2013年06月21日

熊川さんの熱血指導!SWITCH続き

NHKEテレ SWITCHで、この夏に第一回公演を行うKバレエユース「白鳥の湖」のリハーサルシーンが流れました。
ラスト近く、オデットが自殺するところ。
「もう、私は死にます」とマイムをして湖に飛び込むシーン。
そのマイムがダメだと、オデット役の子を呼んで叱る熊川さん。

振りをなぞってもダメだから。こうだったかな、こうだったかな、角度こうだったのかな…
そんなこと言ってんじゃないの!!
何を言っているかわかってるだろう?

もっと出せよ。

やっぱり、羞恥心を克服する教育をしてかなきゃだめだな。

音楽にまかせて、身を任せて、
音楽が発するその魅惑的な魔力…
そういったものがさぁ、身体から湧き出てきて、
チャイコフスキーの作った名作がおまえらの身体に浸透して、
音楽の音符のひとつずつが、ひとつずつがお前の身体の細胞をかきむしるわけだよ。

でも俺は40だから解ることもあるよ。
当然、今まで経験してきたことの中からあるけど、
少なくても俺はお前らと同じ年代の時にはもっと表現していた。
だから先生にもよく怒られた。大人にもよく怒られた。
だからお前も俺らにもっと怒られろ!
Do it again!


「だからお前も俺らにもっと怒られろ」という所では、熊川さんの両側で神妙な顔をして聞いていた遅沢さんと浅川さんも思わず笑顔になりました。
オデットのマイムのシーンをやって、またダメ出し。

感情しないと、表現しないとダメだろう。
お前の、こうやってテレビに写ってさあ、本公演(の練習)をしているその映像が流れて、それを見て、この子、観に行きたい、応援しようと思わせられるの?
なんでお前ら、感動しないのかなぁ、この曲に対して


そして熊川さんは、オデット役の子をピアノの前に連れてきて、マイムシーンの音楽を聴きながら、自分でも歌い、彼女の肩を強く掴んで、まるで「念」を入れるようにゆさぶって気合いを入れました。

その後、もう一度オデットのマイム。今度はだいぶ表情も出てきました。

たしかに…
日本のお教室バレエだと、レッスンの時も年功序列で、新米は先輩より前に出てきて踊っちゃだめだとか、あまり目だっちゃダメだとか、海外生活の長い熊川さんには信じられないような慣習がまかり通っていますからね。そういう教室に通っていた子にとって、自分を表現するのは難しいことなのかもしれません。
バレエ教室に限らず、日本人は一般に目立たない方がいい、みたいな風潮がありますから。

しかし、逆に熊川さんは、表現しすぎて怒られていたってことですか?さすが黒ハート


ぴかぴか(新しい)





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2013年06月19日

NHK Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」熊川哲也×藤田普

6月15日放送のSWITCH
熊川さんが藤田さんのオフィスに行って対談、その後ホームとアウェイをスイッチして、オーチャードホールの座席で対談、ジゼルのリハーサルや、Kバレエユースの「白鳥の湖」のリハーサルシーンなどが流れました。

熊川さんにとっては命を掛けているバレエ団だけれども、ダンサーにとっては「通過点」でしかないのかと感じることもあるそうです。(たしかに、いいダンサーが入っても、1、2年で辞めていく人が多いですよね)それに対して、藤田さんが、人材の流出を止めるのに一番効果があったのは、昔は成果主義だったが、終身雇用という事を言って、「社員を大事にするよ」と言ったら、社員が「会社が大事です」と言うようになったと。それを聞いて考え込む熊川さん。

社員をダンサーに置きかえてみると、「ダンサーを大事にする」というのはどういうことか。ギャラや待遇だけではなく、キャスティングにも配慮が必要だし、ダメだしの言葉の使い方も、プライドを傷つけないように気をつけなくてはならないかもしれない。
結局のところ、熊川さんがいつも主役を踊っているので他のダンサーにチャンスがないわけだけど、チケットセールスを考えると、熊川さんが踊らなければならない、そのところが苦しいところ。
若い男性ダンサーは、だいたい熊川さんにあこがれていて、一度はKバレエに入りたいと入団するけれども、長続きしている人は少ない… 

続きますぴかぴか(新しい)





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2013年04月15日

シンプル・シンフォニー/プロムナード・センチメンタル/ベートーベン第九

2013年4月14日(日)14時 オーチャードホール

シンプル・シンフォニー
振付 熊川哲也
音楽 ベンジャミン・ブリテン
舞台美術 鈴木俊朗
衣装デザイン 前田文子

荒井祐子 西野隼人
日向智子 橋本直樹
佐々部佳代 伊坂文月

背景に大きな赤い木のような三角形を組み合わせたセットがあり、三組の男女が踊ります。
衣装は女性は黒のボディに黒のチュチュ、黒タイツ。チュチュの内側はエメラルドグリーン。
男性は黒タイツで上は深いVネックの切り替えがある黒い衣装。

全体の印象としては、アシュトンの「ランデブー」をもっと洗練させた感じ。
三角がテーマとしてあるのか、振付も女性の脚をコンパスのように広げるのが多用されていました。
エシャペとか、リフトした時にも脚を開くとか、三角形が見えるのです。

速いテンポの曲では、ダンサーたちが一音一音に合わせて細かく動き、まるでトレモロの音符のようです。
熊川さんの振付はいつもそうですが、音にぴったりとあっているのがとても心地良く感じられます。
ゆっくりな曲調になると、少々退屈になります。同じ動きをカップルが少しずつずれながら踊ったり、頭上リフトをしたり…なんですけど、どこがというわけでなく、あまり面白くありませんでした。
最後はまたアレグロに戻って楽しく終わりました。

プロムナード・センチメンタル
振付・衣装デザイン リアム・スカーレット
音楽 クロード・ドビュッシー

神戸里奈  宮尾俊太郎
白石あゆ美 遅沢佑介

男性は白いブラウスにひざ下までのグレーのタイツ(パリオペスクール風)、女性は薄いグレーのキャミソールドレスで、ボディにハイピング、前2か所にスリットがあり、動くと脚が見える、シンプルなもの。
セットはなくて照明だけでした。
神戸&宮尾、白石&遅沢の二組をリードとして、カップルや、8人の男女コールドが、様々な組み合わせで踊ります。
振付は流れるようで、動きの軌跡が、ドレスの動きともあいまって美しい。
白石&遅沢さんのペアもよかったです(白石さんが大人っぽくてセクシーでした)が、「月の光」の曲をデュエットで踊った神戸&宮尾さんがとっても素敵でした。
抒情的にリフトやいろいろなポーズを組み合わせて踊るのですが、久しぶりに宮尾さんをイイ!と思いました。宮尾さんは背が高いだけでなく、身体のラインが美しいですし(マリインスキーのダンサーみたい)、柔らかく踊る神戸さんとのバランスが良くて、理想的な男女のカップルでした。
といってもこの振付では、宮尾さんはほとんどリフトばっかりしているのですが、大切なものを扱うような丁寧さが感じられ、それが男性の優しさ、頼もしさに通じたのだと思います。
リアム・スカーレットさんの振付は、ロイヤルバレエでも注目されているそうですが、クラシックを基本にした、いわばネオクラシックぐらいの美しい動きで、ソロや集団の組み合わせがバラエティに富んでいて飽きさせないし、どこかユーモラスなところも感じられたりして、さすがでした。
熊川さんも、ゆっくりな曲調の時の振付が面白くないので、彼からエッセンスを盗んで欲しいです。

ベートーベン第九
演出・振付 熊川哲也
舞台美術・衣装デザイン ヨランダ・ソナベンド

第1楽章 大地の叫び
遅沢佑介

第2楽章 海からの創世
神戸里奈 白石あゆ美 佐々部佳代

第3楽章 生命の誕生
浅川紫織 宮尾俊太郎

第4楽章 母なる星
熊川哲也

第1楽章のリーダーは遅沢さん。
これは初演時に清水健太さんが素晴らしいパフォーマンスをしたのが記憶に残っているせいか、悪くはないのですが、質感の違いが気になりました。なんというか、質量と熱量が少々足りないようで…。
この楽章はダンサーにとっては鬼のようにキツイでしょうね。速いテンポでジャンプの連続もあるし、それはまあ、女性陣の第2楽章にも言える事ですが。
観ている方としては、ひとつひとつの音に踊りをあてはめ、ティンパニーのボン!という音と共に軽やかにジャンプするのは、とても小気味良いのです。
たぶんダンサーも大変ではあるけれど、気持ちよく音楽の高揚と共にのって踊れる演目ではないかと思います。
問題の第3楽章。ゆっくりなので、いつも退屈していました。
以前は二人で踊っていたような気がしましたが、今回は3組のカップルで、まあ、これもシンプル・シンフォニーと似たような感じですが、前よりは少し面白くなったような…
第4楽章はやっぱり面白いです。
村の祝祭で、月組の宮尾さんと太陽組の遅沢さんの張り合い。
遅沢さんはここまでこき使われ過ぎなのか、覇気もジャンプの高さも宮尾さんに負けていました。
宮尾さんはこうした演技をしなくてよいようなコンテンポラリーの方が似合っているのかも知れません。
そして、みんなが待ちに待った熊川御大の登場で、空気が爆発するほど、まわりが喜んでました。
ほんとにちょこっと踊るだけなんですけどね…
「創造主」の役ですから、そのオーラと観客の期待を一身に背負えるのは熊川さんしかいません。
幕が閉まる前に、トゥール・アラスゴンドから、暗くなる時にピルエットになるのですが、その最後のピルエットの軸が傾いていました。私の隣の女性たちが、「ねえ、最後よれっとなってたね」とか言っていましたが、熊川さんにしてはめずらしいことでした。
熊川さんも、いつかは踊れなくなるから、そうしたら、この素晴らしい作品は、いったいどうなるのでしょうか。あの「創造主」の役を出来る人は誰がいるのか?
海外からゲストを呼ぶ??出番は少ないけれど、超絶なテクニックとボディコントロールであの舞台を引き締めることのできるダンサーっているのでしょうか?


ぴかぴか(新しい)


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2013年03月08日

Kバレエ2013「シンデレラ」日向&宮尾

2013年3月7日(木)18:30 オーチャードホール
シンデレラ 日向智子
王子 宮尾俊太郎
仙女 浅川紫織
シンデレラの義姉 岩渕もも 湊まり恵
継母 ルーク・ヘイドン
4人の妖精 バラ 神戸里奈
     トンボ 中村春奈  
     キャンドル 白石あゆ美
     ティーカップ 森絵里

熊川さんがオーチャードホールの改装記念に作った作品の再演です。
もともと、松岡梨絵さんと宮尾さんを主役として想定して振付たのですが、今回は松岡さんが体調不良の為降板し、日向智子さんがシンデレラを踊ることになりました。
私は初演の時に松岡シンデレラを観たのですが、松岡さんは、ボロの時の衣装でも、まるで天使のように美しくてオーラがあるので、変身した所との差があまり感じられなかったように思います。
その点、日向さんは、等身大の女の子という感じで、とてもナチュラルで、のびのびとした踊りもよく、第1幕のシンデレラがはまっていました。
義姉を演じた二人も、軽やかな脚捌きで、いじわるな性格というよりは、わがままなお姉ちゃん達で、アシュトン版のようなどぎつさはなく、楽しく物語を見せてくれます。

仙女の役で浅川さんが怪我から完全復帰していました。白い短髪のカツラが良く似合って、魔法の杖の振り方がいいんですよ〜彼女の仙女は、母性みたいなものはないですが、不思議な存在感があります。
熊川版のシンデレラは、アシュトンの四季の精のかわりに、シンデレラの家にあるものを、仙女が次々と妖精の姿に変えていきます。
最初はバラの花、つかまえたトンボ、暖炉の前にあったろうそく。
それから、何かないかしら?と聞くとシンデレラがティーカップを差し出すので、それを妖精に変えます。
このシーンでそれぞれ変身した妖精の衣装が、とても〈それらしく〉て、おおきなバラの花のようなものを頭にかぶったり、ティーカップ柄のチュチュを着ていたり…すごく面白いのです。
しばらくすると、この妖精たちはもっと普通のチュチュに着替えちゃうので残念。
初演の時は東野さんが踊っていたティーカップの精を、今回は森絵里さんという方が踊っていましたが、ハーフのようなかわいらしい顔立ちで、踊りもキレがあってとても良かったです。
シンデレラの馬車の御者が、ユニコーンのような角と白い髪でしたが、前回はそうじゃなかったような…
ここが変更点ですかね?

第2幕はお城の舞踏会です。お城の貴族たちの衣装が、オレンジや茶色の色々な布を組み合わせた凝ったもので、でも重々しくなくてとてもしゃれたドレスでした。
王子の友人たちは、初演時のメンバーは秋元君や浅田君も入っていたように思いますが、今回は二人とも退団してしまったし、すこしレベルダウンしてました。
4人で一緒の振りを踊るところも、全然揃ってなかったし…。
もしかしたら秋元君の代わりにヴィユウジャーニンさんが急遽入ったのかもしれませんね。ちょっと違和感がありました。
Kバレエは男性が充実しているから、ヴィユウジャーニンさんをここで使わなくても、誰がいい子がいそうですが…まあ、そのおかげで、宮尾さんのヘタクソさが悪目立ちしなかったですが。
宮尾王子は、大きく舞台を使って踊るようになったし、目を引くような華は身についてきたのですが、いかんせん踊りが下手。最近は〈バレエ王子〉としてテレビに良く出ていますが、踊りをもっと精進した方がいいです。ピルエットとか最後が軸がずれてしまって、なんとかごまかして決めたように見せかけていたけれど、もう少しなんとかならないのでしょうか。
この作品は、もともと宮尾さんを王子として振り付けたものなので、熊川さんが自分で踊る時よりもずっと振付が易しくなっているのです。それなのに、なんで踊りこなせない?
そして、サポートも下手で、パ・ド・ドゥがどうもスムーズでなくて、一人の時はのびのび踊っている日向さんがかなり緊張していたようで可哀そうでした。
日向さんは、美しい衣装になると、少しキラキラ感が足りない…でも、このあたりのオーラというものは、主役を何度も踊っていくうちに身に付いてくるものです。

12時が近づいて、シンデレラは仙女の言ったことを思い出してあせります。
このあたりのモブシーンがすごく良くできています。
赤と青の道化が大きな時計の長針と短針をそれぞれ持ってきて、「12時10分前」「12時5分前」「12時!」を知らせるのです。
熊川さんはモブシーンの処理が上手ですねぇ、ここ、すごく盛り上がる。
そしてシンデレラの落としていったガラスの靴の、もう片方をさがすために、王子が色々な職人たちに尋ねたり、国民に尋ねたりするところが幕の前で演じられます。
ニセのガラスの靴を作って、家に王子を呼びよせたシンデレラの継母は、その策略がバレて捕まり、首をはねられそうになります。
そこにシンデレラが飛び出して助けようとすると、ポケットからガラスの靴が飛び出す。
固まるみんな。で、王子がガラスの靴を拾って、シンデレラを認識する。
という最後の方は大変納得ゆく話の流れになっています。
前回もそうでしたっけ?継母がニセのガラスの靴を作るという話はなかったような気がします。
今回のリニューアルポイントでしょうか?

ボロ服のシンデレラと王子がパ・ド・ドゥを踊って、(このあたりは日向さんも宮尾さんも良かったです)舞台からはけた後、仙女が踊って(お着替えタイム)、美しい衣装に着替えたシンデレラと王子が馬車でお城に向かい、観客に背を向けて歩いていくところで、キラキラが舞い降りて、流れ星が流れる…
ディズニー的かつロマンティックなラストシーンでした。

第2幕で、王子が継母と義姉たちに迫られたり、ガラスの靴をはかせろと迫られたりして困るシーンが何回があるのですが、その困っている王子の演技がかなり面白かったです。宮尾さんはむしろいっそ三枚目の方がいいかも。

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2012年10月21日

Kバレエ2012Autumn「ドン・キホーテ」松岡梨絵&遅沢佑介

2012年10月21日(日)14時 Bunkamuraオーチャードホール

キトリ 松岡梨絵
バジル 遅沢佑介
ドン・キホーテ スチュアート・キャシディ
エスパーダ 宮尾俊太郎
メルセデス/森の女王 浅野真由香
ガマーシュ 伊坂文月
サンチョ・パンサ 長嶋裕輔
ロレンツォ ニコライ・ヴィユジャーニン
花売り娘 中村春奈 井上とも美
キューピッド 湊まり恵

Kバレエのドンキは5年ぶりの上演だそうです。
初演の時に収録されたDVDでは、主演の熊川&荒井の素晴しさもさることながら、花売り娘(長田佳世&康村和恵)やエスパーダ(キャシディ)、メルセデス&森の女王(松岡梨絵)、闘牛士(芳賀望、輪島拓也、宮尾俊太郎)、ドン・キホーテ(ルーク・ヘイドン)、サンチョ・パンサ(ピエトロ・ペリッチア)、ガマーシュ(サイモン・ライス)、キューピッド(神戸里奈)、今にして思うとすごいメンツが揃っている名盤で、大変充実した映像となっています。

熊川さんは再演ごとに色々手直しをするのですが、ドンキに関してはあまり変更が加えられていないようでした。プロローグでキューピッドが出てこなくなったことぐらいでしょうか。
今日のお目当ては、結婚して輝いている旬のプリマ、松岡さんのキトリでした。
とっても軽やかで、素晴らしい踊りで魅せてくれました!
DVDの中では、あでやかなメルセデスを踊っているので、キトリだとどんな風になるのかと思いましたが、わりと優しいキトリ。あまりやんちゃでも、わがままでもない、大人っぽいキトリでした。
今の松岡さんには、白いバレエが良く似合っていて、2幕の森のシーンがそれはそれは美しかったです。

バジルの遅沢さんは、演技がナチュラルで上手。
1回、おおっとうならせるような凄いジャンプ技を見せてくれましたが、全体的に抑えめで、もっとテクニック的にはできる人でしょうが、どこか体調が悪いのか、次の公演の為にセーブしているのか、という感じでした。それでも540(ファイブフォーティ)の2連発とかやってくれましたが。
彼は結構どんな役柄でもできますね。ロミオでもバジルでもロットバルトでも。王子は…どうなのかな?
まあできそうな気がします。
松岡さんと浅川さんという二人のプリマの長身の相手役要員として、宮尾さんだけじゃ物足りないですから、頑張って欲しいものです。

その宮尾さんのエスパーダは、舞台を大きく使って、ダイナミックに踊るように心がけているようで、踊りのキレもだいぶありました。
でも、エスパーダとは、街一番の伊達男なわけですよ。
だから、もう少しオーバーで嫌味なぐらいのタメとか、アクの強さのようなものが必要です。
それと表情がね…渋くキメているつもりらしく、無表情というか、しかめつらというか、そんな顔をずっとしてましたが、似合わなすぎて、むしろギャグ?に感じられて笑えてしまう。
どうしてあれだけスタイルが良くて、踊りも頑張っているのに、恰好良く見えないのか謎です。
(恰好良く見えている人もいるかもしれませんが、私の要求するエスパーダの恰好良さレベルではないのです。ちなみに私の理想のエスパーダは、バリシニコフのドンキDVDのパトリック・ビッセルです)

メルセデス、サンチョパンサ、ガマーシュはもう一歩という感じでした。
メルセデスは踊りはまあまあ良かったですが、あでやかなオーラがない。サンチョパンサはチャーミングさが足りない、ガマーシュはもっとはじけて欲しい。
このあたりのキャラクターの出来不出来が、物語の奥行きにすごい影響を与えると実感しました。

その点、ドンキホーテのキャシディの存在感は素晴らしい!
ロレンツォのヴィユジャーニンさんも上手です〜。
この二人がいなかったらどんだけ薄っぺらくなったことか…

第1幕の幕開きはバルセロナの広場で、モブシーンの得意な熊川演出では、ここで一気に陽気で賑やか、猥雑な街の活気の中に観客を引き込むのが常なのですが、今日は少し温度が冷えているように感じられました。
同行した友人も言っておりましたが、群衆役のダンサー達がもっと小芝居をあちらでもこちらでもやっていれば、それで全体の雰囲気が盛り上がるのに、なにか固まっているようで、言われなければ動けないのかなあと。そのあたりは、おそらく公演数を重ねてゆけば良くなっていくのでしょうが、発表会じゃなくてプロの公演なのですから、もっと観客をみんなで引き込むように努力しなくてはね。
その点、再演まで5年も間が空いてしまったのはよくなかったかもしれません。

あと、特筆すべき事をいくつか…。
今回、バジルデビューもある秋元康臣さんは、闘牛士の一人でしたが、彼の見得の切り方はかなり闘牛士らしくて好みでした。ボリショイバレエ学校出身ですから、ロシアでキャラクテールの勉強もしたのでしょうが、ちょっとした首のかしげ方とか、体のねじり方でずいぶん雰囲気が違うものなのです。本当にちょっとした事なんですが。
浅田良和さんのバジルが観たかったですが退団してしまったし、今回の注目は秋元さんでしょうね。彼のバジルはきっと良いでしょう。ガマーシュなんか踊ったら演技の勉強になるし、面白いかも。

キューピッドを踊った湊まり恵さんが、はじけるようなジャンプで目を惹きました。
とても個性的で良かったです。

新国立劇場バレエ研修生の山田蘭さんが、酒場のマダムみたいな役をやっていましたが、首が長くてスタイル抜群なので、すごく美しく見えます。彼女がメルセデスをやったらきっといいんじゃないかと思いました。

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2012年10月06日

宮尾俊太郎 栄光の日々

毎日放送で放映されたドキュメント「宮尾俊太郎 栄光の日々」がKバレエのサイトからご覧になれます。
こちら
熊川哲也さんの栄光の日々の紹介、そしてKバレエの演目紹介、リハーサル風景、宮尾さんへのインタビューなどなどです。
SHOKOさんの白鳥の映像もありました。
バレエ人生の節目でドンキを主演している、という宮尾さん。
前回のドンキ主演は、他界したお父上が最初で最後に見に来てくれた舞台だったそうです。
その時もたしかSHOKOさんと組んだんですよ。
私も見ました。なかなか良かったです。まだあの頃は今ほどバレエ王子ともてはやされてなかったし。

この秋のドンキのリハーサル映像で一緒に組んでいるのが、今年入団していきなり主役の佐々部佳代さんのようですね。

今回は私は遅沢&松岡のドンキを観に行く予定です。
SHOKOさんが東京で主演すれば観に行きたかったですが、大阪だけで残念です。

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2012年06月17日

Kバレエ2012春ツアー「海賊」SHOKO&橋本&遅沢

2012年6月16日(土)12時 東京文化会館大ホール
メドーラ SHOKO
コンラッド 遅沢佑介
アリ 橋本直樹
グルナーラ 佐藤圭
ランケデム 宮尾俊太郎
ビルバント 伊坂文月

出産後、日本での初お目見えのSHOKOさんを目当てに行ってきました。
Kバレエの「海賊」は、再演を重ねるたびに細かな手直しがされて、
誰でも楽しめる、バランスのとれたエンターティンメント作品になっていると感じます。
私は、初演の時の初日に見た数少ない一人。
初演の時は、男性の踊りにウェイトが置かれ過ぎて華やかさが足りない感じがしたし、
ストーリーを重視しすぎたため面白味というか勢いがそげている気がしましたが、
今は余分なものはそぎ落とし、女性の踊りも増やして、ストーリー展開にも無理がなく、
このプロダクションはそのまま海外のバレエ団で上演しても面白いものになりそうな気がしました。
ガタイの良い、男くさい海賊たちや、色気たっぷりの個性的な女性たちが演じたら、
もっと物語に奥行きが出て良くなりそうです。
たとえば、SHOKOさんのいるベルリン国立バレエ団なんかでレパートリーにしてくれないでしょうか?
まあ、そんな妄想はおいといて…

お目当てのSHOKOさんは、ママになられて、まとっている雰囲気が少し変わりました。
以前は「男前」って感じでしたが、今はどこかふんわりとやわらかく、ナチュラルな感じ。
踊りは相変わらず素晴らしいし、出産したとは思えないような鍛えられた筋肉。
役柄のせいか、あの「ポワントでぎりぎりのオフバランスまで遊ぶ感じ」はあまり見られなかったのがちょっと残念。それに適した振付があまりなかったのかな?それともそこまでまだ回復していないのか…
パ・ド・ドゥのフェッテは、シングル・ダブル・ダブルのセットで最後まできっちりと回りました。
以前黒鳥で見た時は、全部ダブルだったから、彼女にしては控えめというか、やはりまだ完全復調だったのではないのか、8割程度の力でやることにしたのか…わかりませんが、位置がずれることもなく、きれいにまとまっていました。
それだけでもすごいテクニシャンですが、フェッテだけでなく、他の部分も完璧で、輝いていました。
ひとつひとつのパに目が惹きつけられるような吸引力があります。

橋本さんは、初演、再演の時に熊川さんの代役としてアリを踊っていただけあり、伸びやかなジャンプや、軸のしっかりした高速回転等、素晴らしい踊りでした。熊川さんだとオーラがありすぎて、偉そう過ぎで、コンラッドとどちらが目上なのか、って分からなくなることがありますが、橋本さんだとその点控えめでコンラッドの忠実な従者という設定にはぴったりはまっています。

遅沢さんのコンラッドも良かったです。コンラッドはあまり踊るところが多くないけれど、遅沢さんは上手だし、演技も何気に達者で、メドーラに一目ぼれしたこととか解りやすい。

宮尾さんのランケデムは、長身のスタイルが美しくて、踊りものびやかで素敵でした。彼は主役を踊っているより、これぐらいの重要な脇役の方が似合っているし、のびのびとやれるようです。白鳥の王子とかだと、考えすぎておかしくなっちゃうような気がします。要するに、まだ彼には主役は早いという事ですかね。『バレエ王子』とか言われているけれど、せっかく恵まれた容姿があるのだから、マスコミでおだてられて勘違いするような事がないよう、ダンサーとして大成するよう、もっとじっくり時間をかけて育ててあげて欲しいものです。

グル―ナ―ラの佐藤圭さんは、Kバレエの正式団員ではなく、アソシエイテッドダンサーとかいって、普段はKバレエゲートの教師をしているらしいです。私の隣席のグループは、その生徒さんらしく、「先生ステキ〜!いつ練習しているのかしら?」とか騒いでいました。
佐藤さんは手足が長くて素晴らしいプロポーションで、テクニックもあるようですが、お顔が地味なのが残念なのと、なんというか、プロとしての華やかさ、プレゼンテーションが少し足りない気がしました。普段からプロダンサーとして舞台に晒されていないせいかもしれませんが。
SHOKOさんと張り合えるような体格の女性ダンサーがいないから彼女を抜擢するならば、正式の団員にすればいいのにと思います。
夏公演での芳賀望さんの登用にもびっくりしましたが、外部の人に良い役をさらわれては、団でずっと頑張ってきたダンサーはどう感じるでしょうか。いくら実力主義の世界といっても。

最初にプロダクションとして素晴らしいと褒めましたが、唯一、退屈だったのは海賊のオダリスク。
この部分はスタンダードな振付なのですが、急に発表会みたいになっちゃうんですよね。
ダンサーの力量が関係するし、もうすこし衣装や振付で3人それぞれの個性をつけて変化がないと、他の部分がとっても面白いだけに、つまらなく感じられてしまいます。
でも、第3ヴァリを踊った中村春奈さんは、素晴らしいトリプル回転を見せてくれて良かったです。
オダリスクにもうちょっと工夫が欲しいと、アンケートに書こうかしら…

そうそう、新国立バレエ研修所出身の山田蘭さんが、鉄砲の踊りのリードをやっていました。
彼女は首が長くてスタイルがいいし、華やかさもあるので、これからが楽しみです。
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2012年02月29日

松岡梨絵さんのインタビュー

こちらのページで、Kバレエで今一番輝いているプリマ、松岡梨絵さんのインタビューを読むことができます。期間限定配信だそうですので、お見逃しなく。

「シンデレラ」での素晴らしいパフォーマンスは大変印象的でした。
このインタビューによると、早替え(一瞬での衣装替え)の時に、トゥシューズのリボンをほどくのも時間が惜しくて、リボンを切って着替えたそうです。
それってすごいですね!
だいたい主役ダンサーになると1回の舞台で、ポワントを履きつぶすらしいです。シンデレラは結構出づっぱりで、いっぱい踊りますから、たぶんポワントの消耗も激しいでしょう。
その後のシーンでもう踊らないなら、リボンを切っちゃってもいいってことなんですね。
どのシーンなんでしょうねぇ?

シンデレラと言えば、12時の鐘が鳴ってシンデレラがあわてて、魔法が解けるシーンで、群衆の中でシンデレラが4回、高くリフトされるのですが、そのたんびに衣装が舞踏会のドレスからいつものボロ服に少しずつ変わっていくイリュージョンだったらしいです。
私は舞台にかなり近い方の席だったせいか、上半身しか見えなくて、4回のうち、ドレスのシンデレラが2回、ボロ服のシンデレラが2回ずつかわりばんこにリフトされたのかと思っていましたが、どうなんでしょう。このあたり、もしもDVDが出たらじっくり見たいものです。


ところで、松岡さんのインタビューの中で印象深かった言葉があります。

いつも気持ちをオープンに、素直に、まっさらな状態にするよう心がけています。芸術監督が何を意図しているのかキャッチできるように。心の奥底に凝り固まった自分の考えがあると、他人の意見を受け入れられなくなってしまい、結果的に良いものが創り上げられないように思うのです。

「心の奥底にある凝り固まった自分の考え」って、確かに誰でもあるある、と感じます。
それまでも取り去ってクリアな自分を保つ、って、究極の謙虚さなのかな…それが松岡さんをここまで成長させてきた秘訣なのでしょうか。


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2012年02月13日

Kバレエカンパニー「シンデレラ」松岡&宮尾

2012年2月10日(金)18:30 オーチャードホール
シンデレラ 松岡梨絵
王子 宮尾俊太郎
継母 ルーク・ヘイドン
義姉妹 岩渕もも 湊まり恵

熊川哲也さんがオーチャードホールの芸術監督に就任した記念のオリジナル作品。
この舞台の宣伝として出演したTV番組では、劇場という素晴らしい空間で、美しい音楽と、衣装や美術、ダンサーの踊りで、夢を見るような経験をして欲しい、というようなことを盛んに言っていました。

改装したというオーチャードホールは、1階の通路より前方センターブロックの座席が、千鳥配置になって多少見やすくなったという以外は、どこがどう変わったのか良く分かりませんでしたが、新作の「シンデレラ」は熊川さんの狙い通り、豪華で楽しく、現実を忘れて夢見るような一時を、幅広い層の観客に与えることができる、上質のファミリー向けバレエに仕上がっていたと思います。

もう公演が終わったのでネタバレをしてしまいますが、一番普及しているアシュトン版ともっとも違う点は、春夏秋冬の妖精が、熊川版では、身の回りにあるものが妖精となって現れる、という所です。

今回の熊川さんの演出で、いちばんココが驚いた所です。
花瓶に挿してあった赤いバラを仙女が放り投げると、バラの精があらわれ、次にそのへんを飛んでいたトンボをつかまえてトンボの精に変え、部屋の中にあったろうそくの精、そしてティーカップの精という具合です。
このアイディアは、ディズニー映画でのフェアリー・ゴッドマザーが、庭にあったカボチャを馬車に変えたり、シンデレラと仲良しのねずみを馬に変えたりというシーンを思い起こさせます。

赤いバラの衣装が、バレエマニアには「薔薇の精」を連想させるような赤い花びら状のカツラと、緑色の重量感のあるチュチュで、タイツも緑でトゲトゲの模様が描いてあって、このコスプレ最高!!

