2015年02月20日

新国立劇場「ラ・バヤデール」小野&ムンタギロフ

2015年2月17日(火)7PM オペラパレス
ニキヤ 小野絢子
ソロル ワディム・ムンタギロフ
ガムザッティ 米沢唯
マクダヴェヤ 福田圭吾
黄金の神像 八幡顕光

久しぶりに夜のオペラパレスへ足を運んだ。
この劇場は音響を考えて、床も壁も木で作られている。
日が暮れた水辺にホワイエの照明が明るく映っているのを見上げながら劇場に入り、独特の匂いの木の客席の間の階段をコツコツを足音をさせて降りていくと、「ああ、劇場に来たんだ…」というわくわく感がこみ上げてきた。
オケピで練習をするオケの音や、始まりの予感でざわめいているホワイエなども、「劇場体験」そのもの。
ゆうぽうとや東京文化会館では味わえない、外国のオペラ劇場のようなこの感じ。やはり新国立劇場はいいなぁ。

ラ・バヤデールは他のバレエ団のものも含めて何度か見ているけれども、やはりニキヤとガムザッティを実力が拮抗するようなプリマが演じると抜群に面白くなる。
ニキヤの小野絢子さんは、安定した技術と、情感のこもった演技で、ガムザッティの米沢唯さんは、磐石のテクニックで観客を沸かせ、ワディム・ムンタギロフは柔らかい背中と、ふわっと浮かぶような跳躍、難しい回転技などもさらっとこなす卓越したダンサーぶりで観客を魅了した。

スーパーなスタイルを持つコールドバレエの美しさも一段と向上している。今回は、コールドの並びを身長が高い人から前の列に配置しているので、さらにスタイルのよさが際立つようです。
特にバレエ研修所9期生の関晶帆さんが常に目立つ位置で目をひきます。大原先生のお気に入り?

コールドの人たちは抜群のスタイルなのだけれども、主役のプリマ二人は、小野さんはテクニックと演技は素晴らしいけどあともうほんの少し手足が長かったらとそれだけが残念だし、超絶技巧をさらっとこなす米沢さんは、細すぎて子供っぽく見えるスタイルだし、お顔が和風で華やかさに欠けるのが残念。
影のヴァリエーションを踊った寺田さん、堀口さん、細田さんはスタイル抜群でゴージャスだから、この三人でニキヤとガムザをやるところを見てみたい。容姿がプリマ向きの人がたくさんいるのに、その方々がなかなか主役にキャスティングされず、経験をつめず育っていません。
牧バージョンのラ・バヤデールは、インド風のタペストリーをふんだんに使った美術も素敵だし、お話もよくまとめられていて無駄がなく楽しめるし、コールドの美しさも堪能できるので、4公演といわず、10公演ぐらい打って、プリマを育てればいいのに、と思います。小野・米沢は少々飽きた。

第一幕のマクダヴェヤが迫力満点。すごい太もも。誰かと思ったら福田圭吾さん。
巫女たちの踊りは、みんなスタイル良くて美人できれいでした。
ソロルの登場シーンはふわっと。ワディムはマイムが明確。
マイレンの大僧正は安定。
小野ニキヤは、前述のように彼女は少しスタイルの部分で不利なので、ヴェールをあげたときの圧倒的な驚きというほどではなかったかな。きれいだけど、やはりザハロワにはかなわない。
まあ、誰もザハロワにはかなわないだろうけど。

米沢ガムザと小野ニキヤ対決は、ニキヤに突き飛ばされて床に倒れたガムザが、スッと上体を起こしたまま、「なんなの、これは一体。なんでこの私が突き飛ばされるの」というように2,3秒自問自答をしているように見え、そのあと「卑しい身分の分際で!許さない」とガムザに怒りをあらわにしていきました。
その脈略がよくわかる良い演技を米沢さんはしていました。
どうしても少々子供っぽく見える容姿だし、いつもさらっとしすぎている米沢さんが、どのようにゴージャスなお姫様を演じるのかと思いましたが、この対決シーンは良かったです。
踊りはいうことなし。婚約式でのヴァリエーションも、イタリアンフェッテも、トリプルを入れたフェッテもまったく危なげなく、さらっとこなして。

小野さんは、婚約式での悲しみの踊りが、とっても情感がこもっていて、緊張感があって素晴らしかったです。その後の花かごの踊り、へびが仕込まれていて毒がまわって、ソロルを見ると、彼はガムザの手をとっている…絶望して大僧正の解毒薬を拒否して死ぬ一連の流れも、女の情念のようなものが出ていました。
第三幕のヴェールの難しい踊りもきれいに踊り、その後のソロでは超速シェネやピケターンにすごいキレがありました。

ワディムさんは、長身、小顔、手足が長く、太もももすらっとしてきれい。背中が柔らかく、ヴァリエーションの最後では、背中が床につくほどそらせていて、驚きました。
彼はノーブルダンサーとか言われていますが、実は野蛮なぐらいのテクニックの持ち主で、今回はやりませんでしたが、見たこともない超絶ファイブフォーティ技を持っています。まだ若いのにすごいもんです。
若くて見た目かわいいのに凄いんですというのは、フィギュアスケートの羽生結弦と通じるとこがあります。
王子役もいいけど、彼が思う存分暴れられるような役柄で見たいものです。

黄金の神像の八幡さんは、さすがという踊りでした。
ボディコントロールと回転技が素晴らしい。
プリンシパルなのに、主役踊らないでこんな役ばっかりなのがお気の毒。

婚約式の踊りもいろいろあってゴージャスだし、影の王国も美しい。
音楽もとっても良かったです。
劇場と音楽と踊りと美術、衣装、すべて楽しかった!!!


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2015年02月18日

IBCバレエ団「眠れる森の美女」

2015年2月15日(日) 3PM ゆうぽうと
オーロラ姫 松岡梨絵
デジレ王子 ジュゼッぺ・ピコーネ
カラボス 橋本直樹
リラの精 井脇幸江

井脇幸江さんは、斉藤友佳里、吉岡美佳と同世代で長い間、東京バレエ団の3本柱として活躍していました。
古典ではジゼルのミルタ、眠りのカラボス、ドンキのシプシー、ラ・シルフィードのエフィなどの重要な脇役で、舞台を引き締める役どころで、コンテンポラリーでは春の祭典の生贄など、主役級をレパートリーにしていました。
プリンシパルと言っても、常に主役を踊る斉藤さんや吉岡さんとちがって、キャラクターダンサー的な扱いだったと思います。
実力がなかったわけではなくて(それはIBC立ち上げ公演の素晴らしいジゼルで証明されています)、タイミングや団の事情などによるものだったと推測します。
だいたい東京バレエ団は、海外からのゲストを主役にして公演する事がほとんどだったから、団員を主役として育てる環境があまりなかったとも言えます。
東京バレエ団を辞めずにいたら、ミストレスや、付属バレエ学校の教師(校長)をしながら、時々王妃とかの立役をやるような未来だったかもしれません。

バレエ学校からダンサーとして育ててくれた東京バレエ団を飛び出し、IBCというバレエ団を立ち上げ、ダンサーが心から楽しいと感じて踊る事のできる舞台を作りたいという、井脇さんの野望というか、野心とチャレンジ精神には感服していますし、心から応援したいと思っています。
立ち上げ公演のジゼルでは、井脇さんの目指したような舞台になっていたと思います。
その後、ガラとドンキ全幕などは観なかったのですが、今回は、元Kバレエの松岡梨恵さんがオーロラを踊るというので、楽しみにしていました。

松岡梨絵さんは、キラキラしたオーラを放ち、優雅で上品な美しさあふれるオーロラでした。
Kバレエ時代踊ったオーロラが素晴らしかったと友人に聞いていたので、噂以上の演舞が観られて大変満足です。今、日本のプロフェッショナルなバレエ団を見回しても、松岡さんのような美しい容姿と輝き、正確なテクニック、女性らしい柔らかさを兼ね備えたダンサーはいないと思います。

王子のピコーネさんは、すごいイケメンで長身。松岡さんと身長の釣り合いもいいし、本当に絵に描いたような美男美女。だけど踊りは重かったです。いくつなのかわかりませんが、結構年なのかも?

カラボスの橋本直樹さんは柔軟で伸びやかな跳躍は健在で、マネージュしまくりでした。
カラボスを男性が踊るのはよくある事ですが、役の設定自体が男性というのは初めてです。目からウロコです。
ただ、橋本さんって、もともと持っているオーラが明るいので、憎しみや嫉妬まみれのカラボスのダークさとは相容れない個性なんですよね。踊りそのものが明快で爽快なものだから、どうしても伝わってくるものが陽性なんです。
松岡さんと並ぶとちょっと背が低いけど、夫婦だからサポートは慣れているだろうし、橋本さんが王子でも良かったのにと思いました。
井脇さんのリラの精は、観ていた時は、だいぶテクニックが落ちちゃったなぁと思ったのですが、なぜか舞台が終わった後に、頭の中でぐるぐると浮かんでくるような、不思議な存在感がありました。観客に訴えかけてくる力は健在だったようです。

メインの4人のダンサーと、元東京バレエ団の方々、そしてある程度のレベルに達している数人のダンサー以外は下手すぎて、これはプロの舞台として見ていいのか、それともアマチュアの贅沢な発表会として見た方がいいのか困りました。特に妖精たちのレベルが、先週見た東京バレエ団の踊りと違い過ぎるし、コールドの中に足先も伸びない子がいて興ざめでした。これだったら、私の地元のバレエ学校のジュニアちゃんたちの方がもっと上手じゃないかと思います。
いちおう9千円も払ったし、それだけの舞台になっているだろうと思っていたのですが、これでは高すぎると感じました。ジゼルの時は値段に釣り合わないとは感じなかったのですが、演目の選択の問題でしょうか。

眠れる森の美女のようなグランドバレエでは、まず生オケの演奏、宮殿の豪華なセットと貴族達のゴージャスな衣装、ある程度の人数も揃えないと、見応えのある舞台にするのは難しいようです。
井脇さんの演出は、カラボスを男性に設定し、オーロラが黒バラのトゲに刺される設定により、糸紡ぎうんぬんのシーンをバッサリカット、幻想の森もオーロラのヴァリエーションは無くて、パノラマの音楽も使わず、休憩2回でも3時間のかなりの短縮版。
カタラビュットがカラボスに猫に変身させられたり、赤ずきんちゃんが増殖して狼を追い払ったりと、ユニークなアイデアが光っておりましたが、いかんせん、グランドバレエとしては予算が一桁足りないようでした。
芸術にはお金がかかりますからね。
ジゼルなら男性もそんなに必要ないし、セットも豪華でなくてもよい。
井脇さんのチャレンジと、松岡さんをゲストに呼んでくれたという事はいいのですが、身の丈というか、IBCの現実に即した作品を選んで上演して、レパートリーを増やすよりも質を高めるほうがよいのではないかと思いました。

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2015年02月12日

東京バレエ団「眠れる森の美女」川島&岸本

2015年2月8日(日)2PM 東京文化会館
オーロラ姫 川島麻実子
デジレ王子 岸本秀雄
リラの精 三雲友里加
カラボス ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフ版の眠りは、まさにマラーホフの「バレエ絵本」ですね。
彼の大好きな紫色とバラの洪水。
マラーホフの大好きなお菓子のパッケージみたいな妖精の衣装。
マカロンみたいな色使い。
初演の時には、猫ちゃんたちの衣装が、かわいい系ではなくて豹柄だったのでちょっと違和感がありましたが、考えてみたら豹柄もマラーホフが好きそうです。
マラーホフが、自分が好きなものだけを詰め込んで作ったこのヴァージョンを上演するのは、これからは東京バレエ団だけになるのでしょう。
マラーホフのいたベルリンでは、新芸術監督のナチョ・ドゥアトは自分の作った版を上演するだろうし。

王様とか貴族たちの衣装などは、体格が見劣る日本人では着こなせないと初演時に感じましたが、今回この作品を見ていて、これはこれで、なんだか生身の人間でなくてお人形たちが演じているような雰囲気が出て、面白いような気がしてきました。

思えば、初演時はマラーホフが王子でヴィシニョーワがオーロラ。
ただでさえ耽美すぎる美術と衣装に、さらに濃い二人で、もうお腹いっぱい。
その点、淡白な日本人が演じると、くどさが薄まって、ちょうど良い。

川島さんは、はかなさを感じさせるほど細くて、清潔感があって、初々しいオーロラでした。
テクニックもあるようで、ローズ・アダージオでは、王子の顔をにっこりと微笑んで見てから、手をアンオーに上げていました。この場面、表情が固くなるダンサーが多いですが、川島さんはそんなこともなく、あぶなげなくバランスを取っていました。
しっかりしたテクニックがあるのに、そんなことをひけらかすようなことはせず、ひとつひとつの踊りを丁寧に踊っているのがとても好感がもてましたし、必要以上に表情を作ったりしないところも良かったです。
初役だとはとても思えないほど、安定した踊りと演技で素晴らしかったです。

そして岸本王子!!
登場のシーンでの、びっくりするぐらい高い跳躍が美しい。
踊りの質がとても良いダンサーですね。
指の先までエレガントです。
男性ダンサーは、ジャンプをするときに力んでいるように見えることが多いけど、岸本さんはまったく力みなくふわっと跳躍します。特に王子のヴァリエーションでは、マラーホフ仕込なのか、猫のようにまったく着地音のしない、美しいジュッテでした。
すごいポテンシャルを感じます。これからどんな風に進化するのかとっても楽しみです。

妖精さんたちも、コールドもみんな揃っていていい出来だったと思います。
カナリアの精を踊った沖香菜子さんが、生き生きとしてかわいくて目を惹きました。
サファイアを踊った河谷まりあさんもかわいかった。
お二人のオーロラも見たいです。

ぴかぴか(新しい)

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2014年12月28日

くるみ割り人形 神戸&井澤

2014年12月22日(月)16:30 赤坂ACTシアター

マリー姫 神戸里奈
くるみ割り人形/王子 井澤諒
ドロッセルマイヤー スチュアート・キャシディ
クララ 荒蒔礼子
フリッツ 矢野正弥
雪の女王 中村春奈
雪の王 池本祥真

久しぶりにKバレエのくるみを観ましたが、大変楽しめました。
今回は2列目で、オケピがないので、舞台が近すぎて、ダンサーがこっちに来すぎて…
赤坂ACTシアターは、ミュージカル向けの劇場なので、座席も少なめですし、こじんまりとしています。
Kバレエのくるみは、誰が見ても文句なく楽しめるようなエンターティンメント性の高いプロダクションに仕上がっているので、このような劇場で、ミュージカルを見るような感覚で、でもバレエとしての芸術性や「格」はちゃんと保ったままで、多くのお客様に楽しんでもらえるのはとてもいい事だと思います。

熊川さんが以前テレビで言っておられましたが、バレエが敷居が高いのは良いことだ、こちらからは決して敷居を低くしない、その敷居を越えてきて欲しいと。この公演では、劇場といいプロダクションといい、大変にとっつきいやすいですが、バレエとしてのレベルは高く素晴らしいものに仕上がっています。

初演の時は熊川さんがくるみ割りを踊られたのですが、それ以降は、若手の有望なダンサーの登竜門のようになっています。今回は王子デビューの井澤さんが踊られましたが、王子らしいたたずまい、踊りの正確さ、美しさは熊川さんと比べても遜色ないほどで、大変満足しました。

クララの荒蒔さんの可愛らしさ、マリー姫の神戸さんの優雅さも程よく、ディベルティスマンでは、アラビア人形を踊った山田蘭さんの美しさにノックアウトされました。

いわば、ブロードウェイのミュージカル興行のように、クリスマスシーズンは1ヶ月ぐらいロングランしてもよいと思いました。
バレエとしての醍醐味を味わえるのは雪のシーン。
スピードがあって爽快感のある振り付けはダンサーは踊るのが大変でしょうが、スカッとします。

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2014年12月20日

東京バレ団「くるみ割り人形」沖&梅澤

2014年12月20日(土)14時 東京文化会館

クララ 沖香菜子
くるみ割り王子 梅澤紘貴
ドロッセルマイヤー 柄本弾
ピエロ 岸本秀雄
コロンビーヌ 金子仁美
ムーア人 吉田蓮
スペイン 川島麻実子 木村和夫
アラビア 三雲友里加 松野乃知

バレエで初めてプロジェクションマッピングを取り入れるということと、
最近成長著しいライジングスター、沖香菜子さんを楽しみにした公演です。
プロジェクションマッピングは、想像していたほどまんべんなく使ってるわけではありませんでした。
前奏曲の間に、幕の上をねずみちゃんが走り回るオープニングは楽しかったです。
ダンサーが踊っている時にはほとんど映さず、クリスマスツリーが大きくなるシーン、
夢の国にボートで行くシーン、最後に家に戻るシーンなどを中心に効果的に使われました。
そういえば、以前どっかのバヤデールで寺院崩壊のシーンで映像をつかっていたけど、
そんなのもプロジェクションマッピングでうまいことやれそうですね。

沖香菜子さんのクララは愛らしく、フリッツに対して怒ったようにプンとしたり、くるみ割り人形が壊れて悲しくなったり表情豊かでした。踊りはほぼ完璧で、くるみ割り人形が変身した王子と踊るシーンでの、しゃちほこのように逆さになるリフトも大変美しいポーズできまっていました。
金平糖の精のパ・ド・ドゥはむしろ梅澤王子をリードするような貫禄すらあり、ヴァリエーションも音にぴったりで完璧。ピケやシェネなどの回転技もスピーディで切れ味がありました。
主役経験を重ねることによって、ぐんぐんとプリマらしさを増していって、素晴らしい限りです。

梅澤王子は、変身して起き上がるところ、とてもすがすがしくエレガントで「キャー、素敵ハートたち(複数ハート)」と叫びたいくらいに王子してました。マラーホフの薫陶のたまものでしょうか。
梅澤王子と沖クララの取り合わせもよく、ビジュアル的にお似合いな二人です。

でも、Kバレエの男性陣を見慣れている私にとっては、少し物足りません。
沖香菜子さんが、よりレベルアップするためには、ぐんとバレエが上手で格上の男性海外ゲストダンサーと組ませてもらえればいいのにと思います。
これからの東京バレエ団をしょって立つであろうプリマを、ぜひ一段押し上げて欲しい。

テクニシャンでイケメンでサポートが上手で背が高いダンサー、いませんかね(笑)

第一幕で狂言まわしのような役割をしたピエロ、コロンビーヌ、ムーア人の人形トリオが良かったです。
ピエロの岸本さんは、マラーホフ版眠りで王子抜擢ですね。今とっても気になるダンサーです。
コロンビーヌの金子さん、ムーア人の吉田さんは若手らしいですが、踊りにキレがあってよかったです。

東京バレエ団では、このワイノーネン版とベジャール版の二種類のくるみがレパートリーにあり、これまで私はどちらも見たことがありませんでした。
このワイノーネン版については、うわさ通り、衣装と美術がお粗末でしたね。
長い間新調されていないようでセンスがお教室の発表会みたいです。
新国立とか、Kバレエとかは、デザイナーがこだわったセンスで美術衣装を作っています。
それらにはとうてい比べられるレベルではありません。
美術も、今回プロジェクションマッピングを導入した部分はよいですが、あとの舞台装置はひどいものです。
もっと素敵な衣装だったら、もっと素晴らしい舞台になるのに、がんばって踊っているダンサーが気の毒になりました。


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2014年12月07日

2014年ボリショイバレエ「ドン・キホーテ」アレクサンドロワ&ラントラートフ

2014年12月6日(土)12:30 東京文化会館

キトリ/ドゥルシネア:マリーヤ・アレクサンドロワ
バジル:ウラディスラフ・ラントラートフ
ファニータ・ピッキリア:アンナ・レベツカヤ、ヤニーナ・パリエンコ
エスパーダ:ルスラン・スクヴォルツォフ
街の踊り子:アンジェリーナ・カルポワ
メルセデス:クリスティーナ・カラショーワ
ジプシーの踊り:アンナ・バルコワ
森の精の女王:アンナ・ニクーリナ
キューピッド:ユリア・ルンキナ
第1ヴァリエーション:アンナ・チホミロワ
第2ヴァリエーション:アナ・トラザシヴィリ

マリーナ・アレクサンドロワというバレリーナは、なんという人なんでしょう!!
突き刺すようなポワント、ダイナミックなステップと跳躍、
軸がしっかりしていて脚も高くあがるし、踊りが大きい!
表情もキュートだし、明るいオーラで場を満たす。
そして、舞台の上でその人物になりきって生きる、ということだけではなく、
彼女の伝えたいことが、まるでテレパシーのように会場全体に伝わってきました。

第1幕のパ・ド・ドゥ。
真っ赤な衣装の彼女が、ラントラートフのサポートで踊る、
それは恋人同士の幸福にあふれたもので、
とても楽しい場面なのですが、そこで私はマーシャが
「怪我をしてつらい時間があったけれど、
こうして舞台に戻ってきて、私の大好きな日本の観客の皆さんに、
私の踊りを見てもらえて、本当に嬉しい、幸せ!
この喜びをみなさんに伝えたい」
と心で叫んでいるように感じて、思わず涙が出てきました。
涙するような場面じゃないのに、不思議…

2013年夏のロンドン公演のバヤデールで、ラントラートフとぶつかってアキレス腱損傷、
復帰には半年以上かかったでしょうし、リハビリも大変だったでしょう。
そういうことを知っている私だから、マーシャの心の声が聞こえたのかもしれないけれど、
でもマーシャが大怪我をしたと知らない人でも、あのマーシャの
「この喜びをみんなに伝えたい」というテレパシーは絶対伝わっています。

だからか、終了時のカーテンコールはすごい熱狂で、最後の方は1階はオールスタンディング。
何度もカーテンからマーシャとウラドが出てきて、いろんなお辞儀やユーモアでサービスしてくれた。
マーシャは上階を指差して手を振ってくれて、もちろん私も手をいっぱい振って。
「こんな素敵な舞台を見せてくれてありがとう!!おかえりマーシャ!!」

思えば私がマリーヤ・アレクサンドロワを初めて見たのは、2005年ボリショイバレエ来日公演のバヤデール。
ニキヤがザハロワ、ソロルがツィスカリーゼ、ガムザッティがマーシャという黄金トリオ。
ツィスカリーゼが面白すぎて、ニキヤが美しすぎて、ガムザが高貴で、楽しくて素晴らしすぎて、
今でも強く記憶に残っていて、その記憶を上書きしたくないので、今回のバヤデールは行かなかったほど。

その後ガラでもマーシャを見たけれど、あのころは、顔は昔のエリザベス女王みたいだし、
体型は大きくて少しごついし、貫禄ありすぎて、好みのバレリーナではないなぁ、と思っていました。
妖精さんみたいなみかけで愛らしい系で、でもパワフルなバレリーナが好きなので。
でも、マーシャの気さくで愛嬌のある性格などを知っていって、だいぶ親近感が沸いてきたし、
あのダイナミックでスカッとする大きな踊りは、キトリにはぴったりだし、
YOUTUBEで、居酒屋のシーンの飛び込みの大胆さを見たりしていくうちに、
絶対キトリを見たい、と思うようになりました。

今回はその望みがかない、マーシャだけでなく、ソリスト陣のレベルの高さにもうならされました。
特にキャラクターダンサーがさすがですね。
このドンキって、新国立のヴァージョンとほぼ同じなのですが、
新国立だと眠くなる「ギターの踊り」もすごい美女が踊って迫力だし、
街の踊り子のカルボワ、大人っぽくて美しくて、エスパーダへバラの花でくすぐって、
色仕掛けという言葉がぴったりぐらいななまめかしさ。

ボリショイ風、とでもいうようなダイナミックな踊りをするダンサーが多いです。
第1ヴァリエーションを踊ったチホミロワはジャンプがふわっと高くてキレがありました。
第2ヴァリエーションのトラザシヴィリは、手足が長くてプロポーション抜群でした。

コールドダンサーたちもみな美しくて、第3幕の貴族たちの衣装が、
スペインのエリザベス1世みたいな大きな白い襟飾りのついたものですが、
日本人だったら絶対これは似合わないというようなものが似合うこと。

バジルを踊ったラントラートフは、回転技、ジャンプもしなやかで
大きな拍手をもらっていました。
マーシャとの演技もラブラブ〜で、もしや私生活でもこの二人???
と思うぐらいでした。


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2014年11月11日

東京バレエ団50周年記念「第九交響曲」

2014年11月9日(日)6時 NHKホール
映画「エトワール」で見たときから気になっていた第九を、ついに見る事ができました!

これはバレエ公演というよりも、オーケストラとソリスト、合唱団、ダンサー、その場にいる観客すべてが、空間と時間を共有する「ライブ」です!

楽しかった!!

ベジャールは、普段の公演では、あえてオケを使わず録音音源ですが、この作品で目論んでいたのは、おそらくこのライブ感、祝祭感、生きる喜びを共有する事。

これは、録音音源や、テレビ画面では絶対に味わえない、その場にいなければ感じ取ることのできないたぐいのものです。

総勢350名の出演者、数が多ければいいってわけでもないけれど、大勢の熱気、パワー、エネルギーがいつのまにか会場を満たし、その暖かいオーラに包まれた幸福な時間。

ズービン・メータさん率いるイスラエル響(かなりの大編成)の演奏が素晴らしく、管楽器、特にホルンは、前日の新国立劇場眠りのオケに爪の垢でも煎じて飲ませたいくらい美しい音色でした。

いつもバレエ公演の伴奏でしかオーケストラを聞いてないので、一流のオーケストラはこんなにも違うものかと驚きます。

舞台は通常ならばオケピットになる位置までせり出して円形のバスケットコートのようなライン引かれた床です。

どこか体育館のようなスポーティな感じでもあり、観客席に向かって踊る時もあれば、中央の円に向かって踊る時もあり、これは絶対上の席から俯瞰して見た方が、フォーメーションが分かって面白いでしょう。

中央に画かれた円形のラインは、時にはこの空間をつかさどる魔法陣のようにも見えます。

ベジャールは各楽章を、土火水風としているそうで、衣装(ユニタードのようなシンプルなもの)は茶色、赤、白、黄色でした。

それぞれの楽章で核となるソリストの踊りがあり、ソリストを丸く囲んでコールドが踊る、いわば拡大版ボレロのようなシーンが多かったです。

第九と言えば、熊川哲也さんがKバレエの為に作った「ベートーベン第九」という作品があり、私はかなり好きなんですが、そちらは、火山、海、生命の誕生、人間達の祭、というテーマをそれぞれの楽章に当てはめています。

そのKバレエの第九を見る時に、いつも眠くなってしまう第3楽章。
少しゆっくりしたテンポで大変美しい音楽ですが、ベジャール版ではここで大ベテランのエリザベット・ロスとジュリアン・ファブロー投入。

2人のアダージョにもやや眠気を覚えてきた所、指揮者のメータさんが、体の向きをかなり観客側に変えて、下の舞台で踊る二人を見ながら指揮を始めたのです!

これにはしびれました。
メータさん、なんて穏やかで優しい顔つきなんだろうと。

こんな指揮者と舞台を作れるダンサーは何て幸福なのだろうかと。

メータさんのおかげで乗り切った第3楽章のあとはお待ちかね歓喜の第4楽章。ソリスト陣の歌声は第一級でしたし、ここでやっと登場した黒豹のようなオスカー・シャコン、女黒豹マーシャ・ロドリゲスも素晴らしく、アフリカンダンサーたちも祝祭の輪に加わり(全然踊ってなかったみたいだけど、列になって歩くところに出てきました)
フィナーレを迎えます。

東バのソリストもなかなか良かったですが、やはりベジャールのダンサーたちは身体のキレがよくて、大貫真幹さん、オスカー、マーシャ、2幕のキャサリンティエルヘルムも素敵でした。

2幕には冲香菜子さんも出てきて、とても楽しそうにノビノビと踊っていたのが印象に残っています。



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2014年11月09日

新国立劇場バレエ「眠れる森の美女」米沢&ムンタギロフ

2014年11月9日(土)2PM オペラパレス
オーロラ 米沢唯
デジレ王子 ワディム・ムンタギロフ
カラボス 本島美和

大原芸監でのシーズンオープニング公演。
どんなゴージャスな眠りを見せてくれるか期待していました。

舞台装置は豪華で、宮殿のセットが袖幕の数でいくつも重なり、1幕は重厚な彫刻、3幕はルイ王朝風の絵画が描かれていて、こんなに立派な眠りのセットは、今まで見たことがないという程。
衣装もお金がかかってそうでしたが、童話のイメージなのか、色合いがなんとも言い難い…
宮殿の男性たちが、ブルーの服に真赤なタイツと靴を履いていたり、女性はワインカラーのロングドレスでエプロン付けてるから、この人たちはみんな召使なの??…とか。

一番残念だったのは、妖精たちの衣装が同じだったこと。
オーソドックスに、パッと見て見分けがつくような色違いのチュチュにして、リラのお付きの妖精たちはリラ色の衣装にして欲しかった。

どうせ新国立劇場のプロダクションでは
大胆なストーリーの読み替えや演出など望めないのだから、装置や衣装にこだわるのは致し方ないにしても、妖精とリラの精たちは、基本を抑えてくれてもいいのに。
バレエを習ってる子達のためにもね。


衣装で良かったのはカラボスですね。
カラボスは蜘蛛の化身なのか、大グモの乗り物も、ハリーポッターみたいでしたが面白かったです。消える時に歌舞伎で使う糸を吐くのも、いいアイデアでした。
でもこれって、山岸涼子「テレプシコーラ」に出てましたね、まさかパクリ?

衣装も良かったけれど、本島さんのカラボスは、美しいし狂気じみた怒りの表情もきまっていて、カラボスと呼ぶより、マレフィセントと呼んであげたい。まさに適役。この舞台で受けた感銘の30%くらいを占めてます。

2幕に森の精たちの素敵なコールドバレエがあるのだけど、衣装が強烈な緑色で、カラボスの衣装も緑だから、この人達はもしかしてカラボスの手下なのだろうか?
むしろその方が面白かったりして。

オーロラの衣装はシンプルすぎませんか?1幕はやはりピンクの方がいいし、3幕は結婚式だから、もっとゴージャスにしてくれないと!!

なぜか2幕の幻想のオーロラが、ブルーのお花などがいっぱいついていて、一番かわいい衣装でした。


100年の眠りから覚めて王子と踊る「目覚めのパドドゥ」では、まるでジュリエットな衣装でしたが、ここで二人がパドドゥを踊ることで、幻想の中でしか会っていなかった二人に、自然に愛の感情が生まれるという、ストーリーの流れができました。ラストに二人のキスで幕が降りるのもロマンチック。

3幕は宝石、猫、赤ずきんと狼、青い鳥、親指トムが出てきました。親指トムというのが珍しいけど、小柄な技巧系ダンサーの為に作った役らしく、八幡さんが、素晴らしいテクニックを披露して、まさにショーストッパー。


宝石の女性3人はキビキビとして良かったのですが、堀口さんがすべって転び、その後ポワントの具合がおかしくなったみたいに見えて心配しました。


青い鳥は小野&管野でさすがプリンシパルの安定感はありましたが、初々しさとか可愛らしさはなかったです。可愛らしさど言えば、以前テレビドラマで石原さとみがバレリーナに扮して青い鳥を踊った時、踊りはともかく雰囲気とか表情がとても可愛らしくて、まさに理想的なフロリナだったので感心しました。

それはそうと、小野さんはもともと小柄で可愛らしい系のプリマだったのに、いつの間にか大人っぽいプリマに変貌してきていますね。もうフロリナが似合わないくらいに。

主役の二人について話しましょう。
ワディムは今や飛ぶ鳥を落とす勢いのライジングスター。
長身でスタイルが良くサポート上手で、実は凄い荒技も繰り出すテクニックと運動能力の持ち主。
通常の540(ファイブフォーティ)にプラスαで、もう半回転ぐらいやっちゃったりします。

そのような荒ぶる技は今回は封印して、端正な王子を70%ぐらいの力で リラックスして演じてた感じです。

ザンレールはきれいに5番にはいるし、ピルエットも10回ぐらいまわっちゃうし、言うことありません。眠りじゃなければ、あの荒技も見たかった。

米沢唯さんは、1幕、2幕、初々しくて清潔感にあふれるオーロラを演じ、ピルエット3回転をピタリと音のなかに入れて、凄いことをやってるのに、あまりにサラリとしてるので、驚きを通り越して、それが普通みたいに思えてしまいます。

でも唯さんの個性なのか、まるで白いハンカチみたいな感じで、あっさりしすぎて物足りないのです。特に3幕。

幸せにあふれた、こぼれるような女性らしい美しさ、満ち足りた雰囲気。
花のかぐわしい香りで舞台をおおうようなオーラが欲しい。

ワディムさんと唯さんとのケミストリーが感じられなかった。
バドドゥの最後のコーダで、ふわっとして重力のないようなリフト、唯さんのフェッテの入った連続技のあたりは、お二人の熱が入っていて、観ているこちらも盛り上がりましたが、ああいう所をもっと早くから出していれば良かったのにね。
唯さんは初役だし、初めて組む相手だったという事もあったのかもしれません。
唯さんは、あれだけのテクニックの持ち主なのだから、これからはプリマとして[美しく存在する]ことも是非勉強して欲しい。と言っても、これは勉強することじゃないけれど。

やはりプリマは美の象徴だから、舞台が終わったら、ジーンズ姿で普通に横にいるような女の子じゃなくて、赤いドレスを着た手の届かないような存在であって欲しい…
これはあくまでも比喩ですけどね、昔のプリマは、マーゴット・フォンティーンやアリシア・アロンソなど皆オーラがあって女優のように美しかった。

今の時代でもタマラ・ロホやアニエス・ルテステュなど見て下さい。



posted by haru at 20:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月05日

NBAバレエ「ドラキュラ」

2014年10月25日(土)18時30分 ゆうぽうと

演出・振付 マイケル・ピンク
音楽 フィリップ・フィーニー
美術 レズ・ブラザーストーン

ドラキュラ 大貫勇輔
ジョナサン・ハーカー 久保紘一
ルーシー 田澤祥子
ミナ・ハーカー 峰岸千晶

久保紘一さんが芸術監督に就任してから、NBAは変化をとげつつあります。
今回のドラキュラ日本初演も、大変野心的な試みですばらしいと思います。
全幕バレエではありますが、クラシックバレエというよりも、演劇に近いような作品です。

第1幕はジョナサン・ハーカーがトランシルヴァニアでドラキュラ伯爵にとらわれて、
命からがら帰ってきたもの悪夢になやませられる、というような話で、
セットは暗く、音楽も不安をかきたてるようなパーカッションを多用していますが、
話がよくわかりませんでした。
なぜ2回も結婚式をやるのか、とか、あとでロビーのあらすじを読まなくてはならなかったです。
HPに書いてあるものと、ロビーのものは内容が違いました。
ドラキュラと芸監である久保さんの男性二人のパ・ド・ドゥは、鬼気迫る感じで印象的でした。
そのあと三人の女ドラキュラがハーカーのベッドの下から出てくるところで、はじめてドラキュラっぽさを感じました。
ルーマニアの民族舞踊的なものは、長すぎて退屈しました。

階段を中央に置いた高低差のあるセットに、背景の海の青さが美しいのが第2幕です。
第2幕は1幕とは違って明るく、ルーシーを中心に、クラシックバレエのテクニックを使ったダンスが続き、ルーシーの田澤さんは、難易度の高い振り付けを踊りこなして上手でした。

第3幕は、また暗い感じのセットになります。上手側の高い所に精神を病んだ男がいて、
その高さからドラキュラがあらわれて、セットにぶらさがりながらゆっくり下まで降りてくる、
そのゆっくりさ加減がなんとも不気味でした。

この公演の成功は、ひとつは大貫勇輔という、ものすごいダンサーをドラキュラに据えたことにあります。
まだ26才、本格的にバレエのレッスンを始めてからまだそんなに経っていないそうですが、
180センチ以上ある恵まれた体躯に加えて、世界的に見ても高い身体能力、表現者としての自覚とその目指しているレベルの高さ、観客をとりこにする身にまとったオーラとカリスマ性。
(カリスマ性は、このドラキュラという役には絶対に必要です)

ドラキュラをこれだけ完璧にやれるのは彼以外にいないんじゃないか、そんな風に感じました。
残念ながら、クラシックバレエダンサーとしての彼の能力を発揮する機会が少なめで、
もっとソロを踊ってみせてほしかったです。
彼ならば、小さい時から訓練を受けていれば、ルグリにもなれた…そんな気がします。
すごい素質と才能の持ち主です。
峰岸さんとのパ・ド・ドゥでのリフトも上手でしたし。
まだ若いですから、これからどっちの方向へいくのか興味深いです。
ホリプロに入ったそうですから、古典パレエには行かないでしょうね。

大貫さんのずば抜けた素晴らしさに比べて、NBAのメンバーは頑張ってはいましたが、
まだまだレベルアップができると思います。
この作品は面白いし、再演を重ねてNBAの財産にして欲しいと思います。

ぴかぴか(新しい)



posted by haru at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月12日

Kバレエ「カルメン」神戸&福田

2014年10月11日17時オーチャードホール

カルメン 神戸里奈
ドン・ホセ 福田昴平
エスカミーリョ 杉野慧
スニガ スチュアート・キャシディ
ミカエラ 荒蒔礼子

熊川さんが、古典バレエの読み換えではなく、新しく創作したカルメン。
熊川さんが「古典バレエとして昔から存在しているような、それぐらいの風格を持ったものに仕上がったと自負している」とインタビューで語っているように、筋立てはオーソドックスにオペラと同じでありながら、誰でも一度は耳にしたことのある数々の名曲を生かして、わかりやすく、ダンス満載の面白いバレエ全幕作品となっています。

こんなに「カルメン」って良い曲がいっぱいあったのね、と再認識しました。
オーケストラだけの前奏や、間奏だったり、カルメンの登場シーンだったり、ドン・ホセの内面の葛藤だったりと効果的に使われていました。

第1幕の幕明けから、男性陣の群舞が迫力があります。振付自体はどこかで見たようなもの(海賊かな)でしたが、若いダンサーたちがみな生き生きとしていて躍動感がありました。
ライジング・スターの福田さんは、熊川さんの難易度高い振付をかなりなレベルでこなしていたと思います。
神戸さんは、いつの間にこれだけ成熟した女性としての雰囲気を身につけていたのかと思うほど、魅力的で、小柄だけれども、あでやかさもありました。踊りのキレもあり、カルメンを楽しんで演じているのが伝わってきました。

少々ネタバレになりますが、1幕で、逮捕されたカルメンの手を縛った長い紐を、ドンホセが持って、二人で踊るパ・ド・ドゥは秀逸でした。こういう小物を使うパ・ド・ドゥは、ラ・バヤデールのヴェールの踊りとか、ラ・フィユマルガルデのあやとりの踊りとかありますが、古典作品の王道とも言えますね。
それを取り入れているところに、熊川さんの古典バレエへのリスペクトとアイディアを感じます。

そして大受けしたのが、エスカミーリョ!!
杉野さんは、若いのにあそこまで、けれん味たっぷりにエスカミーリョを演じ、踊れるなんて凄いです!
彼のアクターとしての熱い魂を、みんな見習って欲しいわ〜

せっかくあれだけの伊達なエスカミーリョなのだから、2幕2場での登場シーンでは、お付きの闘牛士は贅沢に8人ぐらい欲しかったですね。曲の派手さに比べて舞台の質量が足りない感じでした。

これは作品として大変面白く作られていると思うので、熊川御大の出演する日でなくとも楽しめるでしょう。
今日は、会場に空席が目立ちましたが、素晴らしい公演だったので、もっとたくさんの人に見てもらいたかったと感じました。









posted by haru at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする