥子
ジークフリード 遅沢佑介
ベンノ 井澤諒
ロットバルト スチュアート・キャシディ
パ・ド・トロワ 神戸里奈 佐々部佳代 池本祥真
王妃 西成雅衣

2015年11月1日マチネの録画

Kバレエの白鳥は何度も観ていますが、このシネマ版は大変見ごたえがありました。
中村祥子さんが素晴らしい!
第2幕の白鳥のシーン、ひとつひとつの動きに意味があり、オデットの心情が伝わってくる。
ずっと鳥肌が立っていました。
祥子さんの白鳥は、2005年頃、スチュワート・キャシディの王子でオデットだけ踊った時、2009年頃オデットオディールを踊った時(王子は忘れたけれど、たぶん宮尾さん?)と観ましたが、今回がいままでで一番良かったです。
特に白鳥が深化を遂げていました。
祥子さんはその間、結婚をし、子供を産んで復帰し、本拠地を日本に移しています。
子供を産んで第1線に復帰してバンバン主役を踊っているプリマは、いまの日本では祥子さんぐらいでしょう。

はっきり言ってテクニックは以前の方がすごかったと思う所もあります。
特に黒鳥のフェッテ、以前は最初から最後まで全部ダブルで回っていました。
今回は、前半はダブル連続で後半はシングルーダブルとなっていました。
でも、そんなことは気にならないくらい、今の祥子さんは表現力とテクニックが円熟期に入って最高の状態にあると思います。
中村祥子を観るなら、今でしょう!
というわけで、祥子さんを日本に呼んでくれた熊川さんに感謝しつつ、これからは積極的に中村祥子さんの出るKバレエを観ようかと思っています。(熊川さん出演時のチケットよりも5000円安いし。)

王子役の遅沢さん。登場シーンで、あれ、この人って、こんなにスタイル良かったかしら?とあらためて感じました。太ももが発達しすぎてなくてすらっとしていて美しいスタイルです。
遅沢さんは、Kバレエでかつて主役をはった男性達が次々と退団していく中、長身のプリンシパルとして、熊川さんが(身長の釣り合いの点から)相手役になれないプリマの対応や、団のかなめとして、使われすぎていて、怪我でもしやしないかとヒヤヒヤしております。
今やKバレエの大看板である中村祥子の相手としては、宮尾王子では物足りないので、やはり踊りの上手な遅沢王子にガンバってもらうしかない。しかし遅沢さんもいつまでも踊っていられるのだろうか?という心配をしてます。

Kバレエの男性陣は踊りの上手な子が多くて、井澤さんや池本さんを筆頭にレベル高いです。
けれども身長のある男子は少ない。
高身長で見た目が一番良いのは栗山さん。王子に抜擢されたし、これから精進してください。

その他、気がついた点をいくつか書きます。
王妃役の西成さん、新国立劇場バレエ研修所出身ですが、バヤデールのアイヤとか王妃とか、キャラクター系に行くとは思わなかったけれども、すごく美しい王妃で見栄えが抜群でした!!

パ・ド・トロワの神戸さんが素晴らしかった。軽やかで愛らしくて。退団なさったそうで残念です。

チャルダッシュのリードをやっていた白石さん。日本人には珍しい程の色っぽさをお持ちです。
それを発揮したチャルダッシュ、とても良かったです。
退屈になりがちなキャラクターダンスをゴージャスに味付けしてくれました。

白鳥のコールドにいても、スタイル、特に首の長さが美しい山田蘭さん。
新国立劇場バレエ研修所時代から見ているので、もうそろそろ昇格するといいと思っています。

Kバレエの白鳥の湖は、何年か前の改訂で、第1幕の王子のソロをカットして、王子が本格的に踊るのは第3幕の黒鳥のヴァリエーションのとこだけという、王子のセーブ運転モードヴァージョンになっています。(熊川さんが踊ることを考えてでしょうが)
かわりに男性で一番派手に踊るのがベンノ。第1幕で以前家庭教師が踊っていたところもベンノが踊りますし、第3幕の冒頭でも大変難しいソロがあります。
今回ベンノを踊った井澤さんは、大変見事に踊りこなしていました。

全4幕を映画だとノンストップで約2時間半で上演します。
とても濃密な作品ですので、途中で10分ぐらい休憩が欲しくなりました。







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2015年10月09日

Kバレエ・カンパニ「シンデレラ in Cinema」井澤&神戸

2015年9月30日(水)シネプレックス平塚で観賞

シンデレラ 神戸里奈
王子 井澤諒
仙女 浅川紫織

シンデレラは初演時と、再演時の2回舞台を見ています。
今回は映画とのことで、あの舞踏会のシンデレラからボロ服のシンデレラへの変身イリュージョンのからくりが、わかりました!!
音楽の響きが、何か手を加えたようで美しく盛られています。
カット割は、比較的見やすく、時々表情がアップになるところも悪くなかったです。
シンデレラの神戸さんが素晴らしかったです。
いじめられても、想像力で明るく遊び、おばあさんには優しく、舞踏会に行くときの高揚感、王子の前にパドブレで出てくる時の緊張感も、すべて自然でした。
特にボロ服のところが可愛らしかったです。
松岡さんだと、舞踏会のシーンでそれはゴージャスになるのですが、その点は神戸さんの方が、「普通の女の子」っぽさが残ってました。

王子は、踊りは井澤さんが上手で文句なしでしたが、演技は宮尾さんの方が面白かった。特に舞踏会で、二人のお姉さんに迫られて困っている顔の宮尾さんは絶品です。私はあの、トイストーリーのウッディみたいな宮尾さんの表情がツボなんですよ。
だけど宮尾さんは踊りがねぇ… 
井澤さんはばっちりと踊りこなしてました。
舞踏会の最後の方のリフト満載のパ・ド・ドゥはあわただしい感じでしたが、これは振付が良くないのです。

シンデレラは音楽が素敵だし、演出も楽しいです。浅川さんの仙女は天下一品です。
地元近くの映画館で上演してくれてありがとうございます。
これからももっと映画館上演をしてくれたら、あらたなファンもできるかもしれない。しかし、映画館で見れるからいかなくてもいいやというファンもいるかもしれない。
難しいところですね。



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2015年08月20日

横浜バレエフェスティバル

2015年8月19日(水)6:30PM 神奈川県民ホール
<第1部>フレッシャーズガラ
佐藤健作による和太鼓演奏とオープニング

大太鼓の演奏の後、出演者が次々とスポットライトに浮き上がり、さわりを踊るオープニングがしゃれている。

「眠りの森の美女」第3幕よりオーロラ姫のヴァリエーション
 川本真寧(横浜バレエフェスティバル2015出演者オーディション第1位)

小学3年生ぐらいなのかな、ちっちゃい。筋肉がまだついていないから、ポーズのキープはできないようだけど、しっかり踊っていました。バレリーナとしてはまったく未知数だけど頑張って欲しい。

「コッペリア」第3幕よりフランツのヴァリエーション
 五十嵐脩(横浜バレエフェスティバル2015出演者オーディション第2位、芸術監督・スーパーバイザー賞)

小学校5年生ぐらい?とっても上手で、ピルエットの軸もまっすぐ。このまますくすく育って欲しい。

「タリスマン」よりニリチのヴァリエーション
 永久メイ(2013年YAGPファイナル ゴールドメダル1位)

手足長くてスタイルがいいし、かわいいしうますぎる。牧阿佐美先生が好きそうな感じ。


「コッペリア」第3幕よりスワニルダのヴァリエーション(ABTバリシニコフ版)
 相原舞(アメリカンバレエシアター)

天下のABTで踊っているのだから、フレッシャーズ枠よりプロフェッショナル枠だろう、という気もしますが…。少し地味で華はまだないけれど、踊り達者で、ここまでの全員上手すぎて、日本のクラシックバレエのレベルの高さをあらためて感じます。

「サタネラ」よりパ・ド・ドゥ
 畑戸利江子(2013年モスクワ国際バレエコンクール銅賞)
 二山治雄(2014年ローザンヌ国際バレエコンクール第1位)

生ニ山君を観たかったんです!ゴムまりのような柔らかい筋肉と、瞬間にパッと開脚(時には200度)する身体能力の特異性は目を見張るものがあります。振付けもそこを強調するようにアレンジしてあるし。でもまだ体が成長しきっていない感じで、もっと手足が長くなれば無敵なんですけど。体の柔らかさのせいか、男性らしさを感じません。あと2,3年で身体がどう変化するかに今後の方向性がかかっていると思います。

畑戸さんは、奥ゆかしさと可憐さとしっかりした技術を持ったバレリーナ。このままうまく行けば都さんみたいになれるかもと思わせるポテンシャルがあります。そういう意味では、未知な部分の多いニ山君より有望かもしれない。ヴァリエーションが見事でした。

<第2部>ワールドプレミアム1

「horizontal episode」オセローより(振付:平山素子)
平山素子(ダンサー・振付家)
久保紘一(NBAバレエ団芸術監督、元コロラドバレエ団プリンシパル)
宮河愛一郎(元Noism団員)

最初に舞台上に大きな白い紙が置いてあって、それを上に吊あげてからダンサーが踊る。
男性二人の衣装が黒で照明が暗めで、みづらく、踊りの意味もまったくわからなかった。

「アルトロ・カントT」よりパ・ド・ドゥ(振付:ジャン=クリストフ・マイヨー)
 小池ミモザ(モンテカルロバレエ団プリンシパル)
 加藤三希央(2014年ローザンヌバレエコンクール第6位、モンテカルロバレエ団)

ミモザさんがズボンで加藤さんがスカートで、手のひらで相手を操るみたいな振付けが面白かった。

「ソワレ・ド・バレエ」(振付:深川秀夫)

米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
奥村康祐(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)

本日一番印象に残った演目でした。この作品は初めてみましたが、関西のバレエ団では何度か上演されているらしく、唯さんのたっての希望で踊ることになったそうです。
クラシックのパ・ド・ドゥ形式ながら、複雑な方向変換や凝った回転技などがテンコ盛りで、ダンサーにとってはかなりチャレンジングな演目だと思いますが、それを完璧に、3回転フェッテなども織り込みながらさらっときちっとキメて踊る唯さんのパワーとオーラにやられました!!
背景に満天の星空と、グレーがかった紫のチュチュも美しい。音楽がちょい地味ですけど、また唯さんで観たい!
奥村さんも、ダブルピルエットに続いてダブル・ザンレールの連続という、サラファーノフの得意技を、きれいに5番に入れながら魅せてくれました。
このお二人を日本代表として世界バレエフェスティバルに出したかった!!

「新作(題名未定)」(振付:JAPON dance project )

青木尚哉(ダンサー、振付家)
児玉北斗(スウェーデン王立バレエ ファースト・ソリスト)
柳本雅寛(ダンサー、+81主催)

トレイントレインではじまり、舞台をランニングしながら踊りをしていた柳本さんが、突然児玉さんに「フライングボディーアタック」をされたと怒りだして、アドリブのセリフあり、唯さんや奥村さんなど、それまでの出演者が出てきて一緒にランニングしたり、そこで唯さんがちょっとアラベスクするのがまた素敵だったり…コンテンポラリーダンスかと思ったらお笑いみたいで、すごく楽しかった。

<第3部>ワールドプレミアム2

「半獣」牧神の午後よりパ・ド・ドゥ(振付:遠藤康行)

小池ミモザ(モンテカルロバレエ団プリンシパル)
遠藤康行(フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト、振付家)

色々な工夫があり、まったく飽きさせなく、美しい作品でした。最初は二人羽織で、腰のベルトで繋がっているので、ベルトを支えに極端に傾いたバランスなどもできる。ゆるくベルトをしているようで、前後左右になってもうまくパ・ド・ドゥができる。しかしいわばシャム双生児のような不自由な動きが続いてフラストレーションが溜まってきたところで、繋がりを切ってミモザさんが白い幕の後ろへはける。また前に出てきて二人で自由に踊り、その後遠藤さんが幕の後ろへ行って、奥から当たった照明で遠藤さんの影とミモザさんが踊る。今度はこの白い幕を使って、衝撃的に水の上のような波紋を作った。いくつかの波紋がとても美しかった。素晴らしい作品でした。

「ジゼル」第2幕よりパ・ド・ドゥ
高田茜(ロイヤルバレエ団ファーストソリスト)
高岸直樹(元東京バレエ団プリンシパル)

茜さんを観たかったんです。茜さんは抒情的な雰囲気がウィリーになったジゼルらしく、でもジャンプやアントルシャが高くて、リフトはふわふわとしていて、まるで宙を浮いているよう。高岸さんも上手なんでしょう。その高岸さんは、もう踊れないのかと思っていました。実際、ザンレールの最後が流れて誤魔化したりしていたけれど、ジゼルに対する熱い思いの演技は良かったです。茜ジゼル全幕はぜひ観たいです。

「眠りの森の美女」よりパ・ド・ドゥ(振付:マッツ・エック)
湯浅永麻(ネザーランド・ダンス・シアター)
Bastian Zorzetto(ネザーランド・ダンス・シアター)

最初黒い袋に入ったオーロラを引きずってくる意外な展開。振り付けはあのエック風。面白かったし、二人のダンサーも動きのキレが良かったけれど、エックはジゼルだろうがロミジュリだろうが、同じような振付なんだろうな、と思いました。

「海賊」第2幕よりメドーラ、アリ、コンラッドのパ・ド・トロワ
小野絢子(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
加藤三希央(2014年ローザンヌバレエコンクール第6位、モンテカルロバレエ団)

アリが八幡さん、コンラッドが加藤さん。男性二人が均等に踊るようになっていて、ヴァリエーションもそれぞれありました。小野さんはキッラキラ。テクニックは唯さんの方が上ですが、この華やかさと、フェッテで危なくなっても巧くごまかす安定感はプリマの貫禄。
八幡さんも加藤さんもテクニシャンなので技の応酬で面白かった。

フィナーレ
太鼓の演奏に合わせて、全員が出てきて、また各々の踊りを踊りながらのフィナーレ。太鼓とバレエって合わないけれども、まあ無理やりですね(笑)

盛りだくさんで楽しい公演、主催者、企画したスタッフの思い入れと工夫が感じられたのが良かったです。
お客の入りも8割以上は入っていたようで、新聞などのマスメディアで宣伝はしなくても、スタッフの努力でチケットがはけるという事の証明になりました。
収支決算がどうなっているのか心配ですが、来年も続けて欲しいです。

ぴかぴか(新しい)
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2015年06月01日

Kバレエ「海賊」中村祥子

2015年5月31日(日)14時 オーチャードホール
メドーラ 中村祥子
コンラッド スチュアート・キャシディ
アリ 池本祥真
グルナーラ 浅川紫織
ビルバント 杉野慧



Kバレエは、日本のバレエ団としては初めて、公演のライブ・ビューイング(と言っても、録画ですが)を映画館で行うそうで、その録画が行われたのがこの日のようでした。
録画を行うこともあって、皆さん気合いが入っているようでしたし、キャシディ、祥子さん、浅川さんとプリンシパル3人投入。

キャスト発表時に、キャシディさんがコンラッドを踊るというので驚きました。(今のKバレエには祥子さんを上手にサポートできる人がいないのか?宮尾さんでは役不足なのか?遅沢さんではダメだったのか?)
キャシディさんはくるみのドロッセルマイヤーとかコッペリウスとか、あまり踊らないキャラクター系主役という認識ができていたので、本人的にもきついのではないだろうかと。

まあ、キャシディさんもまだ踊れなくはないですけれど、正直踊りが重いですし、Kバレエの男性陣はテクニックがあってポンポン飛ぶ子が多いので、比べちゃうと厳しいですね。
ただ存在感はさすがで、今回の海賊の首領コンラッド役にはぴったりでした。

熊川さんがアリを踊ると、コンラッドより偉そうに見えてしまいますが、今回のキャスティングは、コンラッド、アリ、メドーラの関係性がきちっとはまっていたのがよかったです。

中村祥子さんは、登場の瞬間から劇場の空気が変わるようなオーラがありました。
出産をされてから、以前より優しく女性らしさが増したと感じられますが、体型は遜色なく、背中や全身の筋肉のラインがよく見えるほど痩せています。
トゥでのバランスは長く、たゆとうようなゆとりがあって、それがいいのです。
32回転のフェッテでは、最初はシングル、シングル、ダブルを5セットぐらいやって、その後はダブルの連続でした。最後にちょっとよろけちゃったのが、彼女にしては珍しい失敗だったですが、おそらく映画館中継ではゲネプロの録画かなんかと入れ替えるでしょう。

そして、今回素晴らしかったのが池本さんのアリでした。
完璧といえるほどの踊りです。特にジュッテの時に開脚が180度以上パッとひらくのが気持ち良いです。
ジャンプの高さもとっても高くて、高く飛びすぎて戻って来れないんじゃないかと思われたというニジンスキーを彷彿とさせます。
これだけ凄いアリを踊れるダンサーがいるのなら、もう熊川さんは踊る必要ないです(笑)

今のKバレエの中で踊りが上手で目立つのは井澤さんだと思っていましたが、池本さんもこんなに上手だったとは恐れ入りました。ただ、踊りは完璧ですが、もう少し俺様アピールがあってもよいような気がします。演技が少々淡泊というか、この役柄としてはコンラッドの忠実な従者なのでそれでもいいのですが、アリとしての自意識のようなものが感じられませんでした。(熊川アリの場合はそれがありすぎるのですが)

浅川紫織さんは、Kバレエの女性陣の中では現在実質トップなわけですが、祥子さんのオーラと比べると、美しいですが地味に感じられてしまったのは不思議です。怪我を乗り越えてどんどん成長しているプリマですが、硬質な持ち味があるので、もっと自由に自分を解放して色気を醸し出したらいいのではないかと思います。

今回、私のお気に入りの杉野さんがビルバントで、この役はいつもビャンバさんで見てたので、かなり新鮮でとっても素敵でした。やる人によって、ただの悪役でなくて魅力的になるんですね。ホントに杉野さんの才能は日本人としては珍しいぐらいのアピール力で、舞台に立つ人はこのぐらいやってほしいですよ。
これからも注目しています。色物だけでなく、王子もぜひ踊らせてあげてください!

ぴかぴか(新しい)
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2015年02月20日

新国立劇場「ラ・バヤデール」小野&ムンタギロフ

2015年2月17日(火)7PM オペラパレス
ニキヤ 小野絢子
ソロル ワディム・ムンタギロフ
ガムザッティ 米沢唯
マクダヴェヤ 福田圭吾
黄金の神像 八幡顕光

久しぶりに夜のオペラパレスへ足を運んだ。
この劇場は音響を考えて、床も壁も木で作られている。
日が暮れた水辺にホワイエの照明が明るく映っているのを見上げながら劇場に入り、独特の匂いの木の客席の間の階段をコツコツを足音をさせて降りていくと、「ああ、劇場に来たんだ…」というわくわく感がこみ上げてきた。
オケピで練習をするオケの音や、始まりの予感でざわめいているホワイエなども、「劇場体験」そのもの。
ゆうぽうとや東京文化会館では味わえない、外国のオペラ劇場のようなこの感じ。やはり新国立劇場はいいなぁ。

ラ・バヤデールは他のバレエ団のものも含めて何度か見ているけれども、やはりニキヤとガムザッティを実力が拮抗するようなプリマが演じると抜群に面白くなる。
ニキヤの小野絢子さんは、安定した技術と、情感のこもった演技で、ガムザッティの米沢唯さんは、磐石のテクニックで観客を沸かせ、ワディム・ムンタギロフは柔らかい背中と、ふわっと浮かぶような跳躍、難しい回転技などもさらっとこなす卓越したダンサーぶりで観客を魅了した。

スーパーなスタイルを持つコールドバレエの美しさも一段と向上している。今回は、コールドの並びを身長が高い人から前の列に配置しているので、さらにスタイルのよさが際立つようです。
特にバレエ研修所9期生の関晶帆さんが常に目立つ位置で目をひきます。大原先生のお気に入り?

コールドの人たちは抜群のスタイルなのだけれども、主役のプリマ二人は、小野さんはテクニックと演技は素晴らしいけどあともうほんの少し手足が長かったらとそれだけが残念だし、超絶技巧をさらっとこなす米沢さんは、細すぎて子供っぽく見えるスタイルだし、お顔が和風で華やかさに欠けるのが残念。
影のヴァリエーションを踊った寺田さん、堀口さん、細田さんはスタイル抜群でゴージャスだから、この三人でニキヤとガムザをやるところを見てみたい。容姿がプリマ向きの人がたくさんいるのに、その方々がなかなか主役にキャスティングされず、経験をつめず育っていません。
牧バージョンのラ・バヤデールは、インド風のタペストリーをふんだんに使った美術も素敵だし、お話もよくまとめられていて無駄がなく楽しめるし、コールドの美しさも堪能できるので、4公演といわず、10公演ぐらい打って、プリマを育てればいいのに、と思います。小野・米沢は少々飽きた。

第一幕のマクダヴェヤが迫力満点。すごい太もも。誰かと思ったら福田圭吾さん。
巫女たちの踊りは、みんなスタイル良くて美人できれいでした。
ソロルの登場シーンはふわっと。ワディムはマイムが明確。
マイレンの大僧正は安定。
小野ニキヤは、前述のように彼女は少しスタイルの部分で不利なので、ヴェールをあげたときの圧倒的な驚きというほどではなかったかな。きれいだけど、やはりザハロワにはかなわない。
まあ、誰もザハロワにはかなわないだろうけど。

米沢ガムザと小野ニキヤ対決は、ニキヤに突き飛ばされて床に倒れたガムザが、スッと上体を起こしたまま、「なんなの、これは一体。なんでこの私が突き飛ばされるの」というように2,3秒自問自答をしているように見え、そのあと「卑しい身分の分際で!許さない」とガムザに怒りをあらわにしていきました。
その脈略がよくわかる良い演技を米沢さんはしていました。
どうしても少々子供っぽく見える容姿だし、いつもさらっとしすぎている米沢さんが、どのようにゴージャスなお姫様を演じるのかと思いましたが、この対決シーンは良かったです。
踊りはいうことなし。婚約式でのヴァリエーションも、イタリアンフェッテも、トリプルを入れたフェッテもまったく危なげなく、さらっとこなして。

小野さんは、婚約式での悲しみの踊りが、とっても情感がこもっていて、緊張感があって素晴らしかったです。その後の花かごの踊り、へびが仕込まれていて毒がまわって、ソロルを見ると、彼はガムザの手をとっている…絶望して大僧正の解毒薬を拒否して死ぬ一連の流れも、女の情念のようなものが出ていました。
第三幕のヴェールの難しい踊りもきれいに踊り、その後のソロでは超速シェネやピケターンにすごいキレがありました。

ワディムさんは、長身、小顔、手足が長く、太もももすらっとしてきれい。背中が柔らかく、ヴァリエーションの最後では、背中が床につくほどそらせていて、驚きました。
彼はノーブルダンサーとか言われていますが、実は野蛮なぐらいのテクニックの持ち主で、今回はやりませんでしたが、見たこともない超絶ファイブフォーティ技を持っています。まだ若いのにすごいもんです。
若くて見た目かわいいのに凄いんですというのは、フィギュアスケートの羽生結弦と通じるとこがあります。
王子役もいいけど、彼が思う存分暴れられるような役柄で見たいものです。

黄金の神像の八幡さんは、さすがという踊りでした。
ボディコントロールと回転技が素晴らしい。
プリンシパルなのに、主役踊らないでこんな役ばっかりなのがお気の毒。

婚約式の踊りもいろいろあってゴージャスだし、影の王国も美しい。
音楽もとっても良かったです。
劇場と音楽と踊りと美術、衣装、すべて楽しかった!!!


ぴかぴか(新しい)







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2014年12月28日

くるみ割り人形 神戸&井澤

2014年12月22日(月)16:30 赤坂ACTシアター

マリー姫 神戸里奈
くるみ割り人形/王子 井澤諒
ドロッセルマイヤー スチュアート・キャシディ
クララ 荒蒔礼子
フリッツ 矢野正弥
雪の女王 中村春奈
雪の王 池本祥真

久しぶりにKバレエのくるみを観ましたが、大変楽しめました。
今回は2列目で、オケピがないので、舞台が近すぎて、ダンサーがこっちに来すぎて…
赤坂ACTシアターは、ミュージカル向けの劇場なので、座席も少なめですし、こじんまりとしています。
Kバレエのくるみは、誰が見ても文句なく楽しめるようなエンターティンメント性の高いプロダクションに仕上がっているので、このような劇場で、ミュージカルを見るような感覚で、でもバレエとしての芸術性や「格」はちゃんと保ったままで、多くのお客様に楽しんでもらえるのはとてもいい事だと思います。

熊川さんが以前テレビで言っておられましたが、バレエが敷居が高いのは良いことだ、こちらからは決して敷居を低くしない、その敷居を越えてきて欲しいと。この公演では、劇場といいプロダクションといい、大変にとっつきいやすいですが、バレエとしてのレベルは高く素晴らしいものに仕上がっています。

初演の時は熊川さんがくるみ割りを踊られたのですが、それ以降は、若手の有望なダンサーの登竜門のようになっています。今回は王子デビューの井澤さんが踊られましたが、王子らしいたたずまい、踊りの正確さ、美しさは熊川さんと比べても遜色ないほどで、大変満足しました。

クララの荒蒔さんの可愛らしさ、マリー姫の神戸さんの優雅さも程よく、ディベルティスマンでは、アラビア人形を踊った山田蘭さんの美しさにノックアウトされました。

いわば、ブロードウェイのミュージカル興行のように、クリスマスシーズンは1ヶ月ぐらいロングランしてもよいと思いました。
バレエとしての醍醐味を味わえるのは雪のシーン。
スピードがあって爽快感のある振り付けはダンサーは踊るのが大変でしょうが、スカッとします。

ぴかぴか(新しい)


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2014年12月20日

東京バレ団「くるみ割り人形」沖&梅澤

2014年12月20日(土)14時 東京文化会館

クララ 沖香菜子
くるみ割り王子 梅澤紘貴
ドロッセルマイヤー 柄本弾
ピエロ 岸本秀雄
コロンビーヌ 金子仁美
ムーア人 吉田蓮
スペイン 川島麻実子 木村和夫
アラビア 三雲友里加 松野乃知

バレエで初めてプロジェクションマッピングを取り入れるということと、
最近成長著しいライジングスター、沖香菜子さんを楽しみにした公演です。
プロジェクションマッピングは、想像していたほどまんべんなく使ってるわけではありませんでした。
前奏曲の間に、幕の上をねずみちゃんが走り回るオープニングは楽しかったです。
ダンサーが踊っている時にはほとんど映さず、クリスマスツリーが大きくなるシーン、
夢の国にボートで行くシーン、最後に家に戻るシーンなどを中心に効果的に使われました。
そういえば、以前どっかのバヤデールで寺院崩壊のシーンで映像をつかっていたけど、
そんなのもプロジェクションマッピングでうまいことやれそうですね。

沖香菜子さんのクララは愛らしく、フリッツに対して怒ったようにプンとしたり、くるみ割り人形が壊れて悲しくなったり表情豊かでした。踊りはほぼ完璧で、くるみ割り人形が変身した王子と踊るシーンでの、しゃちほこのように逆さになるリフトも大変美しいポーズできまっていました。
金平糖の精のパ・ド・ドゥはむしろ梅澤王子をリードするような貫禄すらあり、ヴァリエーションも音にぴったりで完璧。ピケやシェネなどの回転技もスピーディで切れ味がありました。
主役経験を重ねることによって、ぐんぐんとプリマらしさを増していって、素晴らしい限りです。

梅澤王子は、変身して起き上がるところ、とてもすがすがしくエレガントで「キャー、素敵ハートたち(複数ハート)」と叫びたいくらいに王子してました。マラーホフの薫陶のたまものでしょうか。
梅澤王子と沖クララの取り合わせもよく、ビジュアル的にお似合いな二人です。

でも、Kバレエの男性陣を見慣れている私にとっては、少し物足りません。
沖香菜子さんが、よりレベルアップするためには、ぐんとバレエが上手で格上の男性海外ゲストダンサーと組ませてもらえればいいのにと思います。
これからの東京バレエ団をしょって立つであろうプリマを、ぜひ一段押し上げて欲しい。

テクニシャンでイケメンでサポートが上手で背が高いダンサー、いませんかね(笑)

第一幕で狂言まわしのような役割をしたピエロ、コロンビーヌ、ムーア人の人形トリオが良かったです。
ピエロの岸本さんは、マラーホフ版眠りで王子抜擢ですね。今とっても気になるダンサーです。
コロンビーヌの金子さん、ムーア人の吉田さんは若手らしいですが、踊りにキレがあってよかったです。

東京バレエ団では、このワイノーネン版とベジャール版の二種類のくるみがレパートリーにあり、これまで私はどちらも見たことがありませんでした。
このワイノーネン版については、うわさ通り、衣装と美術がお粗末でしたね。
長い間新調されていないようでセンスがお教室の発表会みたいです。
新国立とか、Kバレエとかは、デザイナーがこだわったセンスで美術衣装を作っています。
それらにはとうてい比べられるレベルではありません。
美術も、今回プロジェクションマッピングを導入した部分はよいですが、あとの舞台装置はひどいものです。
もっと素敵な衣装だったら、もっと素晴らしい舞台になるのに、がんばって踊っているダンサーが気の毒になりました。


ぴかぴか(新しい)


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2014年10月12日

Kバレエ「カルメン」神戸&福田

2014年10月11日17時オーチャードホール

カルメン 神戸里奈
ドン・ホセ 福田昴平
エスカミーリョ 杉野慧
スニガ スチュアート・キャシディ
ミカエラ 荒蒔礼子

熊川さんが、古典バレエの読み換えではなく、新しく創作したカルメン。
熊川さんが「古典バレエとして昔から存在しているような、それぐらいの風格を持ったものに仕上がったと自負している」とインタビューで語っているように、筋立てはオーソドックスにオペラと同じでありながら、誰でも一度は耳にしたことのある数々の名曲を生かして、わかりやすく、ダンス満載の面白いバレエ全幕作品となっています。

こんなに「カルメン」って良い曲がいっぱいあったのね、と再認識しました。
オーケストラだけの前奏や、間奏だったり、カルメンの登場シーンだったり、ドン・ホセの内面の葛藤だったりと効果的に使われていました。

第1幕の幕明けから、男性陣の群舞が迫力があります。振付自体はどこかで見たようなもの(海賊かな)でしたが、若いダンサーたちがみな生き生きとしていて躍動感がありました。
ライジング・スターの福田さんは、熊川さんの難易度高い振付をかなりなレベルでこなしていたと思います。
神戸さんは、いつの間にこれだけ成熟した女性としての雰囲気を身につけていたのかと思うほど、魅力的で、小柄だけれども、あでやかさもありました。踊りのキレもあり、カルメンを楽しんで演じているのが伝わってきました。

少々ネタバレになりますが、1幕で、逮捕されたカルメンの手を縛った長い紐を、ドンホセが持って、二人で踊るパ・ド・ドゥは秀逸でした。こういう小物を使うパ・ド・ドゥは、ラ・バヤデールのヴェールの踊りとか、ラ・フィユマルガルデのあやとりの踊りとかありますが、古典作品の王道とも言えますね。
それを取り入れているところに、熊川さんの古典バレエへのリスペクトとアイディアを感じます。

そして大受けしたのが、エスカミーリョ!!
杉野さんは、若いのにあそこまで、けれん味たっぷりにエスカミーリョを演じ、踊れるなんて凄いです!
彼のアクターとしての熱い魂を、みんな見習って欲しいわ〜

せっかくあれだけの伊達なエスカミーリョなのだから、2幕2場での登場シーンでは、お付きの闘牛士は贅沢に8人ぐらい欲しかったですね。曲の派手さに比べて舞台の質量が足りない感じでした。

これは作品として大変面白く作られていると思うので、熊川御大の出演する日でなくとも楽しめるでしょう。
今日は、会場に空席が目立ちましたが、素晴らしい公演だったので、もっとたくさんの人に見てもらいたかったと感じました。









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2014年10月11日

新国立劇場バレエ研修所 第10期生・第11期生発表公演

2014年10月5日(日)2時 新国立劇場中劇場

「ワルツ」牧阿佐美振付

「ジゼル」よりぺザントのパ・ド・ドゥ
清水理那 長谷怜旺

「ハレルキナーダ」よりパ・ド・ドゥ
森田理紗 山本達史

「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ
木村優里 中家正博

新国立劇場バレエ研修所の様子ビデオ紹介

「パキータ」よりグラン・パ・クラシック
パキータ 土方萌花 リュシアン 芳賀望
パ・ド・トロワ 阿部裕恵 廣田奈々 渡邊拓朗
第1ヴァリエーション 中島春菜
第2ヴァリエーション 木村優里
第3ヴァリエーション 羽石彩野
第4ヴァリエーション 清水理那

牧先生の設立したバレエ研修所もはや14年目だそうです。
その中には現在の新国立のトッププリマである小野絢子さんが出世の筆頭として、プリンシパルの本島さん、八幡さん、ファースト・ソリストに寺田さん、ソリストに細田さん、堀口さん、ファースト・アーティストに井倉さん、林田さん、宝満さん、アーティストは30人中14人が研修所の修了生です。
1期から9期までまんべんなくいるようなのに、8期の修了生だけは現在一人も在籍していないのが異常に感じられます。
この期は牧先生の肝入りで発足した(と思われる)予科生制度第1期生からの持ち上がりがほとんど(一人を除いて)です。
将来新国立劇場に入団させるという暗黙の了解があって、海外留学に流れがちな金の卵たちを囲い込んだと私は見ておりましたが、物事はそう思い通りには運ばなかったようです。
牧先生と、新しく芸監に就任した大原先生との関係はどうなのか、色々勘ぐりたくなります。

まあ、パリオペラ座バレエ学校を卒業したダンサーたちも、オペラ座に入団できるのは一握りではありますが、そもそもオペラ座の団員はほとんどがバレエ学校の卒業生なのですから、新国立劇場とは事情が違います。

そんなこんなで、厳しい倍率をくぐりぬけてバレエ研修所に入ったからとて、将来的に新国立劇場に入れるとは限らなくなったこの現状での発表公演、牧先生は開き直ったかのように、クラシック一本で揃えました。
研修所の様子のビデオを見ると、色々な講師からクラシック以外にも、コンテ、スパニッシュ、キャラクター、宮廷ダンスなど様々なジャンルの授業を受けている様子なので、卒業公演では、もう少し違うジャンルのものも披露されると思います。

実は今回、電車の遅延で、ハレルキナーダ以降しか観られなかったので、ちゃんとした感想は書けないので、印象に残ったものだけ簡単に書かせて頂きます。

ハレルキナーダは、たいへんかわいらしい作品に仕上がっていました。特に山本さんのテクニック、高いジャンプや軸のしっかりしたピルエットなど、そして軽やかな踊りと演技が素晴らしかったです。
森田さんも女性らしく、かわいらしい踊りで好感が持てました。

黒鳥を踊った木村優里さんは、たいしたものでした!
手足が長く細くて頭も小さい抜群のスタイルですが、踊りもしっかりしていているし、フェッテはシングル、シングル、トリプルの連続技が見事に決まっていました。ヴァリエーションは踊りなれているようで、堂々としていて、今すぐにでも本公演に立てそうなほどでした。
欲を言えば、もう少し派手にやってもよかったと思います。

パキータも楽しかったです。
若い研修生たちの頑張っているのが伝わってくるのが良かったです。
最後に新しく入所した11期生の挨拶がありました。
卒業する修了生の挨拶はいつも修了公演でやりますが、入所する研修生の挨拶は、あまり聞いたことがなかったので新鮮でした。







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2014年08月05日

松岡梨絵さんの「ライモンダ」

発表会のレビューは基本的に書かないことにしているのですが、元Kバレエプリンシパルの松岡梨絵さんが、出産後初の舞台復帰だというので、インターナショナルユースバレエの公演に行ってきました。
2014年7月21日(祝・月)16時 たましんホール
松岡さんが出演されたのは「ライモンダ」3幕
お相手はご主人の橋本直樹さん。
松岡さんのライモンダは、バレエの様式美にぴたりとはまった美しさ。
出産したことなどみじんも感じさせない肉体のライン、ぴたっと決まるポーズ。
女性としての自信がみなぎっているような貫禄すら感じさせました。
なんと素晴らしい…
ゲストプリンシパルとして、年に数回でもいいから、ぜひKバレエに復帰して頂きたい、と思うのは私だけではないはず。

私が応援してきた、大好きだったプリマ達が次々とバレエ団を退団して出産しています。
日本では出産しても第1線で活躍しているプリマ・バレリーナがいません。
ユカリーシャぐらいでしょうか。でも彼女だって舞台を減らしていましたし、今は教えにシフトしています。
ダーシー・バッセルや、ロシアのプリマ達のように、出産しても舞台と子育てを両立できるような環境が日本ではないと思います。

バレエは、持って生まれた身体条件が良くないと一流にはなれないという厳しい世界で、その上に才能や努力や運やら環境やらがあってトップになれます。そうしてトップになれたとしても、活躍できる時期が非常に短い。肉体的に頂点の年齢では表現力が足らず、表現力が増してきた年齢では、肉体の衰えを感じ始めるという矛盾を抱えています。
そして女性にとっては、その肉体と表現力が両方、ちょうどよいころ合いの時が、出産適齢期のぎりぎりラストに近付いている、ということが多いわけです。


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2014年06月15日

2014 ロミオとジュリエット 宮尾&荒井

2014年6月13日(金)14時 オーチャードホール
ロミオ 宮尾俊太郎
ジュリエット 荒井祐子
ティボルト 杉野慧
マキューシオ 福田昴平
ベンヴォーリオ 栗山廉
ロザライン 浅野真由香
パリス ニコライ・ヴィユウジャーニン
キャピレット郷 スチュアート・キャシディ
キャピュレット夫人 酒井麻子
乳母 西成雅衣

チャコットのスペシャルおまけ付きチケットを購入した為、クラスレッスンの見学ができました。
舞台の上に4列ぐらいにバーが設置され、ダンサー達が思い思いにストレッチなどしています。
前の位置にはプリンシパルの荒井さん、浅川さん、遅沢さん、神戸さん、宮尾さん、など、やはり位順に並んでいるようでした。
荒井さんのバーはまるでお手本。
センターレッスンでは、最後の方になるにつれて、ジュッテ、ジュッテのきついものになるのですが、そうなると、若手がガンガン跳びまくって、いいですね〜若いって。
女性が終わったあとに、男性だけ、ドンキのヴァリエーションの一部をやっていました。
クラスレッスンを見ると、うまいへたが如実に解ってしまいますね。

そしてレッスン見学の3時間後、本番舞台です。
今回は熊川御大は出演されませんが、バレエ王子宮尾さんをはじめとして、若手の有望株福田さん、杉野さん、写真でみたところ爽やかイケメンの栗山さんと、ビジュアル重視(笑)のキャスティングです。

第1幕
何だか舞台に引き込まれるような熱気を感じず、眠くなってきました。
ヴェローナの広場の場面は、賑やかで猥雑で、とても楽しいはずなのですが、なにがいけないのでしょう。
まず、三バカトリオがしっくりいってません。
栗山さんは長身で、フィギュアの羽生選手のような少年体型なので、中学生みたいに見えます。
宮尾さんは、あいかわらずゆるい踊りです。見た目はいいのですけれど…仮面をつけて立っている舞踏会のシーンは、素敵でした。仮面、ずっと付けていた方が良かったりして。
福田さんは、まあ頑張っていますが、空間支配力が足りない。
荒井さんは素晴らしかったです。まんま、14才のジュリエットとして役になりきっていました。

第2幕
休憩中に御大に喝でも入れられたのか、だいぶ良くなりました。
みなさん、スロースターターなんですかね。
思うに、この舞台で、役になりきって人生を生きている、という集中力のあるダンサーがいないと、熱気というか、伝わってくるものがなくなります。この舞台で言えば、荒井ジュリエットは役を生きています。
杉野さんのティボルトも、熱気を発散していて素晴らしいです。
脇を固めるキャシディなど、出番は少ないですが、ドラマに重みを与えてくれます。
それぞれの役が、それぞれの人生を生きてくれないと、舞台が奥行きのない、平坦な物になってしまいます。

そりゃあ、栗山廉さんは、身長185ぐらいで、すらっとしていてフェイスもいいし、うまく進化していけば、とびきりの王子様になれるかもしれません。
でも、観客は、練習台ではないのだし、それなりのプロとしてのパフォーマンスを期待して見に来ているのです。
思えば、初演の時は、熊川さんが出ない日でも、SHOKOジュリエットに遅沢ロミオ、清水健太ティボルトに浅川ロザラインと、脇も一流で、それは見ごたえがありました。

今のKバレエは、熱気とオーラでもって、舞台を引っ張っていくダンサーがいないと、ドツボに堕ちてしまうあぶない局面にあると思います。
そういうダンサーとは、やはり御大熊川さんとなってしまうと、うーん、やはりカルメンも熊川さんの出る日を見た方がいいのだろうか…という結論になってしまいそうです。




ぴかぴか(新しい)






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2014年03月27日

Kバレエ15周年記念「ラ・バヤデール」浅川&遅沢

2014年3月26日(水)14時 オーチャードホール
ニキヤ 浅川紫織
ソロル 遅沢佑介
ガムザッティ 井上とも美
ハイ・ブラーミン(大僧正)スチュアート・キャシディ
マグダヴェヤ 兼城将
ブロンズ・アイドル 伊坂文月

熊川さんのつくる古典の改訂版は、いつも新鮮なアイデアの演出で驚かされるのですが、今回もいくつか演出についてなるほど、と思った点を上げます。

@第1幕第1場のセットの、迫力ある巨大石像がリアルだ!
A大僧正のお付きの8人の僧が…太ったおっさんだ!!相撲部屋からでも連れてきたのか?
Bソロルは口ひげを生やしている!
C苦行僧は、ナイフで自分を傷つける踊りで、本当に苦行をしている!
D宮殿で家来たちがチェスを指しながらのユーモラスな踊りが、音楽にぴったり合っていて面白い!
E婚約式にソロルが乗ってくる象さんと、お土産に持ってくる虎のでかいこと!
F太鼓の踊りがある!!(壺の踊りはない)
Gニキヤが踊ったお礼に、ソロルが直接花かごを手渡す!! だから、それまで寂しそうに踊っていたのに、急に嬉しそうに踊りだすのね!
H蛇の解毒剤を渡す大僧正は、かわりに俺の物になれと、ニキヤに迫らない。つまり、大僧正が嫌だから死ぬのではなく、生きていてもソロルとは結ばれないと思って死んだのね。
Iアヘンを吸って、ニキヤの幻が見えると、ソロルも幽体離脱してその幻を追う。
J影の王国の後、倒れているソロルのところに来たラジャとガムザと大僧正、ソロルは死んでいる。
Kガムザがソロルに取りすがり嘆いていると、白い大蛇がガムザを襲う。
L神の怒りか、雷鳴がとどろき、寺院が崩壊する。
M人間たちのドロドロした営みを浄化するかのように、金の仏像が舞う。
N浄化された地上は水でおおわれ、ソロルの魂はニキヤの魂を追って坂を登っていく。


とまあ、めいっぱいネタバレしましたが、一番感心したのはラストの金の仏像です。
金の仏像の踊りは、英国ロイヤルバレエ時代、熊川さんが踊って大絶賛を得た、思い入れのある踊り。
でもこの踊りは、ほとんどのヴァージョンでは、物語の進行に関係のないディベルティスマンのように扱われています。
確かに、振付も、音楽も、突出している感じです。
そこで、熊川さんは、この踊りを最後に持ってくることによって、このどろどろした世界を浄化する「神」という、物語のキーポイントの役割を与えたのです。
これは、熊川さんの「ベートーベン第九」の第四楽章の「神」とリンクしているものがあるような気がします。あの作品でも、神は最後に登場して、この世を支配していることをアピールするのです。

第1幕は寺院、宮殿でのニキヤとガムザの対決、宮殿の庭での婚約式でニキヤが死ぬまで。
第2幕は影の王国と寺院の崩壊。
第1幕が70分で、ちょっとつめこみ過ぎているように感じました。
もう少し短くするか、第1幕にも休憩を入れるかして欲しい。

ニキヤの浅川紫織さんは、凛としていて美しくて、踊りも完璧でした。
婚約式の踊りで、ポワントのススから片足をパッセにあげてのバランスや、影の王国でのパ・ド・ドゥでのアラベスクのポワント・バランスもきっちりと。
難しいベールを使った踊りも見事でした。
遅沢さんとの息もぴったりです。
遅沢さんは、どうだ!と踊りでアピールするぐらいの覇気はなかったし、もうちょっと感情表現を豊かにやっても良かったと思いますが、浅川さんのパートナーとしてはちゃんとやっていました。
少しセーブ運転なのでしょうか。もっとできる人だと思いますけど。

Kバレエの男性陣はみんな素晴らしいです。
苦行僧の踊りで、みんなで一斉にファイブフォーティーするところなんかあるんですよ。
びっくりしました。
マグダヴェヤを踊った兼城さんは、踊りにキレがあってすごく良かったです。
女性のコールドも、このバヤデールの為に採用した人もいたらしく、とても揃っていました。
ガムザを踊った井上さんも、わがままなお姫さまの感じが良く出ていました。
イタリアンフェッテも上手に踊っていました。
コールドで目を惹くのは山田蘭さん。首が長くて美しいんです。彼女がガムザやるのを見たいですね。

ひとつ残念だったこと。
今回も美術衣装がヨランダ・ソナベントだと思っていたら、ディック・バードでした。
ソナベントのような独特の世界観を持つアーティスティックなものではなく、プロフェッショナルな仕事ではありましたが、派手な感じの、普通のバレエの衣装でした。
最初に作られたチラシでは、ソナベント風の、変わった衣装を着た遅沢さんと浅川さんだったので、期待していたんですけどね。
ソナベントさんは、1935年生まれだそうですので、79才ぐらいですから、最初はソナベントさんの予定だったけれど、健康上の理由とかでダメになったとか?

ぴかぴか(新しい)












B
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2014年03月14日

新制作「ラ・バヤデール」の情報

Bunkamuraのサイトに、Kバレエの新作「ラ・バヤデール」についてのレポートがありました。
こちら

熊川さんの古典作品の改訂版は、現代人にも納得できるようなストーリー展開と、ヨランダゾナベンドの素晴らしい美術と衣装で、いつも私を驚かせ、喜ばせてくれます。

今回のバヤデールもとても楽しみにしています。
このレポートによると、最後が驚愕の展開だそうで、いったいどんな事になるのでしょうか。

ぴかぴか(新しい)


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2014年03月10日

エトワールへの道程2014 新国立劇場バレエ研修所の成果 2日目

2014年3月9日15時 新国立劇場中劇場
「ラ・シルフィード」第2幕より
シルフィード 関晶帆
ジェームズ 佐野和輝

「ヴァリエーション for 4」
長谷怜旺 山本達史 中島瑞生 渡邊拓朗

「ドン・キホーテ」第1幕・第3幕より
街の踊り子 関晶帆
エスパーダ 吉岡慈夢
キトリ 足立真里亜
第1ヴァリエーション 吉田早織
第2ヴァリエーション 土方萌花

バレエ研修所9期生の修了公演です。休憩を入れても1時間20分ぐらいと短めですが、バクランさんの指揮と生オケが入ってるとこは豪華です。
修了公演のスタイルはその時々で色々ですが、今年は最初のシルフィードで主役を踊った二人が推しメンなんだなぁとはっきり分かりました。
関さんは背が高くて大人っぽく、手足が細くて長くて、舞台映えのする美人です。
佐野さんは、足捌きが細やかできれいだし、ジャンプもふわっと飛んでのびやかで、大変上手でした。
このお二人は、最後の挨拶で「これからはプロとして頑張ります」と言っていたので、新国立に入団決定という事なのでしょうね。

2番目の演目は、男性4人が山高帽をかぶって、コミカルにジャズ風音楽にのって踊るナンバー。
こういう作品で、洒脱に魅せるのは、まだまだこれからだとは思いますが、みなさん踊りは一応上手に踊れるのだから、若さを爆発させて、自分自身がもっと面白がって踊ると、それが観客にもダイレクトに伝わると思います。
ちょっとお上品にまとまってしまっている。それが新国立らしさと言えばそうだけれど。

ドンキは、シルフィードを踊った関さんがまた登場して街の踊り子を踊りました。
彼女のおとなっぽいキャラに似合って、とてもステキではあったのだけれども、疲れたのか後半脚が動かなくてヘロヘロだったような… 
プロになるのなら、体力、パワーをもっとつけなくては。
キトリを踊った足立さんは、かわいらしくて、なかなか前半は良かったのですが、ヴァリエーションのパッセの連続のあたりから脚が疲れたのか、すこし動きが鈍くなり、コーダのフェッテでは下手側にどんどん移動していってしまってひやひやしました。
第1ヴァリエーションを踊った吉田さんは、回転系が得意のようで、ふつうはジャンプするところをくるくる回ってました。
第2ヴァリエーションの土方さんは、かわいいし、踊りもしっかりしていました。

せっかく授業でコンテなどもやっているのだから、そっち系の演目がもう一つあったら、ダンサーのまた違う面がみられたでしょう。

最後に、踊り終わった卒業生が一人一人短いスピーチをするのですが、今回は涙ぐむ子もいて、こちらもうるっときてしまいました。
このような恵まれた環境を与えられた幸運なダンサーの卵たちが、これから活躍できる場があるように祈ります。

ぴかぴか(新しい)





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