トンボとろうそくのコスプレは、ヘタクソな仮装みたいでしたが、ティーカップの精は、イギリスのスポードあたりのブルーと白のアンティークな紅茶カップの模様のチュチュが可愛くて、またまたツボにはまりました!

さすがにこの仮装的衣装では踊りにくいのか、後のシーンではもっと普通のチュチュに着替えてしまうのは残念。

その他の演出で良かったのは、お城に行ったシンデレラが12時になってあわてるシーン。
舞台宣伝のTV番組では、熊川さんは、「大変、大変、12時になるよ〜」というのを印象的にやりたいと、たとえば時計の12という数字が踊り出てくるというアイデアを話していたので、このシーンはいったいどうなったのかとワクワクして観ていましたが、残念ながら数字は出てきませんでした。

変わりに道化が時計の針を持って、12時になるよ!と知らせていて、舞台にたくさんのダンサーがうじゃうじゃ出ているモブ・シーンの最中でも、この大きな時計の針はすごく目立ったので、これはこれでなかなか良い演出だと感心しました。モブ・シーンがうまいなあ、と。

最後の方で、王子に見つけられたシンデレラが、ボロ服のままで王子とパ・ド・ドゥを踊るシーンがあるのもいいと思いました。アシュトン版ではボロ服のシンデレラと王子は踊りませんが、これをぜひ入れたいと熊川さんも言っていましたが、確かに、このシーンを入れた事は大変重要な要素だと思いました。いわば、これこそがこの物語のキモですもの。外見じゃなくて中身が大事だという教訓。


大変楽しく感じた熊川版「シンデレラ」でしたが、どこか物足りなさも感じたのです。
それはなんだ…と考えるに、熊川さんが今回は振付と演出に徹したからではないかと思いました。

今までのKバレエの新作で、最初から熊川さんが《踊らない》という前提のもとで作ったものはなかったのです。しかし、今回は最初から自分以外に振付けました。その結果、踊りがつまらなくなってしまったようです。

『海賊』『ロミジュリ』『第九』などは、重要な役はどれもこれも「熊川さんが、自分でこれを踊りたかったんだろうなあ」と感じるような振付でした。熊川さんがそれを踊る姿が目に浮かんできました。けれども今回のシンデレラの王子にはそれを感じませんでした。
ファースト・キャストが宮尾さんではなかったら、もしかしたら違ったかもしれません。
今やバレエ王子としてある程度の知名度のある宮尾さんを脇役にはできないのかもしれません。

シンデレラ役の松岡梨絵さんは、キレのある脚捌き、美しいポーズと、自然な演技で、押しも押されぬ素晴らしいプリマっぷりでした。
それだけに難しいリフトの連続などは、もっとスムーズにサポートのできるダンサーと組ませてあげたかったです。
相手役のせいか、パ・ド・ドゥの振付がなんだかせわしなく感じられてしまいました。
熊川振付は、音のひとつひとつに振りをあてはめようとしているのか、時によってはいそがしく見えてしまいます。
情感あふれる愛のパ・ド・ドゥでは、もう少しゆったりした振付でもいいのにと思いました。


ぴかぴか(新しい)

















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2011年12月16日

Kバレエ春ツアーは「海賊」!

Kバレエの5月から6月にかけてのツアーは「海賊」だそうです。こちら

16回公演のうち12回、熊川さんが、アリ役を踊ります。
Kバレエのアリ役は、出づっぱりで、大変過酷な役。
これで熊川さんは怪我をしたし、橋本さんも熊川さんの代役としてアリを踊ったあとに同じ個所を怪我しています。
(さらに再チャレンジで海賊を上演しようとしたとき、熊川さんはまた怪我をしてアリ役を降板しています。)
アリ役は膝に負担がかかる振付が多いのでしょう。

そういう因縁があるから、なおさら熊川さんはアリを踊りたいのかもしれない。

たとえどんな素晴らしいダンサーでも、加齢という大自然の掟には逆らえません。
ファンとしては、手加減しない踊りが見たいですが、その一方、長く踊り続ける為に体を大事にしてほどほどに…という相反する気持ちもあります。
さて、今回は熊川さんは、どのようにアリに取り組むのでしょうか。少し自分だけ、無理ないように振付を変えたりするのかな?それとも若いものに負けじと頑張るのか?

そして、今回のサプライズは、SHOKOさん!
後半2回、メドゥーラを踊ります。
出産の後、完全復帰まで時間がかり、ベルリンでも最近ようやく主役を踊るようになったようで、久しぶりの日本での舞台です。

以前SHOKOさんが海賊に出演したときはグルナーラでしたが今度はメドーラ。
相手役のコンラッドは、遅沢さん、アリは橋本さん、グルナーラは佐藤圭さんです。

SHOKOさんが出る回と、若手キャストの日(松岡メドーラ、宮尾コンラッド、西尾アリ、浅田ランケデム)が面白そうです。

Kバレエの「海賊」は、男性ダンサーが充実しているこのカンパニーにぴったりの演目ですし、上演を重ねるたびに手直しをされていって、どんどん良いプロダクションに育っていっています。

熊川さんのアリはオーラがあって凄いですが、目立つ技だけに関して言えば、ジャンプや回転技など、熊川さんにひけを取らないぐらい高く飛べる男性もいっぱいいるので、熊川アリ以外の日でも、十分に楽しめると思います。
むしろ、熊川さんが出ない日の方が、視線がまんべんなく色々なダンサーに行くのでいいかも。
(熊川さんがいると、どうしてもそちらを見ちゃうので)

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2011年10月18日

熊川哲也@NHKETV「N響アワー」

10月16日(日)放映のN響アワーのゲストとして熊川哲也さんが出演しました。

スマートにスーツを着こなして、素敵でした。
まずお約束のプロフィール紹介。
そして、「白鳥の湖」についての話になりました。
そこで、最近熊川さんが展開している、“白鳥の湖はバレエの母親”説。
「白鳥の湖という作品がなければ、バレエがこれほど認知されることはなかったと思います。
それほどダンサーにとっては重要な作品です」

そして白鳥のリハーサル風景が紹介されました。
2幕の湖畔の出会いのシーン。
王子に出会ったオデットが少しずつ心を開いていく所です。
相手役のオデットは松岡さん。
今が旬のプリンシパル松岡さんも、熊川さんにしごかれていました。
「もっと気持ちを入れて行こうよ」

オデットが王子の前から逃げるところでダメだし。
「Take me! Take me! 連れて行って!」
一人でさっと逃げるのではなく、王子の気持ちをそそるように、王子に意識を持てということです。
そう言われて松岡さんは、ちょっと王子の方を見てから動くように変えていました。

その後王子のサポートで開脚のジャンプ、ジャンプ、ピルエットのところでは、最初は音にぴったり合わせていた松岡さんでしたが
「そうじゃない、ンパーッ、ウンパーなんだ!」とドラマチックにジェスチャーをしながら、音を後取りするように指示。
「僕は結構後取りが好きなんだけどね…カウントに遅れるわけでもないし、ほんとに微妙なレベルの話なんだけど、ビジュアルとサウンド、視覚と聴覚のずれがあるでしょ?それをお客さんに一緒に感じてもらうためにはどうしたらよいか」
「視覚、聴覚! 視覚、聴覚!」

音の取り方の大切さを、すごく真剣に教えていました。

アレグロの時はもちろん音にピッタリの方がよいのでしょうが、この白鳥第2幕のような、ゆったりしたアダージオでは、音の取り方の違いで、観客にはずいぶん違って見えると言う事です。
熊川さんに教えられて、松岡さんが少し後取りで踊ると、絶妙な雰囲気が加わり、いい感じでした。
音楽に遅れるほどの長さではなく、本当に微妙に少しだけ後取りで動くことにより、柔らかさが感じられるのは不思議です。

「チャイコフスキーの白鳥の音楽は、ダンサーの息づかい、歌でいうとコブシのようなものまで織り込んで作られている。それが聞こえるかどうか」
と熊川さんは言っていました。
なるほど、そう言われてみると、たしかに湖畔のアダージオは、テンポきっちりではない息使いのような曲に聞こえます。
それを「コブシ」と表現するセンスに感心しました。


その後、番組ではN響の白鳥の湖の序曲とワルツの演奏。
演奏の後でアナウンサーに、「今の演奏はいかがでしたか?」と聞かれた熊川さんは「ゆっくりですね」
昔は踊ることを第一に考えていたから、もっと速いテンポで!と指揮者にお願いしていたけれど、こうして聞くだけの時なら、ゆっくりでも楽しめるようになってきたと言っていました。

番組では、この後、熊川さんがバッハのパッヘルベルのカノンに振りつけた「パッシングボイス」を紹介。男女の別れを表現したと言っていました。

そして、第九の話。曲を解読するために、聴きこむのにずいぶん時間がかかったそうです。
ベートーベンも、ここでは疲れていたのかな、とか色々妄想したという事です。
楽章ごとにテーマを決め、最後はそれまでのすべての楽章を否定しながらも肯定し昇華するというように、もともとの曲も言われているそうですが、熊川さんもそのように作ったと言っていました。

第九の話は以前に聞いたことがあるような事でしたので、今回の放送で一番興味深かったのは、やはり音の取り方の話でしたね。
天才ダンサーは素晴らしい耳を持っているということが分かりました。

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2011年10月03日

熊川哲也ベスト盤!!

熊川哲也さんの1999年からの映像ベスト盤が出るそうです。

るんるん

THE BEST OF KUMAKAWA~since1999

熊川哲也、珠玉のベスト版、遂に登場!
今まで上演された演目から名場面だけを選び収録した、感動の映像集

○熊川哲也、数々の舞台をベストチョイス!
 過去、上演された舞台の中から名シーンのみを選りすぐった映像集!

○今までの作品を見た人も、まだ見たことのない人も、熊川哲也を堪能できる1枚!

○"Kバレエ映像作品初"Blu-ray、DVD同時発売!

[内容解説]
■収録(予定)演目:
○コッペリア
○ジゼル
○ラプソディ
○白鳥の湖
○海賊
○ロミオとジュリエット
○若者と死
○くるみ割り人形
○ドン・キホーテ
○第九


[特殊内容/特典]
特典映像:熊川哲也 スペシャルインタビュー(予定)
封入特典:特製ブックレット~熊川哲也の足跡を10年を辿る~(仮)

るんるん

収録時間68分+特典映像10分(インタビュー)だそうです。

ブルーレイは7800円、DVDは6800円。

どうなんでしょう、これ?
たとえば熊川さんのすでに発売されているDVD「若者と死」なんて、たった18分で定価8190円ですから、もしかしてそれが全部入っているのならかなりお得なんですが、全部ベスト盤に入れるわけないから、やっぱり一部だけですよね?
それとも、未公開の舞台映像だったりして?
今までのDVDからの映像でないのなら、逆に見てみたい気がします。

ぴかぴか(新しい)

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2011年09月29日

Kバレエ「白鳥の湖」熊川&松岡

Kバレエカンパニー 2011オータムツアー
「白鳥の湖」
2011年9月28日(水)14時 ゆうぽうとホール

オデット/オディール 松岡梨絵
ジークフリード王子 熊川哲也
ロットバルト  遅沢佑介
ベンノ 橋本直樹
パ・ド・トロワ 日向智子 秋元康臣 中村春奈


Kバレエの中では今一番光り輝いている旬のプリマ、松岡梨絵さんが
ついに熊川さんと主役を踊るというので、これは絶対見なくてはならないと思った公演です。

松岡さんは、おそらく身長164ぐらいかと思われますが、宮尾さんとか遅沢さんとか、
今までは長身のダンサーと組むことがほとんどでした。
熊川さんは身長174だそうで、Kバレエでは小柄のプリマと組むことが多かったのです。
女性はポワントで立つと15センチぐらい高くなってしまいますからね。

舞台を観終わった印象をひとことで言うと、「松岡梨絵は、熊川哲也と踊る必要性はない」です。
ちょっとこれ誤解されそうな物言いなんですが、つまり、彼女はひとりでキッラキラに輝いているので、熊川さんのオーラがなくても十分に素晴らしい舞台を作れる。
いえむしろ若手の相手役をひっぱっていく方が、その持てる能力と魅力がより発揮できるということなんです。
だから宮尾さんとか遅沢さんとか、見た目が釣り合う長身の相手役とのびのびと踊った方が、熊川さんと踊るよりもケミストリーが生まれるのではと思いました。

でも今回熊川さんと踊って素敵だな〜と感動したシーンももちろんありました。
一番ぞくぞくしたのは、2幕の湖畔の出会いのアダージオで、王子の後ろハグ(というのでしょうか)にオデットが身を任せて揺れるところ。

松岡梨絵にとっての熊川哲也って、おそらく尊敬するダンサーであり厳しい完全主義のディレクターであり、常に緊張感を持った正しいたたずまいで接しなくてはならない人なのではないかと思います。
二人で組んで踊っていても、それが透けて見えてしまうのですが、
この湖畔の一瞬には、王子に頼るオデット、という男と女の色っぽい雰囲気がありました。

松岡オデットは、白い衣装にも増してキラキラと輝くように美しく、踊りもとても丁寧でした。
オディールは、生き生きとしてあでやかで、大輪の花のようで、こちらはもう完璧。
32回の連続フェッテもダブルを6回ほど入れて音楽にきっちりと合わせて回りました。
オディールのフェッテの後には熊川さんがお得意のスクリュー回転を見せたり、大技の連続で、
それはもう最高潮に盛り上がりました。

熊川さんの踊りですが、1幕のヴァリエーションはさすがのコントロールで完璧。
3幕のヴァリエーションから一連のコーダの大技は、相変わらず難易度の高いことをやっていましたが、少し荒かったかな?
彼のやる超のつく難しい技は、Kバレエの男性たちも、こぞってやるようになっているので、今ではもうそれほどビックリしなくなっている…という現状の方にむしろビックリですが。

体操の難易度も今やウルトラCをとっくに超えてG難度だそうですが、Kバレエの男性たちはみんな熊川さんを目指せ、追い越せできているから、技の習得率は高いんじゃないですかね、他のバレエ団に比べて。

だから「海賊」のようにみんながその技を見せられる演目だといいんですが、白鳥は男性の活躍するところ少ないですからね…道化も登場しないし、一番目立つのはベンノでしょうか。
私が見る時はいつも橋本ベンノなのですが、明るくて伸びやかで、滞空時間が長くてきれいな開脚ジャンプにはほれぼれします。この役は浅田君にも似合いそうです。

パ・ド・トロワの秋元君は、ロシア仕込みらしい踊りの上手さで目立ってました。
日向さんは軽やかで、かわいらしい感じで良かったです。彼女は顔がちっちゃくてプロポーションもよいからこれから注目です。


るんるん

ところでKバレエウォッチャーとしては、今なぜ白鳥なのか?という疑問があります。
まあ単純に映画「ブラックスワン」がヒットしたから、とか、この震災後の冷えた状況では
一番有名で客入りの良い「白鳥」だろう、とかあるでしょうが、
熊川さんがフライヤーに書いた文章を読むと、「白鳥の湖」という作品はバレエの母である、
だから、定期的にバレエダンサーはこの作品を踊って、原点に立ち返らねばならない、というような事を言っています。

来年の新作「シンデレラ」から、新たな一歩としてオーチャードホールの芸術監督に就任する熊川哲也氏にとって、その一歩を踏み出す前に立ち返りたかったのが「白鳥の湖」だということなのでしょうか。

今回の秋ツアーでは、12公演のうち11回を熊川さんが踊るというスケジュールで、その中にはソワレ、マチネの2日間連続もあります。
そのためか、王子は省エネ演出で、1幕では狩りに行く前の王子のメランコリックなヴァリエーションはなく、ほとんどマイムで、2幕はサポート中心。本格的に踊るのは3幕だけ。
特に1幕はマイムが多いので、熊川さんのような登場しただけでオーラのある人でなくては舞台を持たせるのが難しい。若手が主役をやる場合は、ヴァリエーションを増やしたりするのでしょうか?

王子を熊川さんが踊るかわりといってはなんですが、若手養成の場として、相手役に若手を起用しています。白石あゆみさんが3回も踊るのは大抜擢です。
ダンサーとしては老獪な熊川さんの相手役は、かえってフレッシュな人の方がケミストリーが生まれるのかもしれません。
白石&熊川をこれから観る方、どうだったかぜひ教えてください。


ぴかぴか(新しい)




















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2011年08月28日

熊川哲也@NHK・ETV「ミュージック・ポートレイト」

「あなたの人生で大切な10曲を選んでください」
という番組に市川亀次郎さんと熊川哲也さんが対談形式で出演しました。
熊哲ウォッチャーとしてははずせませんね。
熊川哲也さんの選んだ10曲は…

1曲目 <初めての踊り>
「パブロヴァのガヴォット」 ヨーゼフ・リンケ
熊川「当時の10歳の少年は、すごい緊張してた。というか、踊りじゃないから、この時は。もう歩くだけ。音に合わせて歩くっていうのが、その年齢の課題。…30年ぶりに聞きましたよ」


※技に行くまでの所作(歩くこと)が実はすごく難しいということです。

2曲目 <少年時代の思い出>
「北の国から 遥かなる大地より〜蛍のテーマ」 さだ まさし
熊川「うちの親戚も全部富良野で、今農家をやってるんだけども。もうことあるごとに僕は休みとなれば、すぐ富良野に行って野山を駆け巡り、山の中に入り、クワガタを採ったりとか、畑仕事をしたりとかっていう。『北の国から』に出演してた吉岡(秀隆)君=純ですよね。彼は僕と同世代なので、ドラマの中でも、やってることが全く同じだった」


※ロンドンでホームシックになる時、このビデオを見て涙涙…だったそうです。

3曲目 <広がる世界>
「ドン・キホーテ」 ミンクス
熊川「(イギリスでローザンヌ国際バレエ・コンクールに参加)僕は北海道の田舎から先鋭たちを毎年テレビで見てた。何十ヶ国から出て来る若手は、どんなのが出て来るか分んないんで…。(金賞受賞後も)それから僕にとって、この『ドン・キホーテ』っていう曲は、ずっと節目節目で踊ってきた作品なんですよ。十八番っていうか、僕の形容詞になり得る作品ですね」


※イギリスに留学したら、コンプレックスをあらためて感じて、自分が醜くみえてしまった。ローザンヌの時も、隣にいる子は8頭身でブロンドで、でも、まあいけるだろう、という感じだったそうです。またまたコンプレックスを感じたなどという自分の弱さをさらす発言でした。


4曲目 <夢にむかって>
「イエスタデイ」 ザ・ビートルズ
熊川「(英国ロイヤルバレエ団に入団)もう一心不乱に踊っていたから、向こうでは。英国社会に身を投じていたというあんまり気はしないね。バレエ社会にはいたけど、英国というロンドンの地の中においては、意外と日本人っぽい生活はしていたかな。それこそアボカドを切って、しょうゆをかけて「トロ」って言って食べてたりとか」


※バレエダンサーはリミットが早いから、フィジカル的な衰えは必ず来る。「未来は自然と切り開かれていくものだけれども、過去は自分で探しにいかないと忘れていっちゃうから、良く思い出しますよ。せつなくなる、本当にせつなくなるよ。」と言っていたのが印象的でした。


5曲目 <独り立ち>
「ラ・バヤデール」 ミンクス
熊川「実際にその『バヤデルカ』の主役というのを僕、踊らせてもらったんですよ。バレエ団のダンサーが誰も、みんな怪我をしちゃって踊れなくて、急遽僕は4日間の振りうつしで、その3時間半の舞台を踊ってくれと言われて。舞台前にその芸術監督が『舞台前に君に挨拶に行けないかもしれないんだよ、テツヤ。なぜならば、エリザベス女王とマーガレット王女が、今日シスターズナイトアウトでこの公演を見に来るから』って」



※17歳でロイヤルのソリストになり、19歳の時に黄金の仏像の役をやった。最後の方のわずか1分半ぐらいの踊りだけれども、みんながこのシーンを待っていて、やたらと心臓の鼓動と合っているボンボンという音楽で、幕が開く前は音楽に負けそうになったくらい緊張感があった。
その後21歳の時に急遽の代役で全幕を踊ったそうです。
熊川さんでもそんなに緊張をするのですね。


6曲目 <未知なる世界へ>
「キラー・クイーン」 クイーン
熊川「日本に戻ってきて、バレエカンパニーを立ち上げて、「戦うぞ」みたいな状況になった時に、果してクラシックを聴いて、勝てるのかな」って何か思ったっていうか。で、日本に帰ってきて、クィーンを聞いた時に、やたらと元気になった。壊せない岩も壊せるんじゃないかっていうぐらいの勇気をもらって」


※この曲の影響か、Kバレエ立ち上げのときにはピアソラとかいろいろなアーチストとコラボをして楽しかった、と言っていましたが、熊川さんはロイヤル退団前から、夏に「メイド・イン・ロンドン」という公演を日本で行っていて、そこですでに色々な試みをしていたので、そのあたりからのことを含めてのお話だと思います。


7曲目  <未知なる世界へ>
「白鳥の湖」 チャイコフスキー
熊川「実際『白鳥の湖』ってのを、チャイコフスキーが作曲してくれなかったら、やっぱり世界的にバレエという認知ってのは、少し遅れたんじゃないかなって思うぐらい完成度が高い。だから、『白鳥の湖』ってのは、バレエダンサーにとっては、母親であると。常に教えてくれる存在。だから何回踊っても、何年踊っていても、常に生徒でいられる作品だと僕は思う。ていうのは、うちのダンサーに言いながら、よくリハーサルはしているんだけど」


※昔は、バレエよりオレなんだよ、と思っていたけど、今はこうして古典作品を演じていると、いかに先人たちの作ってくれた偉大なものに生かされているかを、やっとわかってきたそうです。最近の熊川さんはよくそういう話をしています。


8曲目 <癒しの時間>
「マガマラバーレス」 マリーザ・モンチ
熊川「僕24の時に、ブラジルのリオデジャネイロのムニシパル劇場って所からお声がかかって、初めて一人で出かけて踊らさせてもらった時に、そこのバレエ団の人達や、ブラジリアンってすごく陽気で。フレンドリーで。町全体で僕を祝福してくれんじゃないかっていうくらいの、本当に明るい陽気な雰囲気があって、で、その時に一緒に踊ったパートナーの子がこのCDをくれたの」


※今も家にいる時によくこの音楽を聴くそうです。それで、「僕はめったに国外にいかない。日本が好き」と言うので、亀次郎さんが「日本のどこが(好き)?」と聞いたら、熊川さんの答えは「特に、家の中」(爆笑)


9曲目 <今の自画像>
「パッサカリアとフーガ ハ短調」 J.S.バッハ
熊川「我々みたいに、芸術を追及するものにとって、必ず才能が枯れる日が来ると思って生きていけと。絶対いつか枯れるんだっていうような、そういう恐怖心が、そこに(作者の)ジャン・コクトーもあったのかななんて、僕は思ったのね。僕も一分一秒無駄にしちゃいけないと思って、舞台前は必ずこの曲を聞いて舞台に上がるようにしている」


※僕はロンドンで育ったから自分の主張ができるんだけど、日本のダンサーは謙虚な人が多い。もっと自己主張していい。自分のパワーを出せ、と言っていました。
「才能は枯れると思いますか?」という亀次郎さんの質問に、「才能は枯れない。でもビジュアル的な才能は枯れる」
そのビジュアルな部分がとても重要なのがバレエなのですから。


10曲目 <人生の最後に聴きたい歌>
「交響曲第9番ニ短調作品125合唱つき」 ベートーベン
熊川「僕は10歳の時からバレエしかやってなくてね、35までずーっとバレエを踊ってきたんだけど、舞台上で大きなけがをして、今までずっと踊ってたのに、まったく踊れない自分がいた。…ある劇場のこけら落としで、ベートーベンの第九を振り付けしたら、そこでものすごい救われたというか、やっぱりバレエに携わる事を、先人がまた助けてくれたんだな。前を向いて喜びながら生きてくって事は、すごく大事な事なんだなって。最後死ぬ時でも終わりではなく、前を向いて倒れたいなっていうところで、ベートーベンの第九」


※踊れなくなることは熊川さんにとってイコール「死」。けれどもその時がきても前を向いていきたいという決意表明のような気がしました。


熊川さんの10曲、いろいろな想いがありました。
確実に近付いている「踊れなくなる自分」を迎える心の準備のようなものが、少しずつ構築されているようです。
確かに熊川さんはダンサーとしては超一流ですが、現在の彼はKバレエを立ち上げた人物として、日本バレエ界に大いなる貢献をしているし、造り出したプロダクションの数々も素晴らしいものばかりです。ダンサーとして踊れなくなっても、その他の部分で多大なる価値と存在意義があると私は思います。


ぴかぴか(新しい)
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2011年07月17日

熊川哲也@日テレ「先輩ROCK YOU」

日本テレビの深夜番組「先輩ROCK YOU」に熊川さんがゲストとして出演しました。
色々面白いトークがありました。
まず、「バレエが高尚でナニが悪い!」ということについて。

バレエやオペラは高尚なものであるとして、一般大衆にとって敷居が高いが、敷居が高くて何が悪い?
敷居を越えて入ってくればいい。今は階級などない時代だから、ハードルを越えてきて欲しい。
大衆に受けるために敷居を低くするような興行主もいるが、敷居を下げたら先人に失礼だ。
バレエは万人受けするものだと思うが、万人受けするために、こびへつらいはしない。


バレエは高尚な芸術であっても、万人に理解されることのできるものだから、わかりやすくしようとは思うが、大衆におもねることはしたくない。
バレエに対する、熊川さんのリスペクトと大いなる愛を感じられる話でした。
たしかに、素晴らしい音楽と美しい舞台美術、人間技の極致である踊りを見れば、どんな人でも感動するはずです。いわば、喰わず嫌いの人が多いのだと思います。

「万人受けするために、こびへつらいはしない!」と言い切ったのがあまりにカッコ良かったので、司会の加藤浩次さんに「もてるでしょ!」とすかさず突っ込まれてました(笑)


それから、熊川さんのいままでの人生航路が紹介されました。
熊川さんのバレエ人生は3つの時代に分けられるそうです。
まず、ロイヤル時代が「オレ様時代」

加藤さんが「ロンドンに行ったら、もっと上手い人がいたんでしょ?」と聞いたら、ジャンプでも回転でも、熊川さん以上にできる人はいなかった、と言い切っていましたね。
何をやっても俺が一番だった、と。
ただ、体型のコンプレックスはあったそうです。そういうことを公の場で話したのは初めてではないでしょうか。だからちょっとびっくりしました。

その体型のコンプレックスをどのように克服したかと聞かれて、「自分を信じ込むことと、結果を出すこと」と言っていました。

ロイヤルから帰ってきてKバレエカンパニーを立ち上げてからしばらくが「オレ様時代 シーズン2」だそうで、黄金時代だったそうです。
ロイヤル時代はプリンシパルといえども、組織の一員だから、熊川さんに注意をしたり怒ったりする人もいて、たとえば破れたジーンズを履いていたら、ここはロイヤルオペラハウスなんだから、皇室の人も来るし、きちんとした格好をしなくてはいけないと注意されりしたけれども、自分のカンパニーを立ち上げたら、自分が一番だから、誰にも何も言われなくなった。
27才で、なんで大人の人があんなに頭を下げるのかなと思った。
北海道から直接ロンドンに行った自分は、それまで結構地味な生活をしていたので、大都会東京の凄さに舞いあがって、かなり派手に遊んだそうです。でも1年半ぐらいでぴたっとやめたそうです。

それはなぜか。
それはロンドンと比べて、バレエの「文化的浸透度が低い」ことにがっかりしたことで、バレエダンサーといっても、バックダンサーなのかなと思われたり、バレエといったらTVでおまる白鳥をやっていたりして、これはまずいぞ、と。
加藤さんが「志村けんさんの白鳥が…」と言ったら熊川さんは「僕が(志村さんと)言ったんじゃないからね。でもあれは、はっきり言ってバレエにとっては迷惑。でも僕もドリフターズ世代なんだけどね」とフォローもしっかりしていました。

その後は、「バレエのために時代」で、それ以前は、バレエというものを自分が利用していた。いわばバレエを自分を表現するためのツールとして、武器として使って、俺はこんなに人々を感動させることができるぞ、というようだったけれども、今は、バレエのために自分がどんなことができるのか、バレエってこんなに素晴らしい、劇場空間とはマジカルなものなんだよ、とわかってもらうように、バレエという芸術を広めるために色々な活動をしている、という感じだそうです。

「怪我をした時は大変だったでしょう?」という質問には、「孤独だったよね」
でも、その時はすでに自分が前に出ることはしていなかったので、カンパニーのために作品を作ったり、演出をしたりしていた〈バレエのために時代〉だったので、それほどではなかった。
オレ様時代に怪我をしていたら、〈飛べない自分〉が耐えられなかっただろう、と話していました。

ん〜、怪我をした時にはすでに自分が前に出ることはしていなかった、というのは違うだろっ!と突っ込みをいれたくなっちゃいました。
それは二度の怪我を乗り越えていく長い間に確信的に感じるようになったことであって、最初の怪我の時には、海賊を自分にあてて新制作していたわけだし、まだまだイケイケドンドン的な気持ちだったと思いますよ。

加藤さんにも「大人になったんですね〜〜」と言われてましたが、トークも面白いし、おまる白鳥の件でもわかるように、ちゃんと自分の主張は言って、フォローもできるところが凄いなぁ…

トークの後に、松岡梨絵さんがオディール、浅川紫織さんがオデットで、衣装についての熊川さんなりのこだわり(普通はオディールは黒一色だけれども、王子が愛した白鳥の白も少し入れて、腹黒さを表す赤も少し入れている…)や、オデットとオディールの羽ばたきの違い(オデットはゆったりした三拍子。オディールはやや鋭角的な4拍子)、バレリーナは美しく見せるために脚を外向きに努力で矯正している、というような事を説明していました。

加藤さんが、「熊川さんはどんなですか」と聞くと、浅川さんは「怖いです」
松岡さんは「こわいというより、厳しい方です」
「どんな風に厳しいんですか?」
松岡「妥協がないので、私達がそれについていくのが大変です」

「熊川さんは、今もオレ様な時がありますか?」
熊川「正直に言っていいよ」
松岡「ときどき、あるんです…」
加藤「やっぱりまだオレ様なんじゃないですか〜」
熊川「いいんだよ、だってオレの時代なんだもの。監督はオレ様じゃなくちゃいけないんだよ!」



せっかく松岡さんと浅川さんが来たのだから、腕の動きだけではなくて、もう少し踊って欲しかったですね。
熊川さんの紹介のVTRですが、海外のガラの映像やロイヤル時代のもので、見た事のないものもありました。バックに英語のナレーションが入っていたので、オーチャードホールの芸術監督になった事を報じた海外ニュースの映像だったようです。



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2011年05月26日

Kバレエ「白鳥の湖」チラシ

Kバレエの秋ツアーは「白鳥の湖」なのですが、熊川ヴァージョンは上演ごとに手直しされています。
最初は、白鳥オデットと黒鳥オディールを別のダンサーが踊るというものでした。
王子は、オディールをオデットと見間違えたのではなくて、オディールにじらされて、浮気な男心の本能を刺激され、ついついオディールを選んでしまった、という解釈でした。

私が見たのはオデットを中村祥子さん、オディールを長田佳世さんが踊っていて、この二人、身長も全然違うし、そりゃあ、違いすぎでしょ!という位のキャストで、かえって説得力がありました。
白鳥を松岡梨絵さん、黒鳥を吉田都さんが踊るというのも見ましたね。

その後、中村祥子さんが宮尾俊太郎さんと組んで、オデット/オディールを踊る一人二役ヴァージョンが一回だけあり、その時は祥子さんの素晴らしいパフォーマンスに圧倒されました。

時が過ぎ…プリマ不足の事情なのか、熊川さんが怪我から復帰した時の公演では、一人二役ヴァージョンになっていました。
その後も、ずっと一人二役ヴァージョンです。
オデットとオディールを両方踊り分けるというのが、プリマにとっての試金石、みたいな所がありますから、それはそれでいいのですが、私は昔の別人ヴァージョンもとっても好きでしたから、またやって欲しいと思っています。キャストの妙があればね。

今日、チケットスペースから送られてきた白鳥の湖のちらしを見たら、熊川さんが「白鳥の湖」にかける想いを語っている文章がありました。以下引用します。

「白鳥の湖」はわれわれバレエダンサーにとって、非常に特別であり、常に踊り続けていく作品。
どれだけキャリアを重ねていっても、その位置づけは変わりません。

なぜなら、「白鳥の湖」という作品には、今に受け継がれるバレエの魅力のすべてがある、といっても過言ではない。何度聴いても胸を揺さぶるチャイコフスキーの音楽の力、神秘に満ちた物語の豊かさ。
そして舞踊の多彩な美しさの中でも、殊にかの有名な第2幕の白鳥たちの群舞に至っては、一演出家として、この名場を作り上げたイワーノフという先人にかすかな嫉妬を覚えるほどに、完成し尽くされた芸術の骨頂です。

これまで130年に渡る歴史の中で、あまたの優れたバレリーナたちが白鳥/黒鳥を踊り、「生涯を通して極め続けてゆく役柄」の筆頭に挙げてきたことも、この作品の奥深さを象徴しています。
テクニック、表現力、ひいてはダンサーとしての精神性という根源さえも顕わになることに対する悦びと畏れを抱きながら、我々ダンサーはこの名作を向き合い続け、そこに新たな感動が生まれ続けているのです。

もちろん、どんな作品にも、見るたび違った感動があり、踊るたびに学びを得るだけの懐の深さが古典にはあります。けれどその古典バレエの素晴らしさが、あえて「白鳥の湖」という一つの名作にたとえて語られてきたのは、決して理由なきことではありません。
チャイコフスキーをバレエ音楽の父とするならば、「白鳥の湖」という作品そのものは、言わば〈バレエ芸術の母〉。

実際、もしチャイコフスキーが出現していなかったら、そして「白鳥の湖」が生まれていなかったら、クラシックバレエの発展は確実に今よりも遅れていたと思う。
そんな素晴らしい贈り物を偉大な先人から受け取ったからには、現代に生きる芸術に高め、次の時代へとつないでゆくことが、バレエに携わる自分自身の果たすべき義務の一つと考えています。


どうです?
熊川さんが言っていることはまったく同感ですし、彼のバレエへの愛と限りないリスペクトが感じられます。まったく、「ブラック・スワン」の監督に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。
熊川さんもそのうちバレエ映画を撮ればいいんですよ。

この文章を読んで、最近のKバレエでは一人二役ヴァージョンをやっている理由がなんとなく解りました。自分のアイディアにこだわるよりも、偉大な芸術へのリスペクト、そしてプリマに大事な経験を積ませるため…といったところでしょうか。

熊川さんはさらに自分自身についても書いていますので以下に引用します。

僕自身がジークフリードを踊るのは、実に3年ぶりとなります。2007年からの2度にわたる怪我を乗り越え、完全な脚のコンディションを取り戻した今だからこそ、また再びこの作品に立ち返る気持ちになりました。
我々ダンサーにとっての永遠の教科書である「白鳥の湖」は、次の境地へと向かうために何度でも立つべきスタートライン、とも言えるかもしれません。


2007年の秋ツアーは9月23日の大宮から、27,28,29,30はゆうぽうとで、10月22,23は府中の森であります。
今回熊川さんは、荒井祐子さん、松岡梨絵さん、東野泰子さん、白石あゆ美さんと踊ります。
9/29はバレエ王子の宮尾俊太郎&浅川紫織が主演です。

松岡梨絵さんが、古典では初めて熊川さんと組むので、とても楽しみにしています。
松岡さんは昨年の白鳥で、素晴らしいオデット/オディールを踊ったので、今までたぶん身長の点で組むことのなかった熊川さんも、彼女と踊ってみたくなったのではと想像しています。
芸術監督としての判断というよりも、今が旬の上がり調子のプリマと共演して、自分もダンサーとして凄い経験をしたい、というダンサーとしての〈欲〉を感じました。
去年の夏に中村恩恵さんと踊ったのも、ダンサーとしてもっと向上したいという〈欲〉だと思います。
芸術監督としてはまだまだおさまらないぞ、という熊川さんの声が聞こえてくるようです。

お問い合わせはチケットスペースへ チラシはこちらで一部分ご覧になれます。


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2011年05月12日

2011Kバレエ「ロミオとジュリエット」

Kバレエカンパニー「ロミオとジュリエット」

2011年5月11日(水)18:30 東京文化会館

ロミオ 熊川哲也
ジュリエット ロベルタ・マルケス
マキューシオ 橋本直樹
ティボルト 遅沢佑介
ベンヴォーリオ 伊坂文月
ロザライン 松岡梨絵
パリス 宮尾俊太郎
乳母 前田真由子
キャピュレット卿 スチュアート・キャシディ
キャピュレット夫人 松根花子

熊川版「ロミオとジュリエット」は初演時にも傑作だと思いましたが、今回は3階席から舞台全体を見て、あらためて第1幕のスピーディな展開と群衆の処理の仕方、息もつかせぬ演出の流れがうまいなあと感心しました。

プロローグはロミオが1人でマンドリンを弾いているシーンから始まりますが、ロザラインと友人たちと戯れたあと街の広場になり、三バカトリオのおふざけ、ジプシー娘(キャスト表ではヴェローナの娘となっています)たちとの賑やかな踊りで場は盛り上がり、ロザラインとジプシー娘たちとの対決、それがおさまったらティボルトとマキューシオのチャンバラが始まり、ついには広場中の大騒ぎになる、このシークエンスが流れるように続きます。

大公があらわれ、その場は静まり、ジュリエットの部屋へ。熊川版のジュリエットはマクミラン版のように人形なんて持っていません。(人形はちょっと幼すぎますよね)

その後舞踏会の前のシーンとなり、ロザラインが男の子たちとたわむれているとティボルトが表れて、あからさまに面白くない風で男どもを追い払い、ロザラインと抱擁します。人の来る気配がするとハッとして離れたので、秘密の関係のようです。

この演出は今回改訂された部分で、これによってティボルトとロザラインはできていたことが示され、ティボルトが死んだあとにあれだけロザラインが嘆き悲しむ伏線となりました。

マクミラン版だと嘆き悲しむのはキャピュレット夫人で、夫人とティボルトができていたという事らしいですが、やはり年齢的にも夫人よりもロザラインとの方が自然ですし、熊川版の設定の方がわかりやすい、ということで舞踏会でもロザラインとティボルトはいつも一緒に踊っています。

ロザラインはロミオ達や他の男の子たちとも戯れていますが、自分の美しさを知ってあれこれ粉をかけている女性のようです。でも本命はティボルトだった、というように感じられました。

ロザラインを踊った松岡さんは今が旬のプリマなので、大輪の花のように美しく、3階席からでもパッと目立つ華がありました。彼女に振りつけたからこそ、ロザラインが重要な役になったようにも思いました。実際、ロザラインの出番がすごく多いです。広場でジプシー娘と対決したり、三バカトリオに加わって同じ踊りを踊ったり。

三バカトリオ+ロザラインの踊りが終わり、三人が仮面をつけ後を向くと幕があき、あの「クッションダンス」の曲で剣舞が行われている舞踏会の場面になります。ここから舞踏会となりますが、ここでも群衆処理の使い方がうまいです。

宮廷風舞踊、ジュリエットの友人達の踊り、パリスが踊り、ジュリエットが登場し、若々しいジャンプを多用した踊りを見せます。その後の群舞中に舞台が暗くなり、2階にいるロミオと1階のジュリエットだけにスポットライトが当たり、二人が見つめ合います。
ここで一瞬にして恋に落ちたということが良くわかる演出です。

その後、マキューシオのソロ、ロミオを探せと命じるティボルト、見つかってあわや決闘というところをキャピュレット卿に止められます。
場面転換でバルコニーシーンまでが1幕です。かなり長いですが中だるみなく一気に観賞できる演出です。

熊川版は他の作品でもそうですが、熊川さんが踊ることを想定して、男性の踊りが多く、難しい振付です。このバルコニーシーンでも、ロミオばっかり飛んだり跳ねたりしてます。

恋の高揚感を表しているのは解りますが、この二人はすでに両想いなのですから、ロミオと半々ぐらいの分量で、ジュリエットも踊った方が良いと思うんですが…
これは2幕にも言えることです。でもロベルタ・マルケスは身体能力がすごく、足はあがるし、キープ力もあり、演技もうまくて踊る場面が少なくても、すごく印象的でした。

第2幕はどうしても説明的なシーンが多くなるのは致し方ないですが、その分少し演出の流れがゆるくなるのが残念です。

印象に残ったのは、マキューシオとティボルトの決闘〜マキューシオの断末魔〜ロミオによるティボルトの殺害の一連のシークエンスで、熊川ロミオの感情の動きがすごくよくわかりました。
この場面でもそうですが、熊川版ロミジュリはすべてセリフが聞こえてきそうな演出です。

第2幕のことは詳しく書きません。興味のある方はぜひ公演に足を運んでください。
震災の影響か、不況の影響か、以前だったら熊川さん主演の公演はすべて満席だったのに、1階はともかく3階サイド席などには結構空席がありました。
ダンサー達はみな気合いの入ったパフォーマンスでした。
震災の後、舞台に立てる喜びを感じていたのかもしれません。

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2011年04月16日

Kバレエゲート情報

熊川哲也プロデュース大人のためのバレエスタジオ、Kバレエゲートでは、入会金を義援金として寄付してもらいたいと、当面新規の入会金(3万円)を無料にするそうです。
また、春の入会キャンペーンとして、現会員が新規入会者を紹介した場合は、入会当日に紹介者と入会者へバレエクラスを1回プレゼント。(4月中)

復興支援チャリティクラスとして、4月19日〜22日にKバレエのプリンシパルやソリストが特別講師を務めるクラスを開催するそうです。

Kバレエゲートのサイトはこちら

Kバレエゲートの恵比寿スタジオは行ったことがありますが、最高の環境が整っています。
興味のある方はチャンスかもしれませんよ。

本家のKバレエカンパニーでは、9〜10月の白鳥の湖、12月のくるみ割り人形の日程が発表されています。東京はゆうぽうとホールと、府中の森芸術劇場です。
例年だと東京文化会館かオーチャードですが、オーチャードは改装に入るし、東京文化会館は取れなかったのでしょうか。ゆうぽうとは後ろの座席でも見やすいから嬉しいですが…
キャストが気になるところです。

それから3月28日付で、2004年のローザンヌでスカラシップを取った井澤諒さんが入団したというお知らせがありました。
有望な男性が次々と入るので楽しみです。




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2011年03月14日

Kバレエ「ピーターラビットと仲間たち/真夏の夜の夢」

2011年3月13日(日)14時 オーチャードホール

「真夏の夜の夢」(アシュトン振付)

オべロン 遅沢佑介
タイターニア 松岡梨絵
パック 熊川哲也
ライサンダー スチュワート・キャシディ
ハーミア 浅川紫織
ヘレナ 松根花子
ディミトリアス 宮尾俊太郎
ボトム ニコライ・ヴィユウジャーニン

オケの演奏が素晴らしくて(特に出だしが)、藤原歌劇団の女性コーラスもあって、なかなか贅沢な舞台でした。
アシュトンの真夏の夜の夢は、以前東京バレエ団にコジョカル&マックレーが客演した時に観ていますが、全然別の作品のような印象を受けました。
メインキャストが豪華で、キャシディが意外と若く見えてびっくりですよ。別人かと思った。
宮尾さんも別人かと思った。金髪のカツラが似合わなすぎです。
逆に金髪のカツラが似合いすぎているのが松岡さん。
女性らしい柔らかさ、美しいポーズ、安定したテクニック…
今まさに旬のプリマです。

オべロンの遅沢さんは、もう少しテクニックがビシッと決まったら良かったんですが、何かたくらむような、いたずらを楽しむような表情が良かったです。

アシュトンの素早い脚さばきが大変そうなこの作品、みなさんきびきびと動いていましたが、その中でも、切り裂くように音楽と一体になって動いていた人がいました。
そうです。熊川パックです。

他のダンサーは、音を聞いて動いていますが、熊川パックは、自分自身がまさに音符を奏でながら猛スピードで舞台を横切り、飛び、つむじ風のように回転します。
熊川さんのパックを見ていて、私は「ガラスの仮面」で主人公のマヤが演じたパックのシーンを思い出しました。マヤが目指したつむじ風みたいなパックは、まさに熊川さんそのものでした。

熊川さんの強烈な存在感に負けじと、2組の恋人たちのドタバタ具合もすごく熱が入って面白かったです。松根さんと浅川さんの対決に笑わせてもらいました。

ニコライさんのロバのポワントも素晴らしかったです。ずーっとポワントでやっていましたね。
ニコライさんはドンキのエスパーダみたいに凄くカッコイイこともできるし、このロバみたいなお笑いも上手です。キャラクテール路線まっしぐらってとこでしょうか。


「ピーター・ラビットと仲間達」

まちねずみジョニー ビャンバ・バットボルト 
のねずみチュウチュウおくさん 副智美 
ティギーおばさん  小林由明
あひるのジマイマ  松根花子
きつねの紳士 宮尾俊太郎
こぶたのピグリン・ブランド ニコライ・ヴィユウジャーニン
ピグウィグ 東野泰子
ペティトーおばさん  スチュアート・キャシディ
ジェレミー・フィッシャーどん  秋元康臣
2ひきのわるいねずみ
トム・サム  小山憲  ハンカ・マンカ 神戸里奈 
ピーターラビット 西野隼人
りすのナトキン 橋本直樹


初演の時にすごく楽しませてもらった演目です。
さすがに2回目だと「新鮮な驚き」はなかったですが、大きなマスクをかぶっていても、ダンサーの個性は表れるものだなあと思いました。
かえるのジェレミーを演じた秋元さんは、足先がきれいでエレガントな踊りをしますが、ユーモアがあまり感じられない。
りすを演じた橋本さんは、彼の持っている明るさが表れてすごくかわいかったです。

私は2ひきのわるいねずみが、人形のおうちをめちゃくちゃにするシーンが大好きなんですが、その女の子のねずみを演じた神戸さんは、やっぱりマスクをかぶっていてもチャーミングでした。

大震災の中に行われた公演だけあって、真夏の夜の夢も、こちらもカーテンコールはありませんでしたが、ピーターラビットの方は、いったん降りた幕が一回だけ開くと、出演者がきれいに勢ぞろいして絵本のようになっていたので、なんだか心がホンワカ温かくなりました。
大震災の後で、普通の精神状態ではありませんでしたが、芸術は大いなる癒しであるということ、こういう時だからこそ、必要なものだと痛感致しました。

この日の夜公演は実施できましたが、翌日は交通機関が運休するなどして、結局、今回の東京公演は3回しかできなかったんですね。浅田君がオべロンをやるはずの公演も中止でした。
浅田君は、オべロン以外に、ピーターラビットにはキャスティングされていないようですが、どうしているのでしょうか。彼だったらかえるのジェレミーも良かったような気がします。

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2011年02月25日

宮尾俊太郎@徹子の部屋

昨日、徹子の部屋にKバレエの宮尾俊太郎さんが出演しました。

最初に宮尾さんが登場してきたあと、ガラス窓の外にピーターラビットが!
それを見てもう徹子さん大興奮状態!!
「あら、かわいい、かわいい」を連発です。
徹子さんは、ピーターラビットの大ファンで、ロイヤルバレエ団がやったこのバレエを映画で見て、絵本そっくりだったのに感激してDVDも持っていると繰り返していました。


宮尾さんのお話の内容はほぼ、こちらの記事にあるようなことでしたが、14歳の時に熊川哲也さんが出演したコーヒーのコマーシャル(違いの解る男…というアレ)を見てビックリして、こんなにカッコよく僕もなりたい!とバレエのレッスンに通わせてくれと親に頼んだそうです。
それまでも、ヴァイオリンや剣道をやっていた(父親は音楽の先生だったそう)けれども、自分から何かを習わせてくれと頼んだのはその時が初めてだったとか。

それからバレエに夢中になって、中学の時は校門のところでくるくる回っていたそうです。
17歳でバレエコンクールに出た時に、カンヌのロゼラハイタワーへ来ない?と声をかけてもらって留学。
でもその後ヨーロッパでいろいろオーディションを受けるも、一個も受からずに帰国。
家でぶらぶらしていると親父の目がうるさく、「学生でもなく、何もしていないのなら家にいるな!」と言われてまたバレエをやることにして、今度は熊川さんの師匠である久富先生のところに行ったそうです。

久富先生は、今まで習った中でも一番厳しい先生だったそうで、そこから東京のバレエコンクールに出場する時に、Kバレエへ行って熊川さんに踊りを見てもらったら、「僕のところに来ない?」と誘われて入団となりました。

映像として、昨年の秋ツアーでの「白鳥の湖」で松岡梨絵さんとのデュエットとソロ。
17歳の留学のきっかけになったコンクールの映像(なんと、頭が金髪ですよ!)
それから「ピーター・ラビット」の映像が流れました。

ピーターラビットの映像で、またまた徹子さん大興奮ハートたち(複数ハート)
「かえるさんがすごいのよ〜」とか叫んでました。

そして、ピーター・ラビット(着ぐるみ)が登場して、レタスを持ったソロを踊ってくれました。
中に入っていたのは誰なんでしょうね。以前Kバレエが上演した時に私が観たのは橋本ラビットでしたが。

徹子さんが一番お気に召したのは宮尾さんよりラビットちゃんでした。


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posted by haru at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする