2014年10月12日

Kバレエ「カルメン」神戸&福田

2014年10月11日17時オーチャードホール

カルメン 神戸里奈
ドン・ホセ 福田昴平
エスカミーリョ 杉野慧
スニガ スチュアート・キャシディ
ミカエラ 荒蒔礼子

熊川さんが、古典バレエの読み換えではなく、新しく創作したカルメン。
熊川さんが「古典バレエとして昔から存在しているような、それぐらいの風格を持ったものに仕上がったと自負している」とインタビューで語っているように、筋立てはオーソドックスにオペラと同じでありながら、誰でも一度は耳にしたことのある数々の名曲を生かして、わかりやすく、ダンス満載の面白いバレエ全幕作品となっています。

こんなに「カルメン」って良い曲がいっぱいあったのね、と再認識しました。
オーケストラだけの前奏や、間奏だったり、カルメンの登場シーンだったり、ドン・ホセの内面の葛藤だったりと効果的に使われていました。

第1幕の幕明けから、男性陣の群舞が迫力があります。振付自体はどこかで見たようなもの(海賊かな)でしたが、若いダンサーたちがみな生き生きとしていて躍動感がありました。
ライジング・スターの福田さんは、熊川さんの難易度高い振付をかなりなレベルでこなしていたと思います。
神戸さんは、いつの間にこれだけ成熟した女性としての雰囲気を身につけていたのかと思うほど、魅力的で、小柄だけれども、あでやかさもありました。踊りのキレもあり、カルメンを楽しんで演じているのが伝わってきました。

少々ネタバレになりますが、1幕で、逮捕されたカルメンの手を縛った長い紐を、ドンホセが持って、二人で踊るパ・ド・ドゥは秀逸でした。こういう小物を使うパ・ド・ドゥは、ラ・バヤデールのヴェールの踊りとか、ラ・フィユマルガルデのあやとりの踊りとかありますが、古典作品の王道とも言えますね。
それを取り入れているところに、熊川さんの古典バレエへのリスペクトとアイディアを感じます。

そして大受けしたのが、エスカミーリョ!!
杉野さんは、若いのにあそこまで、けれん味たっぷりにエスカミーリョを演じ、踊れるなんて凄いです!
彼のアクターとしての熱い魂を、みんな見習って欲しいわ〜

せっかくあれだけの伊達なエスカミーリョなのだから、2幕2場での登場シーンでは、お付きの闘牛士は贅沢に8人ぐらい欲しかったですね。曲の派手さに比べて舞台の質量が足りない感じでした。

これは作品として大変面白く作られていると思うので、熊川御大の出演する日でなくとも楽しめるでしょう。
今日は、会場に空席が目立ちましたが、素晴らしい公演だったので、もっとたくさんの人に見てもらいたかったと感じました。









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2014年10月11日

新国立劇場バレエ研修所 第10期生・第11期生発表公演

2014年10月5日(日)2時 新国立劇場中劇場

「ワルツ」牧阿佐美振付

「ジゼル」よりぺザントのパ・ド・ドゥ
清水理那 長谷怜旺

「ハレルキナーダ」よりパ・ド・ドゥ
森田理紗 山本達史

「白鳥の湖」より黒鳥のパ・ド・ドゥ
木村優里 中家正博

新国立劇場バレエ研修所の様子ビデオ紹介

「パキータ」よりグラン・パ・クラシック
パキータ 土方萌花 リュシアン 芳賀望
パ・ド・トロワ 阿部裕恵 廣田奈々 渡邊拓朗
第1ヴァリエーション 中島春菜
第2ヴァリエーション 木村優里
第3ヴァリエーション 羽石彩野
第4ヴァリエーション 清水理那

牧先生の設立したバレエ研修所もはや14年目だそうです。
その中には現在の新国立のトッププリマである小野絢子さんが出世の筆頭として、プリンシパルの本島さん、八幡さん、ファースト・ソリストに寺田さん、ソリストに細田さん、堀口さん、ファースト・アーティストに井倉さん、林田さん、宝満さん、アーティストは30人中14人が研修所の修了生です。
1期から9期までまんべんなくいるようなのに、8期の修了生だけは現在一人も在籍していないのが異常に感じられます。
この期は牧先生の肝入りで発足した(と思われる)予科生制度第1期生からの持ち上がりがほとんど(一人を除いて)です。
将来新国立劇場に入団させるという暗黙の了解があって、海外留学に流れがちな金の卵たちを囲い込んだと私は見ておりましたが、物事はそう思い通りには運ばなかったようです。
牧先生と、新しく芸監に就任した大原先生との関係はどうなのか、色々勘ぐりたくなります。

まあ、パリオペラ座バレエ学校を卒業したダンサーたちも、オペラ座に入団できるのは一握りではありますが、そもそもオペラ座の団員はほとんどがバレエ学校の卒業生なのですから、新国立劇場とは事情が違います。

そんなこんなで、厳しい倍率をくぐりぬけてバレエ研修所に入ったからとて、将来的に新国立劇場に入れるとは限らなくなったこの現状での発表公演、牧先生は開き直ったかのように、クラシック一本で揃えました。
研修所の様子のビデオを見ると、色々な講師からクラシック以外にも、コンテ、スパニッシュ、キャラクター、宮廷ダンスなど様々なジャンルの授業を受けている様子なので、卒業公演では、もう少し違うジャンルのものも披露されると思います。

実は今回、電車の遅延で、ハレルキナーダ以降しか観られなかったので、ちゃんとした感想は書けないので、印象に残ったものだけ簡単に書かせて頂きます。

ハレルキナーダは、たいへんかわいらしい作品に仕上がっていました。特に山本さんのテクニック、高いジャンプや軸のしっかりしたピルエットなど、そして軽やかな踊りと演技が素晴らしかったです。
森田さんも女性らしく、かわいらしい踊りで好感が持てました。

黒鳥を踊った木村優里さんは、たいしたものでした!
手足が長く細くて頭も小さい抜群のスタイルですが、踊りもしっかりしていているし、フェッテはシングル、シングル、トリプルの連続技が見事に決まっていました。ヴァリエーションは踊りなれているようで、堂々としていて、今すぐにでも本公演に立てそうなほどでした。
欲を言えば、もう少し派手にやってもよかったと思います。

パキータも楽しかったです。
若い研修生たちの頑張っているのが伝わってくるのが良かったです。
最後に新しく入所した11期生の挨拶がありました。
卒業する修了生の挨拶はいつも修了公演でやりますが、入所する研修生の挨拶は、あまり聞いたことがなかったので新鮮でした。







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2014年08月17日

イルミナートバレエ「白鳥の湖」

2014年8月17日(日)2PM パルテノン多摩大ホール
演出・指揮 西本智美
オデット 中村美佳
ジークフリード王子 法村圭緒
オディール 寺島ひろみ
王子の友人 吉田旭

新国立劇場時代にずっと応援していた寺島ひろみさんが、出産後、初めて出演する舞台を観に行ってきました。
指揮者の西本さんとは、ワガノワ留学時代に同じ寮に住んでいたご縁だそうです。
今回の公演は、ワガノワに留学していたダンサーや、西本さんの幼馴染のダンサーなどが多数出演しているそうです。
西本さんの演出では、オデットとオディールは別人です。
誰しも心の中にある2面性を表現しているそうです。

観客はふだんバレエを見ている人よりも、西本ファンや関係者が多いように見受けられました。
西本さんの指揮は、ご自身のブログでおっしゃっているように、ダンサーの妙技に拍手する暇もないほど、曲間が短く、テンポが速めでサクサクと進行します。
バレエの舞台の場合は、ダンサーが踊りやすいように、テンポを揺らして遅くしたりすることがよくありますが、西本さんの場合は、そういうことはせずに、音楽の完成度の方を重要視しているように感じました。
曲のテンポが速すぎて踊りきれない部分は振付の方を変えて調整していたようでした。
逆に、王子のソロなど、遅すぎて踊りにくそうな所もありました。
西本さんはバレエを習っていたこともあるそうですし、おそらく音楽を重視しながらも、ぎりぎりダンサーが踊れるような絶妙のテンポだったのではないかと思います。
こういうアプローチのバレエ公演は、初めてのような気がします。
音楽は伴奏ではなく、音楽もバレエも共に同じレベルで主役、という意味で、西本さんの目指している所は共感できました。

この公演には男性ダンサーが4人しか出てきません。
王子、友人、道化、ロットバルトです。
夏休みは男性ダンサーの稼ぎ時。
あちこちの発表会にひっぱりだこだから、大勢揃えるのが難しいのかもしれません。
それで演出で、たとえば3幕の舞踏会の部分では、ディベルティスマンをその都度、王子や道化、王妃なども入れて踊るような工夫をして、男性が少ないのをカバーするようにしていました。
日本のバレエ団は常に男性不足ですから、こういうのは上手ですね。
王子役の法村圭緒さんは、踊りもサポートもそつなくこなすノーブルタイプのダンサーですが、演技がわりとあっさりめで少し物足りない感じでした。もっとオデットへの愛が伝わってくるとよかった。
友人役の吉田旭さんは、ジャンプが高くて着地音もしないし、イケメンだし、なかなかいいダンサーでした。
道化役の末原雅広さんはジャンプやピルエットのキレがよく、テクニックがあってとても上手でしたが、道化としては、もっともっと愛嬌とか、可愛らしさがある方が私の好みかな。
ロットバルトのビクトルさんはガタイが良くて男らしくてカッコ良かったです。オディールとのパ・ド・ドゥも、頭上リフトの安定感があって、オディールがきれいに見えました。

ダンサーたちは、関西の方が多いようでしたが、コールドの皆さんは、にこやかに踊っていて良かったです。
4羽の白鳥は最近見た中でもダントツに揃っていました。
オデットの中村美佳さんは、昔新国立劇場で主役を踊っていたダンサーだそうですが、悲嘆の中で感情を抑えつけてしまったオデットなのか、登場の時に地味に感じました。
踊りはとてもしっかりと踊っていましたが、尼僧のようなかたくなさと控えめさとでもいうのでしょうか。
ダンサーによって色々なオデットがあって、ザハロワのあでやかなオデット、マリーアニエスジローの女王のようなオデット、ロパートキナのクールビューティなオデット……ですから、そういうオデットもありだと思いました。

肝心のオディールですが…ゴージャスでした
スタイルも現役時代と遜色なく、脚のラインも美しく、華やかで衣装と同じくキッラキラでした。

今回の誘惑者・オディールの役はぴったりで、別格な印象を観客に与えたようです。
3幕の後にカーテンコールがあって、各国の踊りのソリストなどが出てきました。
ひろみさんは智美さんに投げキッスを送って、大受けでした。

先日の松岡梨絵さんの記事にも書いたのですが、日本では子どもを産んで第一線で活躍するプリマがいません。
この公演も、音楽は一流かもしれませんが、男性ダンサー4人しかいないし、舞台美術は新国立劇場などには及びません。
せっかく長い時間をかけて技術と表現力を磨いていたダンサーが、人生経験を積んでさらに魅力的に踊れる時期だというのに、この状況は残念でなりません。
円熟期を迎えた素晴らしいプリマが、第一級の舞台美術と衣装、音楽の備わった舞台で踊るのを観たい!!
(もちろん相応しい相手役と、脇役、その他コールドも一流で)
というのはファンとしての正直な気持ちです。

ゲストプリンシパルとか、年に数回だけ舞台に出る契約とか、ママさんにとって負担の少ないやり方で劇場、バレエ団と契約はできないのでしょうか。

ママさんプリマの側にとっても、子供を預けるところとか、家事とか、周囲の理解とか、色々とハードルがあるでしょうが、少しずつでもいいから、この状況が変わっていくようにと願っています。
ぴかぴか(新しい)


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2014年08月12日

めぐろバレエまつり「ロミオとジュリエット上映会」

パーシモンホールの小ホールで行われたノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の映像上映会に行ってきました。
この映像は初日の録画で、私が観た舞台は2月8日でしたが、キャストは同じだと思います。
アンコールでノイマイヤーさんも出てきていました。
ジュリエットは沖香菜子さん、ロミオは柄本弾さん。


あらためて、東京バレエ団のロミジュリは素晴らしい!!と感動しました。

主役の二人はもちろんのこと、コールドのすみずみまで、若さがみなぎっていて、大勢のダンサーにもそれぞれ、見せどころがあって、物語のスピーディな展開もいいし、コンテンポラリーといっても、とがり過ぎな振付ではないし。

この2、3年で団員の顔ぶれがかなり変わった、新生東京バレエ団にふさわしい演目だと思います。
ロミオの弾さんは、日本人のダンサーにしては珍しい、たくましい体躯で、頭が多少大きいのですが、王子ではなくこういう役柄なら気にならないですし、男性らしくて、相手の女性ダンサーが可憐に見えるという長所にもなります。
恋の喜びにゴムまりのようにはしゃぐ若者ロミオで、ほほえましくなるぐらいかわいい。
ザ・カブキの弾さんもいいですけれど、ロミオもすごくいい。当たり役だと思います。

ジュリエットの沖さんは、バスタオルを巻いて裸足で踊るシーンの動きがすごくキレがあってvividで、目を惹きつけられます。パンシェの脚がスパッと180度上がるところが気持ちがいいです。
演技も良かった。今の彼女とは年齢も近いし、自然に演じられる役かもしれません。
身体能力が高くて、すごく動けるのに、雰囲気はホワンとしてるのが個性なのかなと感じました。

主役二人のパ・ド・ドゥでは難しそうなリフトもテンコ盛りですが、リフトはたぶん2回目の方がスムーズに行っていたようですが、この初日の方が感情の表出がすごく伝わってきて、最後泣けました。

若いダンサーが大活躍の中で、マキューシオは大ベテランの木村さん。
さすがの演技と踊りでしたが、若手で揃えることはできなかったのでしょうか。
マキューシオを踊れるような若手のダンサーはまだ育っていないという事なのでしょうか。
そのあたりが課題ですね。

ぴかぴか(新しい)








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2014年08月05日

松岡梨絵さんの「ライモンダ」

発表会のレビューは基本的に書かないことにしているのですが、元Kバレエプリンシパルの松岡梨絵さんが、出産後初の舞台復帰だというので、インターナショナルユースバレエの公演に行ってきました。
2014年7月21日(祝・月)16時 たましんホール
松岡さんが出演されたのは「ライモンダ」3幕
お相手はご主人の橋本直樹さん。
松岡さんのライモンダは、バレエの様式美にぴたりとはまった美しさ。
出産したことなどみじんも感じさせない肉体のライン、ぴたっと決まるポーズ。
女性としての自信がみなぎっているような貫禄すら感じさせました。
なんと素晴らしい…
ゲストプリンシパルとして、年に数回でもいいから、ぜひKバレエに復帰して頂きたい、と思うのは私だけではないはず。

私が応援してきた、大好きだったプリマ達が次々とバレエ団を退団して出産しています。
日本では出産しても第1線で活躍しているプリマ・バレリーナがいません。
ユカリーシャぐらいでしょうか。でも彼女だって舞台を減らしていましたし、今は教えにシフトしています。
ダーシー・バッセルや、ロシアのプリマ達のように、出産しても舞台と子育てを両立できるような環境が日本ではないと思います。

バレエは、持って生まれた身体条件が良くないと一流にはなれないという厳しい世界で、その上に才能や努力や運やら環境やらがあってトップになれます。そうしてトップになれたとしても、活躍できる時期が非常に短い。肉体的に頂点の年齢では表現力が足らず、表現力が増してきた年齢では、肉体の衰えを感じ始めるという矛盾を抱えています。
そして女性にとっては、その肉体と表現力が両方、ちょうどよいころ合いの時が、出産適齢期のぎりぎりラストに近付いている、ということが多いわけです。


ぴかぴか(新しい)

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2014年08月04日

アリーナ・コジョカルドリームプロジェクトAプロ

2014年7月20日(日)3PM ゆうぽうと

「オープニング」
アリ―ナコジョカル
グラズノフのおとぎ話っぽい音楽で星空をバックに、5人のイケメンを従えて踊るお姫様なコジョカル。
さあ、プリンシパル達がっ!と思ったらちょっと違っていて、イケメン達はルーマニア国立バレエ団の芸術監督になったコボーさんが連れてきたダンサー達でした。

「眠れる森の美女」
ローレン・カスバートソン&ワディム・ムンタギロフ
カスバートソンって、この間の冬物語の王妃がすごく良かったので、オーロラには違和感がありました。
おっとりしていて上品だけど、ういういしさや愛らしさが足りないようで。
ムンタギロフはしばらく見ない間に出世して、少年からおっさんぽくなったような(ほうれい線が目出つ)

「HETのための2つの小品」
ユルギータ・ドロニナ、イサック・エルナンデス
出だしはビートのきいた音楽でカッコよかったけれども、後半の静かなパートが長すぎて眠くなりました。
ドロニナは小柄だけれども身体能力高くて美人な魅力的ダンサーです。

「エスメラルダ」
日高世菜、ダヴィッド・チェンツェミエック
日高さん、デカイ!
ダイナミックな個性がありますね。
ヴァリエーションは踊りこなしていて素晴らしかったです。

「ラプソディー」より
吉田都、スティーヴン・マックレー
マックレーはなんて踊りがうまいのでしょう。うますぎる!
アシュトンの細かい振付での方向転換や回転を音楽にぴたりぴたりと合わせて。
もちろん都さんのかろやかさは言うまでもなく。
みんなが一番楽しみにしていたであろう期待を裏切らないスペシャルな出来でした。

「5つのタンゴ」よりソロ
イサック・エルナンデス
ピアソラの音楽に乗って、カッコ良く決めた!!

「リリオム」より ベンチのパ・ド・ドゥ
アリーナ・コジョカル、カーステン・ユング
リリオムはコジョカルとユングにノイマイヤーが振りつけたそうで、どういう場面なのかお話がわからなくてもドラマを感じさせるものがありました。
コジョカル、顔はかわいくても身体能力はギエム並だから、空間を切り裂くその動きにどきっとするんですよね。

「白鳥の湖」 第2幕より
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー
東京バレエ団
今のコジョカルは、白鳥を踊りたいとは思っていなさそうだけど、マラーホフガラがなくなって、東京バレエ団の抱き合わせ演目が必要だったのかしら。東バの白鳥はフォーメーションがうるさいんですよね。
でも4羽は揃っていて良かったです。
コジョカルは腕の筋肉がムッキムキなので、見た目の造形美があまり白鳥らしくないような。

「海賊」 ディヴェルティスマン
アリーナ・コジョカル、ユルギータ・ドロニナ、日高世菜、ローレン・カスバートソン
ヨハン・コボー、スティーヴン・マックレー、ダヴィッド・チェンツェミエック、
ワディム・ムンタギロフ、イサック・エルナンデス

これは楽しいるんるん
男性のピルエット合戦、勝ったのはマックレー。
女性のフェッテ合戦も見ごたえあり。
みんなの見せ場を上手に作っていました。
最後は観客みんな手拍子。ノリノリでした!
ワディムが540プラス180度で720??みたいな凄い技をやってました。
おっさんぽくなったかと思ったけど、やっぱり若者だったのね。

ぴかぴか(新しい)

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2014年06月15日

2014 ロミオとジュリエット 宮尾&荒井

2014年6月13日(金)14時 オーチャードホール
ロミオ 宮尾俊太郎
ジュリエット 荒井祐子
ティボルト 杉野慧
マキューシオ 福田昴平
ベンヴォーリオ 栗山廉
ロザライン 浅野真由香
パリス ニコライ・ヴィユウジャーニン
キャピレット郷 スチュアート・キャシディ
キャピュレット夫人 酒井麻子
乳母 西成雅衣

チャコットのスペシャルおまけ付きチケットを購入した為、クラスレッスンの見学ができました。
舞台の上に4列ぐらいにバーが設置され、ダンサー達が思い思いにストレッチなどしています。
前の位置にはプリンシパルの荒井さん、浅川さん、遅沢さん、神戸さん、宮尾さん、など、やはり位順に並んでいるようでした。
荒井さんのバーはまるでお手本。
センターレッスンでは、最後の方になるにつれて、ジュッテ、ジュッテのきついものになるのですが、そうなると、若手がガンガン跳びまくって、いいですね〜若いって。
女性が終わったあとに、男性だけ、ドンキのヴァリエーションの一部をやっていました。
クラスレッスンを見ると、うまいへたが如実に解ってしまいますね。

そしてレッスン見学の3時間後、本番舞台です。
今回は熊川御大は出演されませんが、バレエ王子宮尾さんをはじめとして、若手の有望株福田さん、杉野さん、写真でみたところ爽やかイケメンの栗山さんと、ビジュアル重視(笑)のキャスティングです。

第1幕
何だか舞台に引き込まれるような熱気を感じず、眠くなってきました。
ヴェローナの広場の場面は、賑やかで猥雑で、とても楽しいはずなのですが、なにがいけないのでしょう。
まず、三バカトリオがしっくりいってません。
栗山さんは長身で、フィギュアの羽生選手のような少年体型なので、中学生みたいに見えます。
宮尾さんは、あいかわらずゆるい踊りです。見た目はいいのですけれど…仮面をつけて立っている舞踏会のシーンは、素敵でした。仮面、ずっと付けていた方が良かったりして。
福田さんは、まあ頑張っていますが、空間支配力が足りない。
荒井さんは素晴らしかったです。まんま、14才のジュリエットとして役になりきっていました。

第2幕
休憩中に御大に喝でも入れられたのか、だいぶ良くなりました。
みなさん、スロースターターなんですかね。
思うに、この舞台で、役になりきって人生を生きている、という集中力のあるダンサーがいないと、熱気というか、伝わってくるものがなくなります。この舞台で言えば、荒井ジュリエットは役を生きています。
杉野さんのティボルトも、熱気を発散していて素晴らしいです。
脇を固めるキャシディなど、出番は少ないですが、ドラマに重みを与えてくれます。
それぞれの役が、それぞれの人生を生きてくれないと、舞台が奥行きのない、平坦な物になってしまいます。

そりゃあ、栗山廉さんは、身長185ぐらいで、すらっとしていてフェイスもいいし、うまく進化していけば、とびきりの王子様になれるかもしれません。
でも、観客は、練習台ではないのだし、それなりのプロとしてのパフォーマンスを期待して見に来ているのです。
思えば、初演の時は、熊川さんが出ない日でも、SHOKOジュリエットに遅沢ロミオ、清水健太ティボルトに浅川ロザラインと、脇も一流で、それは見ごたえがありました。

今のKバレエは、熱気とオーラでもって、舞台を引っ張っていくダンサーがいないと、ドツボに堕ちてしまうあぶない局面にあると思います。
そういうダンサーとは、やはり御大熊川さんとなってしまうと、うーん、やはりカルメンも熊川さんの出る日を見た方がいいのだろうか…という結論になってしまいそうです。




ぴかぴか(新しい)






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2014年04月30日

英国ロイヤルバレエ「冬物語」ライブビューイング

2014年4月29日(火祝)19:15 海老名イオンシネマ
冬物語
振付 クリストファー・ウィールドン
音楽 ジョビー・タルボット

レオンティーズ エドワード・ワトソン
ハーマイオニー ローレン・カスバートソン
パーディタ サラ・ラム
フロリゼル スティーブン・マックレー
ポーライナ ゼナイダ・ヤノウスキー
ポリクシニーズ フェデリコ・ボネッリ

シェイクスピアの原作を、あのアリスのスタッフがバレエ化!
ケヴィン・オヘア監督の初の物語全幕バレエということで、幕間にインタビューもありました。

第1幕はシシリア王のレオンティーズが、幼馴染の親友ポリクシニーズが妻と不倫をしているのではないかという、猛烈な嫉妬心と猜疑心に突然襲われて、その結果、友も妻も子供もすべて失うという話。

身重の妻が、自分と親友の手をとって、大きなお腹に触らせた瞬間から始まる、狂気のような夫の嫉妬心。
ワトソンが鬼気迫る演技で踊りました。
幕間のインタビューで、振付したウィールドンが、「ワトソンは特殊な筋肉を持っている」と語っていましたが、嫉妬地獄に堕ちるその瞬間、ワトソンの手指がまるでタランチュラのように不気味に動きだし、せむしのように首が引っ込み、膝が曲がった妙なつま先立ちで歩き回り…
ワトソンは、カフカ原作の「変身」を踊って評判になりましたが、その経験がこのシーンで生かされているようで、おそらく振付も彼のアイデアがかなりの部分使われていると感じました。

親友と妻が彫刻を見ながら楽しく話しているだけなのに、それを盗み見しているレオンティーズには二人が不倫している幻覚が見えるというシーンは、照明が暗くなると、一転して二人が絡み合い(レオンティーズの妄想)、明るくなると普通に語らっていて、影でのぞいているレオンティーズがその度に真っ黒な嫉妬心にさいなまされて苦しむ、狂気とただならぬ緊迫感をもった秀逸な場面でした。

その後の身重の妻へのDVシーンは見ているこちらが辛くなります。長いですし。

第2幕は生命の樹のような大きな樹木のセットを中心に、羊飼いたちの生命力と若いパワーあふれる群舞が次々と踊られます。
ここではロイヤルのダンサー達の踊りを堪能できます。
美しいサラ・ラムと、信じられないようなマネージュを見せてくれるスティーブン・マックレーのパ・ド・ドゥもふんだんにあります。
「眠り」では、少し固さがみられたサラ・ラムですが、がちがちのクラシックではない、このぐらいの作品ではとても生き生きとして美しく、マックレーのサポート付きピルエットでは10回転ぐらい軽々と回っています。
この作品では、男性の衣装がほとんどスカート付きで、それが跳躍や回転の時に大きくひるがえって華やかな効果をもたらしているのですが、この幕の群舞では、ただひとりマックレーはスカート履いていませんでした。
彼の場合はスカートの効果なくても踊りがゴージャスですからね。スカートはむしろ邪魔なんで、これは正解です。
2幕はなかなか楽しかったです。

第3幕は、舞台上でミュージシャンたちが、笛やめずらしい楽器を演奏しています。
アコスタ版のドンキでも、舞台上でミュージシャンが演奏していましたが、最近の流行でしょうか。
レオンティーズが悔い改め、ハーマイオニーが自分の娘だとわかり、若い二人が結ばれて、結婚式のお祝いになります。
そこで終わるのかと思ったら、亡くなった妻と息子の彫像を見にレオンティーズが連れて行かれ、そこで彫刻だと思った妻が動き出す(実は妻は生きていた)という短いシーンがあります。
せっかく結婚式の祝祭感があったのに、最後がこの静かなシーンになったので、盛り上がりに欠けると感じました。
シェークスピアの原作通りにしたかったのかもしれませんが、ここは結婚式の場に彫刻を持ってきて、そこで妻が現れて、娘とも再会して、ハッピーエンディング黒ハートの楽しい気分で終わらせて欲しかったのに、なんだかなぁ



ぴかぴか(新しい)









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2014年04月27日

新国立劇場「カルミナ・ブラーナ/ファスター」

2014年4月27日(日)2時 オペラパレス

ファスター
闘うFIGHTERS 小野絢子 福岡雄大
投げるTHROWERS 福田圭吾 米沢唯 寺田亜沙子
跳ぶAERIALS 本島美和 菅野英雄 奥村康祐
マラソン 五月女遥 ほか全員

ロンドン・オリンピックの時に作られた作品だそうで、ハイパージャズとでもいうような、早いリズムで押しまくる中、バスケットやフェンシング、陸上、体操、シンクロなどにインスパイアを受けた格好のダンサー達が走る!跳びまくる!!
見ているこちらも心拍数がアップするようなテンションが心地良い。

跳ぶAERIALSのパートで、男性二人にリフトされて、女性が体操の床競技のようなアクロバティックな回転技をスローモーションでおこなうのがとても面白かった。
男性の手のひらだけで支えられて、開脚の姿勢をびくとも崩さない本島さんが実に凛として美しかったです。
同じようにスローモーションでおどられた闘うFIGHTERSのパートは、照明が暗すぎるし、レスリングなのか、よくわからない踊りが繰り返されて退屈でした。

最後のマラソンのパートは、女性はお腹が見える陸上の衣装なので、見事な腹筋が目の保養で、見惚れてしまいました。ランダーのエチュード後半のジュッテの交差シーンのように、走りながらの交差、編成替えが集団行動を思わせて面白い。
スピード感、盛り上がる熱気、そしてマラソンがいつのまにか楽しいダンスのようになっていくシーンの五月女さんの表現が良かったです。

カルミナ・ブラーナ
運命の女神フォルトゥナ 湯川麻美子
神学生1 菅野英雄
神学生2 八幡顕光
神学生3 タイロン・シングルトン
恋する女 さいとう美帆
ローストスワン 長田佳世

カルミナ・ブラーナは合唱付きの音楽にまず酔い知れます。
冒頭の、運命の女神フォルトゥナのシーンは、何度見ても古びないスタイリッシュさがあって、このイメージを作り出した事が作品を成功に導いたと思う。
久しぶりに見たので、だいぶ忘れているところもありましたが、最後に大きな布で舞台を覆って、すべてが無に帰したところで、オープニングのフォルトゥナがまた現れ、同じ踊りがリフレインされ、そして同じ衣装のフォルトゥナがしだいに増殖していくというカタルシスがたまりません!
このカッコ良さは、映画でいうと「マトリックス」で受けたような衝撃と似ています。

フォルトゥナを当たり役にしている湯川さんも、今回は一段と気合が入っていて動きにキレがあり、場を掌握するオーラがありました。
恋する女のさいとう美帆さんがかわいかった。
神学生2の八幡さんは、キレッキレの踊りで凄かったけれど、ダボダボの衣装なので、体のラインが解らなかった点は残念でした。

フォルトゥナと神学生はいいのですが、他の登場人物の設定や衣装のセンスがどうも私にはピンとこないんです。
妊婦と気持ち悪い赤子を背負った母親、時代遅れのヤンキー達はまだ許せるとしても、黒い乳首を描いた
白の全身タイツに男と女の秘部の絵を描いた小さな股エプロンみたいなのしている、裸の象徴的なあのヘンテコ衣装はどうなんでしょう。
イギリス風ユーモアのつもりかもしれないけれど、笑えないんですけれど。


ぴかぴか(新しい)





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2014年03月27日

Kバレエ15周年記念「ラ・バヤデール」浅川&遅沢

2014年3月26日(水)14時 オーチャードホール
ニキヤ 浅川紫織
ソロル 遅沢佑介
ガムザッティ 井上とも美
ハイ・ブラーミン(大僧正)スチュアート・キャシディ
マグダヴェヤ 兼城将
ブロンズ・アイドル 伊坂文月

熊川さんのつくる古典の改訂版は、いつも新鮮なアイデアの演出で驚かされるのですが、今回もいくつか演出についてなるほど、と思った点を上げます。

@第1幕第1場のセットの、迫力ある巨大石像がリアルだ!
A大僧正のお付きの8人の僧が…太ったおっさんだ!!相撲部屋からでも連れてきたのか?
Bソロルは口ひげを生やしている!
C苦行僧は、ナイフで自分を傷つける踊りで、本当に苦行をしている!
D宮殿で家来たちがチェスを指しながらのユーモラスな踊りが、音楽にぴったり合っていて面白い!
E婚約式にソロルが乗ってくる象さんと、お土産に持ってくる虎のでかいこと!
F太鼓の踊りがある!!(壺の踊りはない)
Gニキヤが踊ったお礼に、ソロルが直接花かごを手渡す!! だから、それまで寂しそうに踊っていたのに、急に嬉しそうに踊りだすのね!
H蛇の解毒剤を渡す大僧正は、かわりに俺の物になれと、ニキヤに迫らない。つまり、大僧正が嫌だから死ぬのではなく、生きていてもソロルとは結ばれないと思って死んだのね。
Iアヘンを吸って、ニキヤの幻が見えると、ソロルも幽体離脱してその幻を追う。
J影の王国の後、倒れているソロルのところに来たラジャとガムザと大僧正、ソロルは死んでいる。
Kガムザがソロルに取りすがり嘆いていると、白い大蛇がガムザを襲う。
L神の怒りか、雷鳴がとどろき、寺院が崩壊する。
M人間たちのドロドロした営みを浄化するかのように、金の仏像が舞う。
N浄化された地上は水でおおわれ、ソロルの魂はニキヤの魂を追って坂を登っていく。


とまあ、めいっぱいネタバレしましたが、一番感心したのはラストの金の仏像です。
金の仏像の踊りは、英国ロイヤルバレエ時代、熊川さんが踊って大絶賛を得た、思い入れのある踊り。
でもこの踊りは、ほとんどのヴァージョンでは、物語の進行に関係のないディベルティスマンのように扱われています。
確かに、振付も、音楽も、突出している感じです。
そこで、熊川さんは、この踊りを最後に持ってくることによって、このどろどろした世界を浄化する「神」という、物語のキーポイントの役割を与えたのです。
これは、熊川さんの「ベートーベン第九」の第四楽章の「神」とリンクしているものがあるような気がします。あの作品でも、神は最後に登場して、この世を支配していることをアピールするのです。

第1幕は寺院、宮殿でのニキヤとガムザの対決、宮殿の庭での婚約式でニキヤが死ぬまで。
第2幕は影の王国と寺院の崩壊。
第1幕が70分で、ちょっとつめこみ過ぎているように感じました。
もう少し短くするか、第1幕にも休憩を入れるかして欲しい。

ニキヤの浅川紫織さんは、凛としていて美しくて、踊りも完璧でした。
婚約式の踊りで、ポワントのススから片足をパッセにあげてのバランスや、影の王国でのパ・ド・ドゥでのアラベスクのポワント・バランスもきっちりと。
難しいベールを使った踊りも見事でした。
遅沢さんとの息もぴったりです。
遅沢さんは、どうだ!と踊りでアピールするぐらいの覇気はなかったし、もうちょっと感情表現を豊かにやっても良かったと思いますが、浅川さんのパートナーとしてはちゃんとやっていました。
少しセーブ運転なのでしょうか。もっとできる人だと思いますけど。

Kバレエの男性陣はみんな素晴らしいです。
苦行僧の踊りで、みんなで一斉にファイブフォーティーするところなんかあるんですよ。
びっくりしました。
マグダヴェヤを踊った兼城さんは、踊りにキレがあってすごく良かったです。
女性のコールドも、このバヤデールの為に採用した人もいたらしく、とても揃っていました。
ガムザを踊った井上さんも、わがままなお姫さまの感じが良く出ていました。
イタリアンフェッテも上手に踊っていました。
コールドで目を惹くのは山田蘭さん。首が長くて美しいんです。彼女がガムザやるのを見たいですね。

ひとつ残念だったこと。
今回も美術衣装がヨランダ・ソナベントだと思っていたら、ディック・バードでした。
ソナベントのような独特の世界観を持つアーティスティックなものではなく、プロフェッショナルな仕事ではありましたが、派手な感じの、普通のバレエの衣装でした。
最初に作られたチラシでは、ソナベント風の、変わった衣装を着た遅沢さんと浅川さんだったので、期待していたんですけどね。
ソナベントさんは、1935年生まれだそうですので、79才ぐらいですから、最初はソナベントさんの予定だったけれど、健康上の理由とかでダメになったとか?

ぴかぴか(新しい)












B
posted by haru at 23:04| Comment(1) | TrackBack(0) | Kバレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする