2016年04月01日

東京バレエ団「白鳥の湖」秋元&渡辺

2016年2月7日 2PM  東京文化会館

オデット/オディール:渡辺理恵
ジークフリート:秋元康臣
ロットバルト:森川茉央
道化:山本達史
パ・ド・カトル:吉川留衣、沖香菜子、原田祥博、入戸野伊織
アダージオ: 河谷まりあ

四羽の白鳥:安西くるみ、松倉真玲、中島理子、平松華子
三羽の白鳥:三雲友里加、崔美実、榊優美枝

花嫁候補:二瓶加奈子、政本絵美、崔美実、川淵瞳
四人の道化:海田一成、高橋慈生、中村瑛人、井福俊太郎
スペイン(ソリスト):伝田陽美
スペイン:安田峻介、吉田蓮、杉山優一、入戸野伊織
ナポリ(ソリスト):金子仁美
チャルダッシュ(ソリスト): 乾友子、矢島まい、松野乃知、古道貴大
マズルカ(ソリスト):奈良春夏、木村和夫

ブログに感想を書くのが遅れていましたが、期待値が高かったわりにそれほどでもなかったというのが正直なところです。
ブルメイステル版を持ってきて、モスクワ劇場バレエからユカリーシャが一着一着衣装を選んで借りてきて等々、大変力のこもった宣伝がなされていました。
確かに、この版を取り入れて良かったと思えることとして、第3幕のキャラクターダンスがみんなとても上手になっていた事です。このキャラクターダンスって日本人は振りをなぞるだけで、その血沸き肉踊る内側からのパッションみたいなエッセンスがなかなか表現できないのです。
だから、ロシアのバレエ団のキャラクターダンスは観ていて面白いけれど、日本のバレエ団のは退屈で、「早く終わって…」となります。
今回の第3幕は、その演出もあいまって、飽きさせないドラマが展開されてワクワクしました。マジックのようにあちこちからオディールがパッパッと現れて。大変面白かった3幕。

それに反して、1幕がつまらない。幕が開くと村人と王子がいて(王子の存在薄っ!)遊んでいると、王妃とお付きの女官たちが来て、歩いてばっかりいましたが、これは歩いて宮殿に行ったということなのか??…
村人たちがいるような外の広間で踊るにしてはパ・ド・カトルの方々の衣装がティアラ付きでフォーマルで場違いではと感じらましたし、慣れ親しんだ通常版の第1幕が私は好きです。妙技で魅せるパ・ド・トロワ。夕暮れが近付いてランタンを持って帰っていく村人たち…という。ブルメイステル版の第1幕は、音楽と振付があってなく、踊りも少なくて歩いているばっかりに感じられました。

第2幕は通常のイワノフ版だそうで、コールドはきれいでした。第4幕は、王子とオデットが結ばれない運命を嘆きながら踊る「ショパンのように」という曲がなかったのは残念です。

今回は秋元王子目当てでしたが、やはり踊りが本当に巧い。けれど演技の方は相変わらず大根だと思います。いえ、彼の場合は踊りですべて語れるダンサーだと思います。王子の踊りが少ないので、もっとガンガン踊らせてください。

どうせならユカリーシャさんが秋元王子の見せ場をふんだんに取り入れつつ、(そうすることで、東バの他の男子のクラック技術向上にも役立つ)、プルメイステル版の第3幕を頂戴しつつ、いいとこ取りで自分のオリジナルバージョンを作ってしまえば良かったのに、と思います。芸術監督として駆け出しだから、そこまでの権限はまだないのかもしれませんが、白鳥の湖はバレエ団のドル箱なのですから、ぜひお願いします。

渡辺理恵さんは、こんなにスタイル良かったでしたっけと思う位、腕や脚の長さが際立って大変に美しかったです。(魅せ方が上手になったのかな)オデットははまり役ですが、オディールは技術的に少し苦しい。フェッテのスピードがなくて迫力不足で盛り上がらない!!特にこの演劇的ヴァージョンでは、あのフェッテでガンガン攻めて王子のハートをノックアウトするのがポイントだというのに!!

道化の山本さんはとても達者でした!東京バレエに入団して正解でしたね。




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2016年01月12日

Kバレエ「白鳥の湖」in Cinema

2016年1月12日(火)13:00 ユナイテッドシネマ平塚

オデット/オディール 中村祥子
ジークフリード 遅沢佑介
ベンノ 井澤諒
ロットバルト スチュアート・キャシディ
パ・ド・トロワ 神戸里奈 佐々部佳代 池本祥真
王妃 西成雅衣

2015年11月1日マチネの録画

Kバレエの白鳥は何度も観ていますが、このシネマ版は大変見ごたえがありました。
中村祥子さんが素晴らしい!
第2幕の白鳥のシーン、ひとつひとつの動きに意味があり、オデットの心情が伝わってくる。
ずっと鳥肌が立っていました。
祥子さんの白鳥は、2005年頃、スチュワート・キャシディの王子でオデットだけ踊った時、2009年頃オデットオディールを踊った時(王子は忘れたけれど、たぶん宮尾さん?)と観ましたが、今回がいままでで一番良かったです。
特に白鳥が深化を遂げていました。
祥子さんはその間、結婚をし、子供を産んで復帰し、本拠地を日本に移しています。
子供を産んで第1線に復帰してバンバン主役を踊っているプリマは、いまの日本では祥子さんぐらいでしょう。

はっきり言ってテクニックは以前の方がすごかったと思う所もあります。
特に黒鳥のフェッテ、以前は最初から最後まで全部ダブルで回っていました。
今回は、前半はダブル連続で後半はシングルーダブルとなっていました。
でも、そんなことは気にならないくらい、今の祥子さんは表現力とテクニックが円熟期に入って最高の状態にあると思います。
中村祥子を観るなら、今でしょう!
というわけで、祥子さんを日本に呼んでくれた熊川さんに感謝しつつ、これからは積極的に中村祥子さんの出るKバレエを観ようかと思っています。(熊川さん出演時のチケットよりも5000円安いし。)

王子役の遅沢さん。登場シーンで、あれ、この人って、こんなにスタイル良かったかしら?とあらためて感じました。太ももが発達しすぎてなくてすらっとしていて美しいスタイルです。
遅沢さんは、Kバレエでかつて主役をはった男性達が次々と退団していく中、長身のプリンシパルとして、熊川さんが(身長の釣り合いの点から)相手役になれないプリマの対応や、団のかなめとして、使われすぎていて、怪我でもしやしないかとヒヤヒヤしております。
今やKバレエの大看板である中村祥子の相手としては、宮尾王子では物足りないので、やはり踊りの上手な遅沢王子にガンバってもらうしかない。しかし遅沢さんもいつまでも踊っていられるのだろうか?という心配をしてます。

Kバレエの男性陣は踊りの上手な子が多くて、井澤さんや池本さんを筆頭にレベル高いです。
けれども身長のある男子は少ない。
高身長で見た目が一番良いのは栗山さん。王子に抜擢されたし、これから精進してください。

その他、気がついた点をいくつか書きます。
王妃役の西成さん、新国立劇場バレエ研修所出身ですが、バヤデールのアイヤとか王妃とか、キャラクター系に行くとは思わなかったけれども、すごく美しい王妃で見栄えが抜群でした!!

パ・ド・トロワの神戸さんが素晴らしかった。軽やかで愛らしくて。退団なさったそうで残念です。

チャルダッシュのリードをやっていた白石さん。日本人には珍しい程の色っぽさをお持ちです。
それを発揮したチャルダッシュ、とても良かったです。
退屈になりがちなキャラクターダンスをゴージャスに味付けしてくれました。

白鳥のコールドにいても、スタイル、特に首の長さが美しい山田蘭さん。
新国立劇場バレエ研修所時代から見ているので、もうそろそろ昇格するといいと思っています。

Kバレエの白鳥の湖は、何年か前の改訂で、第1幕の王子のソロをカットして、王子が本格的に踊るのは第3幕の黒鳥のヴァリエーションのとこだけという、王子のセーブ運転モードヴァージョンになっています。(熊川さんが踊ることを考えてでしょうが)
かわりに男性で一番派手に踊るのがベンノ。第1幕で以前家庭教師が踊っていたところもベンノが踊りますし、第3幕の冒頭でも大変難しいソロがあります。
今回ベンノを踊った井澤さんは、大変見事に踊りこなしていました。

全4幕を映画だとノンストップで約2時間半で上演します。
とても濃密な作品ですので、途中で10分ぐらい休憩が欲しくなりました。







posted by haru at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニューイヤーバレエ@新国立劇場

2016年1月9日(土)18:00 オペラパレス
新年初バレエを観てきました。観客層は、いつもと違ってシニア男性が多かったです。
振付指導のパトリシア・ニアリーさんが黒スパンコールのゴージャスなミニドレスで近くに座っていました。
アラ還だと思われますが、若々しい!

第1部 
「セレナーデ」
前半にジャンプをたくさん飛ぶロシアンガールは細田千晶さん、遅刻する女性は寺田亜沙子さん、男性は菅野さん、男性を奪っていく女性は本島美和さん。
幕が開き、コールドが薄白色のクラシックチュチュを着てただずんでいるだけで、まるで絵画のような静謐な美しさ。ダンサー達はみなスタイルが良くて、軽やかにフォーメーションを変えていく。
日本人ダンサーだと外人のような肉感的な押し出しが薄いので、あくのない澄み切ったスープか、マイナスイオンたっぷりのミネラル・ウォーターのような味わい。
特に細田さんの透明感と、控えめなアクセントとして効いていたのが、寺田さんの大人の女性っぽい誘うような表情でした。
細田さんの軽やかさをみると、ラ・シルフィードで主役を踊るのも納得だし、きっといいだろうなあと思います。寺田さんも、こんな味わいのある表現ができる成熟したダンサーにいつの間にかなっていだんだなぁと感慨深く感じました。

第2部 
「フォリア」
貝川さん振付のコンテ。照明が暗くて、衣装が黒で、スタイリッシュさを目指しているのかと思えば、
そうでもなく、どこかしらナチョ風でもある。

「パリの炎」八幡顕光&柴山紗帆
八幡さんならもっと超絶技巧を繰り出すかと期待しておりましたが、やや控えめでした。柴山さんは達者に踊っていたけれども、八幡さんの相手としてふさわしいかどうか…。もっとキュートなダンサーはいないのか…。この演目は小野絢子さんと踊って欲しかったというのが本音です。

「海賊」木村優里&井澤駿
木村さん目当てで、この日のチケットを取りました。見目麗しい美男美女のペアで眼福でありました。
優里さんは、コンクールなどで踊りなれているのか、ベテランのような落ち着きっぷり。
コンクールぐせとでも言うのか、アラベスクやアティチュードのポーズが、脚を高くあげた一種類の「ポイント」に、形状記憶のように常にはまるように踊っているのは、どういうものか…。
なにか、そのポイントにいくまでの情緒とかニュアンスとかないのか?
白鳥の湖でのルースカヤの方が、もっと自分で踊り方を工夫して考えていたように思います。
コンクールか発表会のような空気を感じた観客もいるのもムリはありません。
それでもコーダのフェッテは4回転から入って、1-1-3の連続技。位置もそれほどずれず。
回転の天才??

「タランテラ」米沢唯&奥村康祐
速いテンポで常に動きまわっている、この難しい演目を、唯さんは音ぴったりに
ユーモラスな表情で魅せてくれました。
やっぱりプリンシパルは違う!!と思わず笑顔になるような魅力たっぷり。
細かく動いていても、ひとつひとつの動きが端正なのですよ。
そこが米沢唯たるゆえん。
そして全然息も乱れない。
奥村さんもチャーミングだったけれども、こちらは最後の方はもういっぱいいっぱいな感じ。
最高に楽しかった!!いいもの見せてもらいました!!

第3部 
「ライモンダ」第3幕 小野絢子&福岡雄大
久しぶりのライモンダ上演です。
昔(2007年~2009年ごろ)は、男性陣のカトルで、トゥール・ザン・レールするところが全滅状態で、あちゃー!!でしたが、今はだいぶレベルがあがってきていますね。
パ・ド・ドゥで主役と後ろの組がまったく同じ振りをするところ、以前は肩上リフトで女性を持ちあげられなかった人がいたりしたのですが、今回はとてもきれいに決まっていました。
小野絢子さんは、後のコールドの人たちに比べ、スタイルの点では小さいけれども、圧倒的なオーラを醸し出していて、一目でこの人が姫だって分かります。
ゴージャスでラストを締めるにふさわしい演目でした。

ところで、「セレナーデ」と「ライモンダ」は、今から7,8年前ぐらいの、私が一番新国立バレエにはまっていた時期に上演されていて、今回はとても良い公演だったとは思いますが、すっかり「昔は良かった…(遠い目)」モードになってしまいました。
寺島ひろみさんのライモンダや、日替わりでロシアンガールをひろみさんとまゆみさんが踊った時のセレナーデの凄烈な感動は今でも忘れられません。
本当にバレエダンサーの旬の時期は短い。そしてその時に素晴らしい舞台を観ることができたのは、とても贅沢だったし、今でも宝石のように心の糧になっていると改めて感じました。



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2015年11月03日

東京バレエ団「ドン・キホーテ」沖&梅澤

2015年10月31日(土)2時PM 神奈川県民ホール
キトリ 沖香菜子
バジル 梅澤紘貴
ドン・キホーテ 木村和夫
サンチョ・パンサ 氷室友
ガマーシュ 岡崎隼也
メルセデス 川島麻実子
エスパーダ 秋元康臣
キューピッド 吉田早織
キトリの友人 河谷まりあ 二瓶加奈子
ドリアードの女王 三雲友里加

沖さんと梅澤さんは、このところずっとペアを組んでいるだけあって、息がぴったり、第1幕のかけあいも微笑ましく、フレッシュでかわいいカップル。
ヒムロサンチョは、子供版ドンキを見たあとなので、あの達者なおしゃべりはいまかいまかと待ち遠しくなってしまった。(もちろん喋らなかったけれど)
木村キホーテは上品で威厳を保ち(でも子供版みたいに最後ノリノリで踊ってくれてもよかった)
ガマーシュは終始手をひらひらしているのが面白かった。
キューピッドは可愛らしく。
キトリの友人もかろやかで素敵でした。
河谷さんのキトリも見てみたいな。
ドリアードは、ちょっと残念。プロとしての表現がまだ身についてないようだった。
川島メルセデス、キレがいい踊りで華がありました。
奈良ジプシー、場の空気を変えすぎない、それでいて迫力満点。

注目の秋元エスパーダ。
以前よりも下半身ががっちりした感じで、小顔だし全体のバランスが良い。
回転もキレキレで回り、ピタッと決める。
そう、エスパーダってこういう風に踊るものだよね!!と合点するような見事さ。

秋元さんに注目したのは5年ぐらい前から、ゲストで青い鳥を踊ったのを見て、「これぞまさにブルーバード!」跳躍の高さ、軽やかさ、腕の動き、つま先の美しさ…なんてダンサーだ!!とびっくりしました。
そして、当時NBAバレエ団所属だったので、「ジゼル」を観に行き…あまりの演技力のなさにまたびっくりしました。
その後秋元さんはNBAを辞めてKバレエに移り、主役も踊り、突然辞めてロシアのバレエ団に行き、2年ぐらい音沙汰ないな〜と思っていたら、今回のプリンシパル入団です。
Kバレエを辞めた時がまるでバイトのバックレみたいだったとか、ユカリーシャのひいきでプリンシパルになったとか、色々ちまたのうわさがあるようですが、このエスパーダの凄い踊りを見せつけられたら、うん、もうプリンシパルで当然だよね、今の東バでクラシックが一番上手なのは彼だよね、となってしまいます。
演技力が昔より向上したのかどうかは、エスパーダでは良く分からなかったです。
もう少し色男の演技をして欲しかったですが、彼の踊り自体に非常に魅力があったので、あまり気になりませんでした。
コンテンポラリーをどれだけ踊れるかはわかりませんが、たとえば、ザ・カブキの主役を踊れるかどうかは未知数ですれど、ユカリーシャが古典に重点を置くつもりならば、彼のようなダンサーが必要ですものね。
身長はそれほど高くないようですが、顔が小さいのとマリインスキー男子のような見事な下半身でプロポーションが良く見えるのです。
その点、梅ちゃんは下半身が細すぎです。
プリンシパルに昇格してからイケメンオーラが出てきて、とてもカッコイイ梅ちゃんバジルは、新プリンシパルの秋元氏を意識したのか、最初からガンガン飛ばして、最後のパ・ド・ドゥでは少々スタミナ切れだったのか、アダージオで沖さんを回しそこねてしまったようです。フィッシュダイブも抱え直してたし。
梅ちゃんは演技も上手だし、イケメンでも可愛いイケメンというHPがあるので、そんな意識しなくてもよいのに。




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2015年10月09日

Kバレエ・カンパニ「シンデレラ in Cinema」井澤&神戸

2015年9月30日(水)シネプレックス平塚で観賞

シンデレラ 神戸里奈
王子 井澤諒
仙女 浅川紫織

シンデレラは初演時と、再演時の2回舞台を見ています。
今回は映画とのことで、あの舞踏会のシンデレラからボロ服のシンデレラへの変身イリュージョンのからくりが、わかりました!!
音楽の響きが、何か手を加えたようで美しく盛られています。
カット割は、比較的見やすく、時々表情がアップになるところも悪くなかったです。
シンデレラの神戸さんが素晴らしかったです。
いじめられても、想像力で明るく遊び、おばあさんには優しく、舞踏会に行くときの高揚感、王子の前にパドブレで出てくる時の緊張感も、すべて自然でした。
特にボロ服のところが可愛らしかったです。
松岡さんだと、舞踏会のシーンでそれはゴージャスになるのですが、その点は神戸さんの方が、「普通の女の子」っぽさが残ってました。

王子は、踊りは井澤さんが上手で文句なしでしたが、演技は宮尾さんの方が面白かった。特に舞踏会で、二人のお姉さんに迫られて困っている顔の宮尾さんは絶品です。私はあの、トイストーリーのウッディみたいな宮尾さんの表情がツボなんですよ。
だけど宮尾さんは踊りがねぇ… 
井澤さんはばっちりと踊りこなしてました。
舞踏会の最後の方のリフト満載のパ・ド・ドゥはあわただしい感じでしたが、これは振付が良くないのです。

シンデレラは音楽が素敵だし、演出も楽しいです。浅川さんの仙女は天下一品です。
地元近くの映画館で上演してくれてありがとうございます。
これからももっと映画館上演をしてくれたら、あらたなファンもできるかもしれない。しかし、映画館で見れるからいかなくてもいいやというファンもいるかもしれない。
難しいところですね。



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創立50周年記念スターダンサーズバレエ団「オール・チューダー・プログラム」初日

2015年9月26日(土)14:00 テアトロ・ジーリオ・ショウワ

開演の20分前に代表の小山さんがプレトークをなさいました。
叔母である太刀川さんが、チューダーの作品に「こんなバレエがあるのか」と
衝撃を受けて、スターダンサーズバレエ団結成のきっかけになったと。
チューダーの作品は、昔も今も客受けが良くないので、チューダー氏は、すべてチューダー作品だけのプログラムにはせずに、白鳥の湖などと一緒に上演しろと太刀川さんに助言していたと。
簡単な作品の解説もあって、興味深いトークでした。

「Continuo」
林ゆりえ 松本実湖 酒井優
加地暢文 安西健塁 渡辺大地

パッヘルベルのカノンで、ストーリーのないアブストラクトバレエ。
男性の腕の上に全身をまっすぐ足先まで一文字になるような振付がめずらしかったですが、難しそうで失敗しているダンサーもいました。
こういう誰でも知っている音楽で、ゆったりとしているのを魅せるように踊るというのは、よほどの音楽性がないとできないのだな、と物足りなさを感じました。

「リラの薗」
カロライン 島添亮子
その愛人 吉瀬智弘
カロラインの婚約者 横内国弘
彼の過去の女 佐藤万里絵

婚約パーティに男女共にその愛人やら過去の女やら、わけありが現れて…感情のもつれがあるけれども、結局はカロラインは婚約者を選ぶというストーリー。ちょっとマクミランの田園の出来事とかっぽい。
けれどマクミランの、たとえばマイヤリングのようなドラマティックさはない。
日本人ダンサーがあっさりしているからなのか…島添さんはきれいで雰囲気もあったが、そんなに心理的で面白いとも思えなかった。

「小さな即興曲」
鈴木優   加地暢文

シューマンのピアノ曲「子供の情景」に乗せて、雨の日に遊ぶ兄妹を描いた作品だそうです。
鈴木優さんが動き出したとたん、そのすっと伸びた首に長い手脚、つま先までがあまりにきれいなので震えが走りました。スタイルの美しさ、清潔感、かわいらしさ、女の子らしさ、無垢な純粋さ、伸びやかなポーズと…どこをどう切り取ってもきれいで、彼女を見ているだけで幸せな気持ちになりました。
蛭崎さんのピアノも軽やかで、加地さんとの取り合わせも良かったです。
新国立劇場バレエ研修所の時から注目していますが、今回のこの作品は彼女にぴったりで素晴らしかったです。

「ロミオとジュリエット」よりパ・ド・ドゥ
林ゆりえ  吉瀬智弘

音楽もなじみがなく、どういう風にみればよいのかと思っているうちに終わってしまいました。

「葉の色あせて」よりパ・ド・ドゥ
吉田都  山本隆之

チューダーといえば、この作品が有名です。ストーリーのないアブストラクトバレエで、夏の終わりと過ぎし日の美しい想いでをノスタルジックに描いた作品だそうです。
都さんは相変わらずの高安定でしたが、リハーサル不足なのか、リフトが難しいのか、息が合わなかったところがありました。

「火の柱」
ヘイガー 本島美和
姉 天木真那美
妹 西原友衣菜
友達 山本隆之
向かいの家から出てきた男 吉瀬智弘

強圧的で厳しい姉と奔放な妹にはさまれたヘイガーが、オールドミスなる恐怖から向かいの家から出てきた男に思わず身をまかせ、後悔して苦しんでるところを好きだった友達に過去のあやまちを許してもらって救われるという、ちょっとどろどろしたストーリーです。
本島さんの熱演が、ひとり浮いているぐらいで、このような作品ならば、ほかのダンサーも本島さんと同じぐらいの高テンションで演じて欲しかったです。
こういう大人っぽい話をバレエで演じるのには、日本人は体格的に子供っぽいから、かなりあざといぐらいに表現しなくては、見ている観客に伝わりにくいと思います。

今回の公演、8割以上は埋まっていましたが、半分以上は出演者の関係者や、バレエ評論家などで、おそらく3分の1ぐらいは都さん目当てのバレエファンではなかったかと思います。
バレエの歴史の上で重要だという観点からのオール・チューダー・プロでしたが、エンターティンメントとしてバレエを楽しみたい私のような観客にしてみれば、チューダーさんの助言のように、「白鳥と一緒に上演した方がいい」という意見です。

まあ、私の目当ては都さんではなくて、鈴木優さんでした。
新国立バレエ研修所8期生の鈴木優さんは、双子のかたわれの舞さんと共に、群を抜いて美しいその容姿で、将来は新国立劇場で活躍してくれるものと期待しておりましたが、どういうことか、8期生たちはビントレー時代のラストシーズンに準コールトとして採用されたものの、本採用には誰ひとりとして受かりませんでした。
踊りが上手で卒業公演で見事なキトリを踊った榎本朱花さん、女性らしいたおやかなオーロラを踊った佐藤愛香さんは今どうしているのかわかりません。
アレグロの動きがシャープだった中西夏未さんは、今シーズンKバレエに入団して、シンデレラのあたりまではいたようですが、今は名簿から名前が消えているので辞めてしまったようです。
驚異的な脚の長さとコケティッシュなスター性を持っていた島田沙羅さんは、ロゼラハイタワーに留学したそうです。
鈴木舞さんは、シンガポール・ダンスシアターでプロとして踊っています。

バレエ研修所の8期生は、中西さん以外は、この子たちの時に作られた予科生制度出身です。
予科生制度は、牧先生が、海外に将来性のある子が流れないように青田買いするために作った制度だと私は思っていました。
だから、当然、研修所卒業後は新国立劇場に入るのだろうし、牧先生好みの美しい少女ばかりで、他の期と比べてレベルが高いとずーっと感じていました。
ところがビントレーの次に芸術監督になった大原先生は、8期生を採用せず、放り出したのです。
風のうわさでは、立ち役に使いまわしのできるような、高身長の子を取りたかったらしいという事で、確かに高身長の9期の関晶帆さんは採用されて、白鳥やバヤデールのコールドで、一番前で踊っています。
大原先生は背の高い順に前から並べているからです。

しかし、国民の税金を使って育てた金の卵バレリーナなんですよ。
せめて、10年ぐらいはプロのダンサーとして働けるような環境に置いて欲しかったです。
そりゃあパリオペラ座バレエだって、付属のバレエ学校から入団できるのはわずかですよ。
でも、バレエ団に入団できなくても、ヨーロッパなら職業として、他のバレエ団で働けるし、パリオペラ座バレエ学校の卒業生なら就職にそれほど苦労しないでしょう。

でも、日本にはプロといえるバレエ団が3つしかないんですよ。
その中でも一番恵まれていると言われているのが新国立バレエ団です。
研修所の卒業生だったら、とりあえず採用してあげて欲しいです。
あの子たちが、もしも海外に留学していたりしたら、別の道がひらけていたのかもしれないのですから。
その一番重要な時期に、がっちり研修所で確保していたんですから。




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2015年08月25日

小林紀子バレエシアター「ミックスプログラム」

2015年8月23日(日)3PM 新国立劇場中劇場
「ソワレ・ミュージカル」振付ケネス・マクミラン 音楽ベンジャミン・ブリテン
ホテルのエレベーターホールのような背景に、ベルボーイの恰好をした男性たちと、それに似た感じのチュチュの女性たち。マクミランというよりはアシュトンのようなテイストで、ストーリーのないレビュー風。
プリンシパルの大森結城さんが、女性らしくて華やかで良かったのですが、最後の方で三人揃ってフェッテするところ、落ちてしまって立て直せなくて、残念な終わり方になってしまいました。

「グローリア」振付ケネス・マクミラン 音楽フランシス・プーランク
合唱つきで音楽が美しかったです。これは戦争がテーマのバレエで、男性は塹壕にいるような帽子に総タイツ、女性はグレーのタイツにスカートで、マクミランの特徴的なリフトが多用されています。
合唱もつけるとなると、費用もかかるし上演が難しいと言われていた作品らしく、日本で上演するのはかなりチャレンジングな事だったと思います。作品のトーンは地味だし、暗いテーマだし、まったく一般向けするものではなかったですが、このような作品をあえて上演するという小林紀子先生のイギリスバレエに対する思い入れを感じました。
合唱付きのバレエはいいですよね。新国立劇場バレエで上演したカルミナ・ブラーナ、そして中劇場で上演したウォルシュ振付の「オルフェオとエウリディーチェ」はかなり好きな作品です。

「ライモンダ」第3幕
ハンガリーダンスの萱嶋さんがきれいでした。重厚な舞台装置も良かったです。
衣装は新国立劇場の牧バージョンの方が素敵です。

今回はバレエやオペラに造詣の深い友人のおかげで観賞出来ました。
最近私はおけぴやヤフオクなどでチケットを買うことが多いのですが、小林紀子バレエシアターのチケットはそのような譲渡サイトにはほとんど出てきません。
ダンサーにチケットノルマがあるそうで、知人やバレエ関係者、ダンサーが教えをやっている教室の生徒などでチケットがはけてしまうのでしょうね。そういう意味ではお稽古バレエの典型的なスタイルなのではないかと思います。小林紀子バレエシアターは、必ずオーケストラ演奏で、取り上げる演目も、あまり知られていないようなイギリスの作品が多いという独自路線を進んでいます。
せっかく珍しい演目をやっても、観客が身内だけでは、小林先生の自己満足に収束してしまい、広くバレエ界や芸能界に発信することにはならないような気がします。
また、デボラ夫人と親しいのか、マクミランにこだわっているようですが、もっと新しい現代に生きている振付家の作品などを上演しても良いのではないでしょうか。



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2015年08月22日

東京バレエ団「ドン・キホーテの夢」沖&梅澤

2015年8月22日(土)11:30 めぐろパーシモンホール

キトリ/ドゥルシネア姫:沖香菜子
バジル:梅澤紘貴
ドン・キホーテ:木村和夫
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:岡崎隼也
ロレンツォ:永田雄大
エスパーダ:森川茉央
キューピッド:松倉真玲
ロシナンテ(馬):上瀧達也、山田眞央
お嫁さん馬:中村瑛人、山本達史
二人のキトリの友人:金子仁美、中川美雪
闘牛士:
杉山優一、吉田蓮、松野乃知、和田康佑、入戸野伊織、古道貴大

子どもの為のシリーズ第2弾です。眠りに比べるとお話は少なめで踊り中心。
解説は、プロローグや各幕の前後でサンチョパンサが担当します。
大人ヴァージョンと大きな違いはお馬さんが登場すること、メルセデス、森の女王、ジプシーの娘が登場しない事です。
第1幕は50分で、通常の第1幕からジプシーの野営地、風車への突撃と森のシーンまで、休憩15分はさんで第2幕はバジルの狂言自殺からグランパとエピローグまで。
第1幕は踊り踊り踊りの連続で、主役二人の踊りは、片手リフト以外はほとんどめぼしい所はありました。
ちょっと賑やか過ぎて、目がまわるような気がしました。やつぎばやに、あのテンションの踊りが続くというのは、踊っているダンサーも大変だろうけど、観ているこちらもお腹いっぱい状態になります。
メルセデスがいないだけで、あんなに短くなるもんなのですね。
森のシーンは、ドリアードの女王のパートをかわりにコールドやキューピッドが踊っていました。
グランパは、まるまる全部で、でも通常、間に挿入される友人のヴァリエーションはなかったです。

梅澤さんは、プリンシパルになって、中央に立つ華というか、一段とイケメンオーラが出てきました。
彼の昇格は少し早すぎたような気もしましたが、人間というのは、立場を与えられると、それにふさわしいようになっていくものですね。踊りのキレも良かったし、これからぐんぐん伸びていくと思います。

沖香菜子さんは、とってもかわいらしく、愛らしいキトリ。生き生きとした表情に惹きつけられました。
イタリアン・フェッテや32回のフェッテもありましたが、きっちりときれいに回っていました。
彼女は技巧派ではありませんが、軸がしっかりしているし、スパッと脚があがる身体の柔らかさがあるので、観ていて気持ちが良いです。何より可愛い!天性の華があります。
スタミナもあると思います。あれだけキツイ踊りがあって、さらにグランパのヴァリは、ロシア系のパッセを繰り返すキツイ方。スパスパと小気味よく、キレの良い踊りでした。

この子ども向けヴァージョンでは、目立った踊りをする女性ソリストは、キトリとキューピッドと、友人ぐらいです。男性はバジルとエスパーダ、闘牛士とジプシー(ほどんど同じメンバー)。エスパーダは、森川さん。雰囲気はとってもエスパーダなのですが、踊りが怪我あけのせいかキレがなく、マネージュも膝をかばっているような中途半端なものだったので、少々残念でした。

ドン・キホーテの木村さんは、世界バレフェスの時と同様に、気品がありながらも面白い。
サンチョの氷室さんは、しゃべりが上手。
お馬さんがいい仕事してました。

沖さんのキトリがとっても素敵だったので、10月の横浜公演(大人バージョン)が楽しみです!!


ぴかぴか(新しい)

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2015年08月20日

横浜バレエフェスティバル

2015年8月19日(水)6:30PM 神奈川県民ホール
<第1部>フレッシャーズガラ
佐藤健作による和太鼓演奏とオープニング

大太鼓の演奏の後、出演者が次々とスポットライトに浮き上がり、さわりを踊るオープニングがしゃれている。

「眠りの森の美女」第3幕よりオーロラ姫のヴァリエーション
 川本真寧(横浜バレエフェスティバル2015出演者オーディション第1位)

小学3年生ぐらいなのかな、ちっちゃい。筋肉がまだついていないから、ポーズのキープはできないようだけど、しっかり踊っていました。バレリーナとしてはまったく未知数だけど頑張って欲しい。

「コッペリア」第3幕よりフランツのヴァリエーション
 五十嵐脩(横浜バレエフェスティバル2015出演者オーディション第2位、芸術監督・スーパーバイザー賞)

小学校5年生ぐらい?とっても上手で、ピルエットの軸もまっすぐ。このまますくすく育って欲しい。

「タリスマン」よりニリチのヴァリエーション
 永久メイ(2013年YAGPファイナル ゴールドメダル1位)

手足長くてスタイルがいいし、かわいいしうますぎる。牧阿佐美先生が好きそうな感じ。


「コッペリア」第3幕よりスワニルダのヴァリエーション(ABTバリシニコフ版)
 相原舞(アメリカンバレエシアター)

天下のABTで踊っているのだから、フレッシャーズ枠よりプロフェッショナル枠だろう、という気もしますが…。少し地味で華はまだないけれど、踊り達者で、ここまでの全員上手すぎて、日本のクラシックバレエのレベルの高さをあらためて感じます。

「サタネラ」よりパ・ド・ドゥ
 畑戸利江子(2013年モスクワ国際バレエコンクール銅賞)
 二山治雄(2014年ローザンヌ国際バレエコンクール第1位)

生ニ山君を観たかったんです!ゴムまりのような柔らかい筋肉と、瞬間にパッと開脚(時には200度)する身体能力の特異性は目を見張るものがあります。振付けもそこを強調するようにアレンジしてあるし。でもまだ体が成長しきっていない感じで、もっと手足が長くなれば無敵なんですけど。体の柔らかさのせいか、男性らしさを感じません。あと2,3年で身体がどう変化するかに今後の方向性がかかっていると思います。

畑戸さんは、奥ゆかしさと可憐さとしっかりした技術を持ったバレリーナ。このままうまく行けば都さんみたいになれるかもと思わせるポテンシャルがあります。そういう意味では、未知な部分の多いニ山君より有望かもしれない。ヴァリエーションが見事でした。

<第2部>ワールドプレミアム1

「horizontal episode」オセローより(振付:平山素子)
平山素子(ダンサー・振付家)
久保紘一(NBAバレエ団芸術監督、元コロラドバレエ団プリンシパル)
宮河愛一郎(元Noism団員)

最初に舞台上に大きな白い紙が置いてあって、それを上に吊あげてからダンサーが踊る。
男性二人の衣装が黒で照明が暗めで、みづらく、踊りの意味もまったくわからなかった。

「アルトロ・カントT」よりパ・ド・ドゥ(振付:ジャン=クリストフ・マイヨー)
 小池ミモザ(モンテカルロバレエ団プリンシパル)
 加藤三希央(2014年ローザンヌバレエコンクール第6位、モンテカルロバレエ団)

ミモザさんがズボンで加藤さんがスカートで、手のひらで相手を操るみたいな振付けが面白かった。

「ソワレ・ド・バレエ」(振付:深川秀夫)

米沢唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
奥村康祐(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)

本日一番印象に残った演目でした。この作品は初めてみましたが、関西のバレエ団では何度か上演されているらしく、唯さんのたっての希望で踊ることになったそうです。
クラシックのパ・ド・ドゥ形式ながら、複雑な方向変換や凝った回転技などがテンコ盛りで、ダンサーにとってはかなりチャレンジングな演目だと思いますが、それを完璧に、3回転フェッテなども織り込みながらさらっときちっとキメて踊る唯さんのパワーとオーラにやられました!!
背景に満天の星空と、グレーがかった紫のチュチュも美しい。音楽がちょい地味ですけど、また唯さんで観たい!
奥村さんも、ダブルピルエットに続いてダブル・ザンレールの連続という、サラファーノフの得意技を、きれいに5番に入れながら魅せてくれました。
このお二人を日本代表として世界バレエフェスティバルに出したかった!!

「新作(題名未定)」(振付:JAPON dance project )

青木尚哉(ダンサー、振付家)
児玉北斗(スウェーデン王立バレエ ファースト・ソリスト)
柳本雅寛(ダンサー、+81主催)

トレイントレインではじまり、舞台をランニングしながら踊りをしていた柳本さんが、突然児玉さんに「フライングボディーアタック」をされたと怒りだして、アドリブのセリフあり、唯さんや奥村さんなど、それまでの出演者が出てきて一緒にランニングしたり、そこで唯さんがちょっとアラベスクするのがまた素敵だったり…コンテンポラリーダンスかと思ったらお笑いみたいで、すごく楽しかった。

<第3部>ワールドプレミアム2

「半獣」牧神の午後よりパ・ド・ドゥ(振付:遠藤康行)

小池ミモザ(モンテカルロバレエ団プリンシパル)
遠藤康行(フランス国立マルセイユ・バレエ団ソリスト、振付家)

色々な工夫があり、まったく飽きさせなく、美しい作品でした。最初は二人羽織で、腰のベルトで繋がっているので、ベルトを支えに極端に傾いたバランスなどもできる。ゆるくベルトをしているようで、前後左右になってもうまくパ・ド・ドゥができる。しかしいわばシャム双生児のような不自由な動きが続いてフラストレーションが溜まってきたところで、繋がりを切ってミモザさんが白い幕の後ろへはける。また前に出てきて二人で自由に踊り、その後遠藤さんが幕の後ろへ行って、奥から当たった照明で遠藤さんの影とミモザさんが踊る。今度はこの白い幕を使って、衝撃的に水の上のような波紋を作った。いくつかの波紋がとても美しかった。素晴らしい作品でした。

「ジゼル」第2幕よりパ・ド・ドゥ
高田茜(ロイヤルバレエ団ファーストソリスト)
高岸直樹(元東京バレエ団プリンシパル)

茜さんを観たかったんです。茜さんは抒情的な雰囲気がウィリーになったジゼルらしく、でもジャンプやアントルシャが高くて、リフトはふわふわとしていて、まるで宙を浮いているよう。高岸さんも上手なんでしょう。その高岸さんは、もう踊れないのかと思っていました。実際、ザンレールの最後が流れて誤魔化したりしていたけれど、ジゼルに対する熱い思いの演技は良かったです。茜ジゼル全幕はぜひ観たいです。

「眠りの森の美女」よりパ・ド・ドゥ(振付:マッツ・エック)
湯浅永麻(ネザーランド・ダンス・シアター)
Bastian Zorzetto(ネザーランド・ダンス・シアター)

最初黒い袋に入ったオーロラを引きずってくる意外な展開。振り付けはあのエック風。面白かったし、二人のダンサーも動きのキレが良かったけれど、エックはジゼルだろうがロミジュリだろうが、同じような振付なんだろうな、と思いました。

「海賊」第2幕よりメドーラ、アリ、コンラッドのパ・ド・トロワ
小野絢子(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
八幡顕光(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
加藤三希央(2014年ローザンヌバレエコンクール第6位、モンテカルロバレエ団)

アリが八幡さん、コンラッドが加藤さん。男性二人が均等に踊るようになっていて、ヴァリエーションもそれぞれありました。小野さんはキッラキラ。テクニックは唯さんの方が上ですが、この華やかさと、フェッテで危なくなっても巧くごまかす安定感はプリマの貫禄。
八幡さんも加藤さんもテクニシャンなので技の応酬で面白かった。

フィナーレ
太鼓の演奏に合わせて、全員が出てきて、また各々の踊りを踊りながらのフィナーレ。太鼓とバレエって合わないけれども、まあ無理やりですね(笑)

盛りだくさんで楽しい公演、主催者、企画したスタッフの思い入れと工夫が感じられたのが良かったです。
お客の入りも8割以上は入っていたようで、新聞などのマスメディアで宣伝はしなくても、スタッフの努力でチケットがはけるという事の証明になりました。
収支決算がどうなっているのか心配ですが、来年も続けて欲しいです。

ぴかぴか(新しい)
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2015年08月16日

第14回世界バレエフェスティバル ガラ

2015年8月16日(日)14:00 東京文化会館
■第1部■ 
「ドリーブ組曲」
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン

リュドミラはテクニックはあるけれど、上体が大きくてマチアスと似合わない。もっと愛らしいダンサーだったらよかったのに。あるいはソロの方が良かった。マチアスは90度づつ角度を変えるピルエットを披露。
この振付は角度を次々と変えたり、普通と逆方向に回ったり、マニア向けだけどあまり盛り上がらない。
男性ヴァリエーションは、コッぺリアのフランツの曲で伸びやか。いっそのこと、普通のコッぺリアでも良かったと思う。

「三人姉妹」
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ

前回、この演目を観たのが熊川哲也氏で、寸づまりの兵隊人形みたいな体型だったけど、その時と比べて、ワディムの脚の長いことにびっくり!ロングブーツを履いても、まだ脚が長く見える。軍服が似合うし、超絶技巧もさらっと踊ってしまうのね。ラムも古典よりも美しかった。
 
「雨」
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン
以前のバレフェスでも観たような記憶がありますが、裸同然のような衣装でのコンテですが、シムキンの身体、筋肉がそれはバランスがとれていて美しく見惚れました。その身体が空中をしなやかにコントロールしていく様も、いつまでもみていたいような野生の動物のようでした。サレンコの体もきれいでした。

「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ
リアブコの嬉しそうな表情は恋に燃えあがるアルマンそのもの。意外性を持った緩急のある踊りは、はっとさせられる。アイシュバルトが、アルマンの求めに応えようと心を決めて、でもやはり逡巡して…という揺れ動きがよく伝わってきて涙がでそうになった。熱演。

■第2部■ 
「ヌアージュ」
ディアナ・ヴィシニョワ マルセロ・ゴメス
ゴメスがふわっと、まったく重さを感じさせずにヴィシをリフトしたのでびっくりした。あんなリフトができるとはゴメスがすごいのか、リフトされるヴィシがすごいのか、たぶん両方でしょうが。

「カルメン組曲」
ヴィエングセイ・ヴァルデス ダニーラ・コルスンツェフ
場末のストリッパーのようなビラビラした衣装のヴァルデスと、深緑色の上着で、まったくかみ合わない衣装の二人。ヴァルデスは意外と脚も上がらず、つまらない。ダニーラは脚が長すぎて、本当に王子体型で素敵。人の良さがにじみ出てくるような踊り。

「ル・パルク」
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ
ゲランさんは痩せすぎじゃないのかなぁ。ふくらはぎの筋肉が丸見えでまるで拒食症の少女みたい。でも冒頭の両手を口に入れてから、ゆっくりと体をなぞって下腹部までおろす振りつけは、たまらなくエロティックに感じた。大人のル・パルク。

「さすらう若者の歌」
オスカー・シャコン フリーデマン・フォーゲル
フォーゲルも脚が長くて美しい体型で眼福です。きれいだったけど、長すぎて眠くなりました。

■第3部■ 
「ウロボロス」
振付:大石裕香
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ
最初はスタイリッシュな黒とベージュの仮面舞踏会風衣装で人形振りをする二人。その後、仮面を取ってからは自由に踊るけれど、意味は良く分からなかったけれど、二人のコンビネーションと音楽に対する緩急の付け方が素晴らしい。

「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ
マーシャは黒鳥の衣装だとかなりごっつく見えてしまうのがちょっと残念。オディールに徹していて笑顔でなく割と無表情。ボリショイらしい大きな踊りで、観ているとスカッとするのは私の好きな所。無理やりサポートピルエット回数多く回しているようだったけど、盛り上げようとしてのこと。コーダのフェッテは、最初の方はダブルを入れる時に両手を上に上げていた。後半はシングルだけどもきれいに回っていた。
カーテンコールでも王子を翻弄するオディールを演じてくれて、観客大喜び。この二人は本当に舞台を心から楽しんでいるということが伝わってくる。

「ハムレット」
振付:ジョン・ノイマイヤー
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ
現代風に読み換えたハムレットなのか、どういう場面が良く分からないが、小花柄の水色のワンピースを着たアンナと、学生風の衣装のレヴァツォフ。アンナは脚の形や体型が美しく、身体能力が高くて良いダンサーだと思うけれど、レヴァツォフは目つきがなんかいっちゃってる感じの印象がぬぐえない。
 
「シェエラザード」
上野水香 イーゴリ・ゼレンスキー
ああもう。水香さんは頑張っていたのですが、まったくもって「色気」というものがないので、ゼレンスキーの無駄使いとなってしまいました。水香さんは身体能力は高いし、すごく反るし、でも、色気って、そういうものじゃないのですよ。くねくねして、反ればいいってもんじゃない。それがまったくわかってないというか。もともと備わっていないというか。ここはぜひロパートキナに踊って欲しかったです。それから、水香さんはポワントでなくバレエシューズだったのですが、甲があまりに不自然に出ていたので、甲パットでも入れているのかとオペラグラスで凝視してしまいました。

「ヴォヤージュ」
ウラジーミル・マラーホフ
マラーホフさんも、一時より体型を戻して、でもなんかぜい肉があるようには見えないのだけれども、胴が太くなったのは、もしかして内臓脂肪があるのかと思ったりして。ヴォヤージュって、ベルリンを追い出され、東バでしばし休憩してダイエットして(日本食ダイエットか?)、この後いったいどこへ行くのでしょう。

■第4部■ 
「ジゼル」
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
コジョカルは今や踊りのテクニックと表現力の頂点にある素晴らしい状態です。幽玄で、ふんわりとしていて、悲しみと慈愛に満ちたジゼルでした。コボーは、ここまでで出演している美丈夫ダンサー達に比べるとスタイルが悪いし、コジョカルの相手としては物足りないですが、さすがリフトのタイミングはばっちりでした。ヴァリエーションは踊らない方が良かったかも。

「タンゴ」
振付:ニコライ・アンドロソフ /音楽:アストル・ピアソラ
ウリヤーナ・ロパートキナ  
ここでこう来るか!!とびっくりのロパ様。もうファニーガラに突入か?それもとびっきり上出来の??
黒いスーツとハットでジャズっぽい踊り。宝塚の男役を千倍カッコ良くした感じですが、ピルエットのキレもシェネのキレも凄く、脚が長すぎて、もう最高です!

「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
オレリー・デュポン/エルヴェ・モロー
この美しい二人が、美しい音楽で踊るのを観るのは、まるで夢の中にいるようです。


「ドン・キホーテ」
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー
白い華やかなお揃いの衣装で、世界バレフェスの締めくくりにふさわしい、華やかで、超絶技巧にあふれ、でも端正さを失わない素晴らしいパフォーマンスでした。
マックレーは、あえて飛びあがらない回転技や、途中でジャンプする回転技や、空中開脚やら、めったに観られないような技を見せてくれましたし、サレンコはビクとも動かないアラベスクバランス、トリプルの入ったきれいなフェッテなどお祭りも盛り上げてくれました。

そして、NBSの高橋さんが現れて、第5部の案内をして、第5部のプログラムが幕に映し出され、ファニーガラが始まりました。

「カルメン組曲よりエスカミーリョのソロ」
ヴァルデスがポワントで踊りました。

「瀕死の白鳥」
ダニーラがポワントで踊りました。ポワント使いはいまいち。わざとかもしれませんが。
最後の方にロープをひっぱると、カートの上に指揮者のオブジャニコフさんが天使の羽根をつけて、ハープを弾く恰好で出てきました。

「お嬢さんとならず者」
Aプロの演目のパクリ。ラントラートフがお嬢さん(ポワント上手!)でならず者がマーシャ。芸達者の二人なので笑わせてくれました。

「こうもり」
Bプロの演目のパクリ。マラーホフが奥様で、ビスチェ姿に変身してポワント披露(上手!)
男性役はアイシュバルトとリュドミラ。ヴィシニョーワもちょっと出てくる。

「四羽の白鳥」×2
シムキン、レヴァツォフ、シャコン、マチアス、フォーゲル、マックレー、リアブコ、エルヴェ
シムキンのみピカチュウの着ぐるみ。

「眠りの森の美女」オーロラの誕生日
ローズアダージォの前半部分をゴメスがポワントで(上手!)
途中でヴィシもちょっと出てくる。王子役はサレンコとアッツォーニ。

ファニーガラは前回の居酒屋「間呑」と比べると、ちょっと工夫が足りない感じだけども、この暑い中、考えてやってくれるダンサー達、御苦労様、ありがとう!!

今回の世界バレエフェスティバルは、全幕ドンキとAプロ、ガラと観ましたが、
とっても充実していて楽しかったです。もう終わってしまったのね、寂しい!!

ぴかぴか(新しい)


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