2014年03月16日

パリオペラ座バレエ団日本公演2014「ドン・キホーテ」フルステー&エイマン

2014年3月16日(日)3PM 東京文化会館
キトリ(ドルシネア)マチルド・フルステー
バジリオ マチアス・エイマン
エスパーダ ヴァンサン・シャイエ
街の踊り子 サブリナ・マレム
ドン・キホーテ ギョーム・シャルロー
サンチョ・パンサ シモン・ヴァラストロ
ガマーシュ マロリー・ゴディオン
ロレンツォ パスカル・オーバン
キトリの友人 ロレーヌ・レヴィ、カロリン・ロベール
ジプシー マルク・モロー
ドリアードの女王 アマンディーヌ・アルビッソン

パリオペラ座のドンキは、DVDでも見たことがなく、初めて見ました。
特に序幕の演奏から気になったのが、編曲がちょっと変わっている事です。
編曲は、ジョン・ランチベリーです。
ドンキといえば、ミンクスの明るい、単純明快な音楽なのですが、これはいつも聞くのとはだいぶ編曲してあり、たとえば1幕のキトリの踊りのワンフレーズが、本来長調なのに短調にしてあったり、他の部分でもメロディーに細かいトリルなどを付けたしてあったり色々違っていました。
耳慣れたドンキの音楽と比べると、まったくの晴天でなく、時々曇ったり晴れたり、複雑になっています。
ヌレエフは音楽にもこだわりがあったようで、最期には指揮もやっていたぐらいですから、彼好みに、様々なニュアンスを持たせた編曲にしたようですね。

プロローグがとても長くて、ドンキホーテが壁に映った自分の影を曲者と思いこんで、剣で闘いを挑むシーンがあります。これはその後の風車へ突っ込む伏線となっています。

2002年に衣装は一新したようですが、あまりドンキホーテらしくない色づかいで、第1幕の漁師たちはパステルカラー、闘牛士は深いグリーンに赤いマント(補色関係)、第3幕のグランパは、豪華絢爛。
コールドのダンサーは美男美女揃い。踊りも上手で若々しいエネルギーに満ちています。
なかでも美しいのはオニール八菜さん。

キトリ役が次々と降板で、最終的に呼ばれたのは、なかなか昇進できなくて一時サンフランシスコバレエ団に出向しているマチルド・フルステー。
勢いのあるはじけた踊りで、お顔はそれほどかわいくないけれども、キトリにはぴったり。
ジャンプは高くて足音もしない。
マチアスは音符にピッタリはまる気持ちの良い踊りで、パドシャの空中姿勢の形がきれい。

第2幕のジプシーの野営地では、ラ・バヤデールから持ってきた音楽で、キトリとバジリオが恋人同士のパ・ド・ドゥを踊るのですが、こういう抒情的なシーンをたっぷり入れることで、明るいだけのドンキではない、音楽的な幅が出て、全体のメリハリがくっきりすると感じました。
このシーンが終わるとまたドンキの単純(といっては失礼かもしれませんが)な音楽になります。

ジプシーたちの踊りは、照明が暗くて、天井桟敷の私の席からは良く見えませんでしたが、皆ハツラツとしていて、若者のパワーを感じました。
タペストリーのような凝った布の大きなスカートが印象的でした。
キトリが耳飾りを与えて、追いかけてきたガマーシュとロレンツォからかくまってもらいますが、そこにドンキホーテとサンチョパンサもやってきます。
人形劇を見ている間に興奮して暴れて、風車に突っ込みます。

気絶したドンキホーテの前に、ドルシネアが空中浮遊で現れます。
これは黒子がリフトしているのですが、なかなかのアイデアで面白いシーンです。
森の場面は綺麗でした。
ドリアードの女王のアルビッソンは、大きな迫力のある踊りでしたが、着地音もデカイ!
イタリアンフェッテは大成功でした。
キューピットは軽やかでしたし、ドルシネアは、キトリの時とは雰囲気が少し変わって優雅でした。

第3幕では、ジプシーの扮装のままでやってきた居酒屋での狂言自殺があり、キトリを取られたガマーシュとドンキホーテとの決闘あり、それで負けたとたんに、結婚式になります。

ファンダンゴのリードの男女がカッコ良かったです。誰だかよくわかりませんでしたが。
ふつうの版での第1ヴァリエーションに相当する踊りを、パク・セウンさんが踊りました。
軽やかで素晴らしかったです。

グラン・パ・ド・ドゥは、ゴージャスな衣装に身を包んだフルステ―が、アダージオの最後に、ススからアラベスクに脚を上げて、サポートなしの長ーいポワントバランスを披露してくれました。

マチアスのソロの前、待ち構える観客の期待から、館内に静寂の瞬間が訪れ、その静けさと無音の中で、スス(つま先立ち)からそのままアラベスクへ移行して、バジリオのヴァリエーションが始まりました。
ヌレエフの振付は、ダブルのピルエットからアラベスクで静止。それを左右繰り返す。
これって見た目は飛んだり跳ねたりしなくて地味だけれども、ものすごいボディコントロール力が必要です。
この難しい振付をとても綺麗に、音楽にピッタリ乗せてこなすマチアス・エイマンの技術は大したものです。
そして小さめの軌道のマネージュも、体をほとんど水平に傾けていました。

フルステーのキトリのヴァリエーションも、扇をシャッシャッとさばきながら、キビキビとしていてとても良かったです。
超スローなテンポからはじまるパッセの連続は「ゆっくりポワントに乗って、ゆっくりポワントから降りる」という、これも見た目地味だけれど、スムーズにやるのは超難しい技。
男女とも、マニア向けの振付か?と思うほどダンサー泣かせの鬼振付じゃないですかね、これって。

コーダでの32回転のフェッテ、マチルドは前半は全部ダブル、後半はシングルで、テクニシャンぶりを見せてくれました。
マチアスも負けずに相当回っていました。
彼の踊りは、押しつけがましさがなくてエレガントだし、つま先も綺麗です。
お姉マンっぽさがあるので、キトリの恋人というよりは弟みたいな感じではありましたが、ヌレエフの鬼振付をさらっと踊ってしまうヴィルトオーゾぶりを堪能致しました。
マチルドもしっかりした技術があって、この役のキャラにもあっていましたし、コールドのレベルの高さや、美術や衣装、こだわりの音楽とともに、大変に楽しめた公演となりました。
さすが、パリオペ!!


ぴかぴか(新しい)









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2014年03月14日

新制作「ラ・バヤデール」の情報

Bunkamuraのサイトに、Kバレエの新作「ラ・バヤデール」についてのレポートがありました。
こちら

熊川さんの古典作品の改訂版は、現代人にも納得できるようなストーリー展開と、ヨランダゾナベンドの素晴らしい美術と衣装で、いつも私を驚かせ、喜ばせてくれます。

今回のバヤデールもとても楽しみにしています。
このレポートによると、最後が驚愕の展開だそうで、いったいどんな事になるのでしょうか。

ぴかぴか(新しい)


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2014年03月10日

エトワールへの道程2014 新国立劇場バレエ研修所の成果 2日目

2014年3月9日15時 新国立劇場中劇場
「ラ・シルフィード」第2幕より
シルフィード 関晶帆
ジェームズ 佐野和輝

「ヴァリエーション for 4」
長谷怜旺 山本達史 中島瑞生 渡邊拓朗

「ドン・キホーテ」第1幕・第3幕より
街の踊り子 関晶帆
エスパーダ 吉岡慈夢
キトリ 足立真里亜
第1ヴァリエーション 吉田早織
第2ヴァリエーション 土方萌花

バレエ研修所9期生の修了公演です。休憩を入れても1時間20分ぐらいと短めですが、バクランさんの指揮と生オケが入ってるとこは豪華です。
修了公演のスタイルはその時々で色々ですが、今年は最初のシルフィードで主役を踊った二人が推しメンなんだなぁとはっきり分かりました。
関さんは背が高くて大人っぽく、手足が細くて長くて、舞台映えのする美人です。
佐野さんは、足捌きが細やかできれいだし、ジャンプもふわっと飛んでのびやかで、大変上手でした。
このお二人は、最後の挨拶で「これからはプロとして頑張ります」と言っていたので、新国立に入団決定という事なのでしょうね。

2番目の演目は、男性4人が山高帽をかぶって、コミカルにジャズ風音楽にのって踊るナンバー。
こういう作品で、洒脱に魅せるのは、まだまだこれからだとは思いますが、みなさん踊りは一応上手に踊れるのだから、若さを爆発させて、自分自身がもっと面白がって踊ると、それが観客にもダイレクトに伝わると思います。
ちょっとお上品にまとまってしまっている。それが新国立らしさと言えばそうだけれど。

ドンキは、シルフィードを踊った関さんがまた登場して街の踊り子を踊りました。
彼女のおとなっぽいキャラに似合って、とてもステキではあったのだけれども、疲れたのか後半脚が動かなくてヘロヘロだったような… 
プロになるのなら、体力、パワーをもっとつけなくては。
キトリを踊った足立さんは、かわいらしくて、なかなか前半は良かったのですが、ヴァリエーションのパッセの連続のあたりから脚が疲れたのか、すこし動きが鈍くなり、コーダのフェッテでは下手側にどんどん移動していってしまってひやひやしました。
第1ヴァリエーションを踊った吉田さんは、回転系が得意のようで、ふつうはジャンプするところをくるくる回ってました。
第2ヴァリエーションの土方さんは、かわいいし、踊りもしっかりしていました。

せっかく授業でコンテなどもやっているのだから、そっち系の演目がもう一つあったら、ダンサーのまた違う面がみられたでしょう。

最後に、踊り終わった卒業生が一人一人短いスピーチをするのですが、今回は涙ぐむ子もいて、こちらもうるっときてしまいました。
このような恵まれた環境を与えられた幸運なダンサーの卵たちが、これから活躍できる場があるように祈ります。

ぴかぴか(新しい)





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2014年02月24日

新国立劇場バレエ「白鳥の湖」堀口&トレウバエフ

2014年2月21日(金)14時 オペラパレス
オデット/オディール 堀口純
ジークフリード王子 マイレン・トレウバエフ
ロートバルト 輪島拓也
道化 小野寺雄
パ・ド・トロワ 長田佳世 細田千晶 江本拓
小さい4羽の白鳥 さいとう美帆 五月女遥 大和雅美 石山沙央理

久しぶりの新国立劇場の白鳥。
1列目だったので、オペラグラスなしに、美しい1幕のワルツや、白鳥の群舞を堪能しました。
1幕の友人たちの群舞やパ・ド・トロワは、バレエを見始めた昔は退屈に感じてましたが、最近はこういう場面がとてもきれいだと感じます。
優しい色あいの衣装と、柔らかく上品なダンサー達の踊り。
道化の小野寺さんは、健闘していましたが、道化はもっとはじけていてもいいと思います。
私はキュートな道化が好きですね。道化とは、退屈な宮廷をなごませる役目だから、いつも何かおかしな事をしていて、ずっと見ていても飽きないかわいさがあって欲しいです。
踊りはとても良かったし、八幡さんの32回転には届かないけれど、しっかりした回転軸だったから、これから色々工夫していったら将来有望です。
パ・ド・トロワの江本さん、長田さんは明るい雰囲気でとても良かったです。
細田さんは表情がお葬式みたいなので、もっと笑えばいいのにと感じました。
プロなんだし、このシーンの祝祭感が出ないです。ああいう顔で踊っていると、上手でも発表会みたいに見えるものですね。
細田さんは大活躍で、1幕はパ・ド・トロワ、2幕は大きい4羽、3幕はルースカヤ、4幕の2羽も踊っていました。ルースカヤと白鳥は笑わなくても大丈夫ですし、白鳥のポーズはとても美しかったのでそちらは良かったです。

マイレンは、キュラクター系の濃い役のイメージが強いので、この正統派王子というのがなんだが不思議な感じだけれども、若々しさはなくても落ち着いていて、踊りも安定しているし、演技も丁寧。
1幕でにぎやかな仲間が去ってひとりきりになるシーン。
自分はどうしたらよいのか…と心の不安を押し隠すように、机の上の花(これは花嫁を選べという命令の象徴)をまず手に取り、匂いを嗅ぎ、いややはり違うとその花を置いて、本を手に取る(これは大人になれという象徴)が、読もうとしても内容が心に入ってこない様子。
そこで今度は本を置いて、弓を手に取って、そうだ、このもやもやを晴らすために狩りに行こう!(まだ大人になりたくないし、結婚もいやだということの象徴)
…という王子の気持ちの流れがすごく良く解りました。
このシーンでこんな風に王子の気持ちが伝わってくることって少ないです。
たいがいは憂いを帯びた表情で踊っているだけが多いですから。
マイレンさん、さすがでした。

オデットの堀口さん。触ると壊れてしまいそうな繊細な白鳥でした。
去年のガラで観た白鳥が、ちょっと寂しすぎる印象を受けたので、どうなるかと思っていましたが、その時よりもずっと良かったですし、ポーズで静止する時間が長くて、きっちり踊ろうとする意志を感じました。
様式美だったり、女王様だったり、とらわれの身だったり、色々なタイプの白鳥がありますが、堀口さんの白鳥は、「オルゴールの上で踊っている繊細なガラス細工のバレリーナ人形」のようなオデットで、彼女のキャラに似合っていると思いました。
ただ、黒鳥オディールとの演じ分けが、まだできていないようでした。
あの繊細なオデットとの対比ですから、うんと人間くさくて泥臭いとか、いじわるで自己中とか、これはもう自分の中の黒い部分を思いっきり拡大していくしかないと思います。
誰にでもオデットのような白い部分と、オディールのような黒い部分がありますからね。
でも、若いバレリーナだと、たいがいはオディールの方が演じやすいはずなんですよ。
若さからくる未熟さとは人を傷つけるものですから、それがオディールにつながる。
オディールよりもオデットの方がうまく表現できる堀口さんって、すごく心の清い方なのかもしれません。

白鳥のコールドは、よく揃っていて美しかったです。
とくに小さな4羽の白鳥はぴったり。今まで見た中でもダントツと感じました。

この牧版の欠点は、やはりラストのロートバルトとの対決です。
王子がオデットをリフトすると、「最終兵器オデット」のようにロートバルトが苦しみ出すんです。
二人の愛の力でロートバルトをやっつけたという事らしいですが、それならそれで、照明でビーム砲が二人からロートバルトへ照射されるように工夫するとかしたらどうなんでしょうか。


ぴかぴか(新しい)






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2014年02月10日

東京バレエ団「ロミオとジュリエット」沖&柄本2日目

2014年2月8日(土)2時 東京文化会館

ジュリエット 沖香菜子
ロミオ 柄本弾
マキューシオ 木村和夫
ティボルト 森川芙央
ロザリンデ 渡辺理恵
僧ローレンス 岸本秀雄
キャピュレット夫人 奈良春夏
ベンヴォーリオ 杉山優一
パリス伯爵 梅沢紘貴

素晴らしい舞台でした。感動しました!!
ノイマイヤー版のロミオとジュリエットは初めて見ましたが、展開がスピーディで現代的な味つけがあり、衣装や舞台装置など、スタイリッシュだなと感心するシーンがいくつもありました。
シルエットをうまく使ったり、葬儀のシーンで黒い頭巾を全員にかぶらせたり…ジュリエットの寝室(ロミオとの初夜)は、まるで現代の都会のホテルの一室みたい(笑)でした。

ジュリエットが裸にバスタオル1枚で登場するシーンは、ジュリエットの走りや動きを、あえてバレエの動きではなく、素の動きでやらせているそうで、沖さんのはねまわるようなお転婆ぶりの演技もあいまって、新鮮な驚きがありました。
タオル1枚の入浴シーンといえば、新国立劇場の「アラジン」の中にも似たような場面がありますが、ビントレーは、ノイマイヤーのこのシーンからヒントを得たのでしょうか。

ロミオが当初恋こがれているロザリンデは、落ち着いた美しい完璧な女性ですが、従妹のジュリエットはまだまだ幼いドジっ子ちゃんで、舞踏会で階段からずっこけるわ、テンパって踊りの振りを忘れるわ…14才ぐらいの女の子って、そんなもんですよね。
マクミラン版だと、ジュリエットの幼さを表わすのに、乳母と人形を取り合うシーンがあるのですが、14才になってお人形遊びなんかやっている子いるわけないじゃないですか。せいぜい9才ぐらいまででしょう。
だから私はいつもそこに違和感を感じていたんですが、ノイマイヤー版なら、納得です。

リアルな14才の女の子が恋をして、別の相手との結婚を押し付けられて、どうしたらいいかわからなくて、知り合いの僧ロレンスに相談したら、「この薬を飲んだら、死んだみたいになるから、みんなに死んだと思わせておいて、ロミオとどこか遠くに行って幸せになったらいい」とか言われ、その計画にのったけれども、行き違いがあってロミオは死んでしまったので、ジュリエットも後を追った。

このストーリーの中には、両家の対立という要素は少なくて、ロミオとジュリエットも、家のこととかあまり重要に考えていなくて、その場その場の感情でどんどん行動していく。
ロミオがティボルトを殺してしまったのもそうで、まさに若さとありあまるパワーでスピーディに物語が動いていく。

その象徴ともいえるシーンが、結婚を押し付けられたジュリエットがロレンスの元に相談に行く場面。
文字通り、「走る」「走る」「走る」「走る」。舞台を全速力で、バレエ的でない素の動きで、走って横切って袖幕に入り、また走って反対側の袖幕に入るのを4回ぐらい繰り返す。
こんなシンプルな振付を大胆に全幕バレエに入れたノイマイヤーの革新性にびっくりします。
これを見たときはなんという振付だろうとあきれたけれども、あとあとになって思い返すと、すごく印象に残っているのが不思議です。

両家の対立の犠牲になった悲劇の恋人たち、というよりも、若さでつっぱしった恋人たちの物語なんだと思います。だから、最後もジュリエットが自殺して、ロミオの手に自分の手を重ねてすぐに幕が下りる。
両家の人たちが二人を見つけて、悔いて和解するというような場面はあえていれていないのでしょう。

この版には、ノイマイヤー作品の特徴である「劇中劇」や二重構造もいくつか使われています。
広場に旅芸人が来て、ロミオとジュリエットの悲劇のお芝居をする。
ロレンスが秘薬の説明をする時に、旅芸人がロレンスの計画をわかりやすく演ずる。
ジュリエットが秘薬を飲む前に踊ると、ロミオが表れてシンクロして踊る。
秘薬を飲んだジュリエットが、薬のもたらす幻覚の中でロミオと、ついで死んだマキューシオと踊る。
こういうシーンがあるから、登場人物も多くて、ソロの見せどころも用意されているので、東京バレエ団がレパートリーにしたということは、とても良い判断だったと思います。大切に育てていって欲しいと思います。

ダンサーについてですが、沖香菜子さんは素晴らしかったです。
浴室でのはつらつとした踊りや、柔軟な肢体を生かした美しいポーズ、大きな目で語る喜怒哀楽の表現、ジュリエットになりきった演技もとても良かったし、ノイマイヤー版のジュリエットは彼女にぴったりのはまり役でした。香菜子さんは、古典だけではなく、コンテンポラリーも良さそうです。
子どものための眠り、ラ・シルフィード、ザ・カブキ、ロミジュリと大きな役が続いていますが、一段一段プリマへの階段を昇っているように感じます。これからが楽しみです。

柄本弾さんは、ザ・カブキの時とはがらっと変わって、ちょっとおバカさんな等身大の明るい若者を好演していました。ニコニコしながら三バカトリオの踊りを一番元気に踊っていたシーンがかわいくて忘れられません。
ジュリエットとのパ・ド・ドゥは難しそうなリフトがてんこもりなのですが、このペアでの2日目のせいか、踊りの流れをとぎらせるような不自然さはほとんど感じませんでした。
カーテンコールの時に、弾さんが、沖さんにうやうやしくかしずいて、優しく手にキスしていた(それも2回も)のが印象的でしたが、柄本さんにとっても、それほど役にのめりこめた舞台だったのだと思います。

マキューシオの木村さんは、さすがでした。演技も踊りも。でもこの舞台ではちょっと老成しすぎていて浮いていたような気がしました。ノイマイヤー版に求められている、若さからくる馬鹿さかげんを表現するには、現実に若いダンサーでなくてはだめなのかもしれません。

ティボルトの森川さんは、すごくかっこよくてしびれました。森川さんがこんなに背が高くて、ちょっとダークな役が似合うとはと認識を新たにしました。ロミオに刺されて、2階から落っこちるというドラマティックな演出でしたが、あれ大丈夫なんでしょうか。
キャピュレット夫人の奈良さん、ティボルトが死んだシーン、ティボルトの上半身を無理やり起こして踊る場面は、マクミラン版の死体とのダンスシーンのようで、ド迫力でした。白塗りも怖かった。

ロザリンデの渡辺さんは、完璧な女性というこの役にぴったりで、美しくて優雅でした。ロミオに惚れられて、まんざらでもなかったのに、あら私のこともうお忘れになったのちょっと残念だわ、という表情、良かったです。

なかなかに適材適所な配役だった一方、女性はいいとしても、男性陣がやはり人材不足の感は否めませんでした。中堅どころが大量に抜けたのは痛かったですね。マキューシオにもっと若い人をキャスティングできなかったし、パリス伯爵はロミオの対抗馬としては、もっと長身イケメンでなくちゃ。ベンヴォーリオも目立たなかったです。長身男子が欲しい!!

ぴかぴか(新しい)



















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2013年10月19日

Kバレエ2013Autumn「白鳥の湖」遅沢&浅川

2013年10月19日(土)14時 東京文化会館大ホ−ル
オデット/オディール 浅川紫織
ジークフリード 遅沢佑介
ロットバルト 杉野慧
ベンノ 井澤諒
パ・ド・トロワ 日向智子 池本祥真 佐々部佳代

Kバレエの白鳥を見るのは2年ぶりです。
今回は衣装がいろいろ新調されていたようで、ベンノがやっと舞踏会用の衣装をもらえたことは良かったですね。花嫁候補の衣装はスカートがプリーツ仕様に変更されていました。
振り付けでは、1幕の王子のソロがなくなっていました。これは熊川さんの負担を減らすためかなと思います。

浅川さんは、昨年末に怪我をして、シンデレラの仙女で復帰した時に、踊りが柔らかくなったと感じましたが、さらにオデットでは女性らしくなっていました。
2幕の最後の方、王子と逢引していたのをロットバルトに見つかり、ロットバルトの魔力のせいで、急に腕の動きがピキピキ、カクカクとなるところは、彼女なりの工夫なのかしら?
ああいう風にやるのは初めて見たので面白かったです。
オディールは生き生きとしていて、楽しそうに王子をだます様子がとても良かったです。
遅沢さんは、舞台前のレッスンを見学した友人によると、足に湿布をしていて、ストレッチしかしていなかったという話でしたが、ちゃんと飛んで回って、熊川振り付けの難しい踊りをきちんとこなしていました。

今日一番の発見はロットバルトの杉野慧さん。
とてもがっしりした体躯で、男性らしいし、動きがスピーディで、楽しそうにロットバルトを演じていました。キャシディのロットバルトはとてもいいいけれど、杉野さんのロットバルトも負けず劣らずいいと感じました。こんなダンサーがKバレエにいたとは!
Kバレエブログによると、杉野さんは小学生の頃からKバレエでロットバルトを演じるのを夢見てきたということですが、主役を目標にするのではなく、キャラクターダンサーを目標にするというのもありですよね。
そういえば、山岸涼子の漫画「アラベスク」にも、『良いキャラクターダンサーになるのは、主役になるより難しい』というようなことが書いてありました。
それにしても、Kバレエの白鳥の湖も、初演からもう10年ぐらいたつんですね。

ぴかぴか(新しい)



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2013年10月18日

英国ロイヤルバレエ「ドン・キホーテ」シネマ中継

2013年10月17日19時15分 イオンシネマ
カルロス・アコスタ版「ドン・キホーテ」
バジル:カルロス・アコスタ
キトリ:マリアネラ・ヌニェス

評判が良いという、アコスタ版ドンキ。
映画館での中継…と言っても、時差があるので、生中継ではありません。
それならば途中の休憩時間はカットしてくれれば、早く帰宅できるのに。
3時間以上で長いっ!!

でも、とっても楽しかったです。
特にバルセロナの広場(第1幕)と酒場(第3幕)、いろいろな登場人物が生き生きと動き、踊る様子が、多様な人種がいるロイヤルバレエにはぴったりでした。
マノンに出てくるようなベガーズ(乞食たち)4人が結構目立つ踊りをします。
冒頭にすごい高速ピルエットをするのは、そのベガーズの一人、アクリ瑠加君。
ベガーズは4人で、蔵健太さんもその一人。

キトリのマリアネラ・ヌニェスは、明るいオーラで、ラテンだし、テクニックも万全だし、表情もかわいくて、ノッリノリ。アコスタとの掛け合いも息がばっちりで、サポートピルエットは超高速で8回転がデフォ、フィッシュダイブもとってもスムーズ。

特典映像でアコスタのインタビューがありましたが、アコスタはこのドンキを作るにあたって、世界中のヴァージョンを研究したそうな。
リハーサルでは、すべてのパートを自ら踊って見本を見せていて(もちろん女性のパートも)、それもすごい!
アコスタのバジルは男らしいし、演技も面白いし、でもどこかエレガントだし、跳躍技や回転もなんかすごいことやっていました。
平野亮一さんがエスパーダだったのですが、長身ですごくキレのあるかっこいい踊りでした。
ただあごひげを生やして、切れ目のメイクをすると、まんま中国の薬売りみたいで違和感が…
でも踊りはカッコ良くて最高でした!
闘牛士たちもみんなカッコ良くて、迫力があったなぁ。
しかし、メルセデスが踊る、いわゆる「ナイフの踊り」(ナイフの間を踊るやつね)は、ナイフでなくて、ビアマグみたいなのになってた!!ありゃりゃ!!
ナイフだと刺さらなくて倒れちゃったりするし、床が痛むのかな〜ここも違和感でしたが、メルセデスのラウラ・モレーラはねちっこい踊りで目力がすごかったわ。

アコスタ版では、第2幕の冒頭で、バジルとキトリのパ・ド・ドゥがあります。その音楽が、ラ・バヤデールのたぶん最後の方の部分で、ここもちょっと違和感。同じ作曲家(ミンスク)だから使ったのかしら。
ジプシーの踊りが何度もあって長すぎるかしらね。
そして舞台上にギタリストが3人ぐらい出てきて、本当にギターを弾いて演奏するのはいいんだけれども、そこで演奏している間に、ドンキおじさん一人が、風車のことが気になって、サンチョに「おい、あそこに怪物が…」と言うも相手にしてもらえず、一人でおろおろ、フラフラとしているのが可愛そうでした。
そしてついに風車に向かって突進、というくだりになるんですが、このあたりちょっと冗漫だったかな。

その後、舞台下手に倒れているドンキホーテが、幕が開いて美しい女性たちの群舞が始まると、まるで幽体離脱するように倒れているところからもう一人のドンキホーテが立ち上がって、女性たちの所に行き、この、いわゆる〈森のシーン〉が終わると、また倒れている自分の体のところに戻っていく…という、『幽体離脱』の演出は、どういう風に入れ替わったのか、まったくわからなくて、倒れているのはてっきり人形だとおもったら、それが最後に起き上がったので、すごいトリックでした。

〈森のシーン〉は、意外と普通でした。というか、コールドが揃っていないので(ロイヤル・クオリティかもしれませんが)あまり美しく感じられませんで少々退屈でした。また、キューピッドがキューピッドらしくなくて、他の人と同じようなチュチュの衣装なのでした。私はキューピッドの格好でカツラつけて出てくる方が好きだなぁ

第3幕は酒場のシーンからで、ここは登場人物大集合で、また楽しい!
キトリとメルセデス、バジルがテーブルの上に乗って踊るのも良い演出だと思います。
で、ロレンツォがバジルとの結婚を許した後、ドンキホーテとガマーシュが決闘して、ガマーシュが負けて酒場の女の子にプロポーズするという演出があり、奥が開けて、結婚式のグラン・パ・ド・ドゥに突入。
アントレのコールドの中に、2011年のローザンヌコンクールのマヤラ・マグリさんがいました。

アコスタ版ドンキの良かったところのまとめ
@いろんな登場人物が生き生きとしていて、たくさんのダンサーがそれぞれ踊りでの見せ場がある。
Aドンキホーテの幽体離脱
B酒場のシーンでテーブルに乗って踊るところ

でしょうかね。
ドンキホーテがドルシネア姫に恋焦がれていることを説明する工夫もありましたが、そのあたりのつじつま合わせのつけ方は、熊川版の方が上手ですし、ドンキホーテとガマーシュの決闘シーンもありますが、そこも熊川版の方が面白く作ってあります。

演出としては、熊川版の方が総合的にすぐれていると思いますが、ロイヤルは、主役はもちろんのこと、キャラクテールやベテランや新人ダンサーが素晴らしく、贅沢にそれぞれの見所たっぷりに配置していて、みんなノリノリで演じているのがたまりませんでした。


ぴかぴか(新しい)





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2013年10月13日

新国立劇場バレエ研修所 第9期生・第10期生発表公演

2012年10月13日(日) 15時 新国立劇場中劇場

『トリプティーク〜青春三章〜』
第9期生(足立真里亜 関晶帆 吉田早織 佐野和輝 吉岡慈夢)
第10期生(木村優里 清水理那 土方萌花 森田理紗 長谷怜旺 山本達史)
予科生(中島瑞生 渡邊拓朗 赤井綾乃 廣川みくり 横山柊子)
第8期終了生(中西夏未)

この作品は、2013年11月にボリショイバレエ学校240周年記念として、ロシアで行われる国際バレエ学校フェスティバルで披露するそうです。
男子の若々しい踊りから始まり、いくつかのグループが出てくるネオ・クラシック風のスピーディな曲の間に、しっとりしたデュエットと、もう一組増えて4人の踊りがあります。
デュエットを踊ったのは8期生の中西さんと吉岡さん。もう一組のペアは、木村さんと佐野さん。
中西さんは、怪我で終了公演に出られなくて残念でしたが、さすが上級生だけあって、抜群の安定感があります。
そして、木村さんは、小鹿のように細くて長い手足と長い首、顔もちっちゃくて、バレリーナとして理想的なスタイル。やわらかいポールド・ブラも素敵でしたし、脚も高くあがる。
どうやら今回、牧先生のイチ推しは彼女のようです。
男性では、10期の山本君が、とても軸のきっちりしたピルエットを見せてくれました。

バレエ研修所の様子のビデオ上映

クラシックバレエ、コンテンポラリー、パ・ド・ドゥ、ヒストリカル・ダンス、キャラクラー・ダンス、スパニッシュ・ダンス、ボディ・コンディショニング、演劇基礎研修、デッサン、ノーティション、茶道、身体解剖学、栄養学、美術史、劇場史、バレエ史、バレエと音楽、劇場史、マナー講座、英語など、一流の教師から教えを受けられる、すばらしい環境だということがよくわかります。

『パ・ド・フィアンセ』
吉田早織 木村優里 清水理那 土方萌花 森田理紗 横山柊子

ジョン・カーター振り付けらしいですが、衣装もおかしな色合いだし、頭の髪かざりもブルーバードみたいだし、振り付けも、やけに無駄にむずかしく、そのわりに音楽を効果的に使っていないような気がしました。
これだったら、眠りの妖精たちでも踊った方がいいように思いました。

『カルメン』
関晶帆

プティのカルメンにちょっと似ていましたが、牧阿佐美振り付けだそうです。
関さんは、背が高くて舞台栄えのする美人ですね〜。カルメンの妖艶さまでは表現できなかったですが、コケティッシュだし美しくて、いつまでも見ていたいと思わせる。
彼女にとても似合っていると思いました。

『ラ・バヤデール』より第2幕パ・ダクション
ガムザッティ 足立真里亜 ソロル 佐野和輝
ピンク・チュチュ 清水理那 森田理紗 廣川みくり 赤井綾乃
ブルー・チュチュ 木村優里 土方萌花 横山柊子 中西夏未
長谷怜旺 山本達史 中島瑞生 渡邊拓朗

ガムザッティの足立さんは上品な雰囲気で、ヴァリエーションもフェッテもきちんと踊っていましたが、なんというか、真ん中としての吸引力がないんです。
全体的に、トリプティークと比べて、練習不足なのか、面白みが感じられませんでした。

バレエ研修所も10期となり、バレエ団のコールドの半分を研修所出身者が占めるようになりました。
小野絢子さん、八幡顕光さんのような素晴らしいプリンシパルもここから生まれ、実績を作ってきています。
かなり初期から見ている身としては、やはり研修生のレベルも粒ぞろいな時とそうでもない時と様々だと感じています。
研修所の時は牧先生の推しだったのに、バレエ団ではそれほど活躍できていない人もいるし、研修所ではそれほど目立たなかったのに、バレエ団で順調に役がついている人もいます。
新国立以外へ行って活躍している研修生もいます。
東京バレエ団へ入った入戸野さんは、大きな役をもらっていますし、Kバレエへ入った山田蘭さんは、スタイルが群を抜いて美しく目立っています。

本来、バレエ団付属のバレエ学校は、そのバレエ団のカラーに染める教育をするわけで、それから言うと、今のバレエ研修所(牧阿佐美)VSバレエ団(ビントレー)という、まったく違う嗜好の〈ねじれ〉は、ねじれ国会と同じで、よろしくない状況です。
まあこれは、次期監督の大原先生になれば解消され、牧路線になるんでしょう、きっと。
私は牧先生の振付と演出は気に入りませんが、舞台装置や衣装、ダンサーに関しての、牧阿佐美の上品な美意識は大好きです。

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2013年08月09日

東京バレエ団子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」

2013年8月9日(金)11:30 めぐろパーシモンホール
オーロラ姫 沖香菜子
デジレ王子 松野乃知
リラの精 高木綾
カラボス 奈良春夏
カタラビュット 岡崎隼也

子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」の企画は大成功だったと思います。
カタラビュットに語らせることによって、わかりやすく、子供も飽きないような工夫がなされ、時間も短縮。でもローズ・アダージオと最後のグラン・パ・ド・ドゥ、リラの精の踊りはきちんとあって、バレエファンの大人も一応満足できるレベルを保っています。

そして若手を積極的に起用することによって、ベテラン勢が大量に退団してかなり危機的状況にある東京バレエ団のダンサー達の中から、これから真ん中をしょって立つプリマを養成することができるという一石二鳥。
東京バレエ団の場合は、本公演だといつも海外からのゲストを呼ぶことが多いので、中々主役を踊る人材を育てにくかったという事情があります。
その点、団員だけで上演するこどものための公演は、簡単な舞台装置で全国を回って回数多く上演できるのも強み。

初演時に入団2年目で大抜擢された沖香菜子さんと、松野乃知さんのフレッシュペアは、その企画にぴたりとはまって、期待以上の素晴らしい成長を見せてくれました。
特に沖香菜子さんは、「ラ・シルフィード」での主演を経て、見事なプリマとしての格段の進歩が感じられ、驚きと嬉しさで涙がでるほどでした。

初演の時は、時々「これでいいのかしら?」というような不安を見せていた大きな目の使い方もこなれていて、場面場面にそって自然な表情で、16才の姫らしく愛らしかったです。
ローズ・アダージオでは、ちゃんとアンオーまで手をもっていって、最後は長いアラベスクのバランスも見せてくれましたし、パンシェできれいに脚が180度あがるし、スタミナも最後まできちんと続いて、ほぼ完璧な踊りでした。

登場の場面での、はじけるような軽やかなフレッシュな脚さばき、そして毒がまわって苦しくなるところの演技なども良かったです。
松野さんも、若々しく、高くあがるアラベスクの脚のラインがきれいでした。
このお二人は組んで踊る時も、とてもしっくりとサポートがうまくいっていて安定感があります。

東京バレエ団では2015年2月にマラーホフ版の「眠れる森の美女」を上演するそうですが、ぜひこのお二人の主役で観たいと思いました。


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2013年07月21日

バレエ・アステラス2013

平成25年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
バレエ・アステラス2013
海外で活躍する日本人ダンサーを迎えて

2013年7月21日(日)15時 オペラパレス

「FANDANGOS Y BLERIAS」
新国立劇場バレエ研修所修了生・研修生
ギターと生歌がカッコ良くて、ダンサーの方たちもきれいで良くまとまっていました。
新国立劇場らしく、そつなく美しく、演目として見ごたえがありました。

「アントレ」
カザフスタン共和国立アルマティ舞踊学校
男女6人ずつで踊るクラシックの演目。黒髪でアジア系の顔立ちの方が多い。
ジャンプやフェッテ、回転技など、テクニックを見せる振付で、少々荒けずりだけれども、中々レベルは高かったです。

「ハイオト」−人生
民族衣装を着た女の子が踊るソロ。動きが柔らかくて上手でしたが、ウズベク民謡が流れて、歌謡ショーみたいな雰囲気になってました。

「エル・トゥラン」−闘いの荒野
カザフスタン共和国立アルマティ舞踊学校
女の子も入ったスパルタクス。同じ振付がいっぱい。勢いがありました。

第2部
「くるみ割り人形」よりアダージオ
カザフスタン共和国立アルマティ舞踊学校
マーシャと王子&男性4人で踊るアダージオでした。これは以前の新国立版のくるみにもありましたが、うーん、この年頃の子が踊るには難しいかな。振りをこなすのに精いっぱいで、幸福感とか出すまでに至らず。

「ジェンツァーノの花祭り」パドドゥ
唐沢秀子&ケンドル・ブリト(バレエ・メンフィス)
黒人のケンドルさんはしなやかで、唐沢さんはかろやかで丁寧な踊りで、好感のもてるカップルでした。

「海賊」パドドゥ
小笠原由紀&クラウディオ・カンジアローシ(ドレスデン・ゼンパーオーパー・バレエ団)
特にどこが悪いわけでもないのですが、アピール力というか、私にはオーラがあまり感じられませんでした。

「白鳥の湖」第2幕アダージオ
堀口純&貝川鐡夫
堀口さんがすごく痩せていて、筋肉の筋が全部わかるくらいになっていましたが、この白鳥を踊るために落としたのでしょうか。
静謐で、幽玄さも感じるような、悲壮感のある白鳥でした。オデットは白鳥の女王ですから、もうすこし太って、あでやかさも備えていた方がいいような気がしますが、堀口さんのこの踊りにかける真摯な気持ちがすごく伝わってきて感動しました。ぜひ彼女で白鳥の全幕を見てみたいと思いました。

「ダイアナとアクティオン」グラン・パ・ド・ドゥ
寺田翠&大川航矢(ウクライナ国立オデッサ歌劇場バレエ団)
2011年のローザンヌに出場して注目された大川さんですが、今はこのバレエ団のプリンシパルだそうです。
彼はジャンプがびっくりするぐらい高くて、540(ファイブフォーティー)にプラス90度?180度?のひねりを加えたり、ダブルのザンレールに続けて540をやる技を2連続でかましたりとか、笑っちゃうぐらいすごい事を色々やってくれました。身長が低いですが、身体のバランスは取れていると思います。
大技をやろうとするあまり、コントロールが少し失われていました。
ポテンシャルは、熊川哲也並みではないでしょうか。
もう少し技を控えて、ボディコントロールを重視したらもっと美しくなるのでは。
でも彼の持つ陽性な雰囲気は好きです。
寺田さんも、軸がしっかりしたテクニシャンで、バネのようにパッと180度開脚するスピードが素晴らしい。
二人とも、勢いがあって、若々しくて、素敵なバレエ・カップルです。
ドンキホーテ全幕とかで観てみたいです。

第3部
「サタネラ」
寺田亜沙子&奥村康祐
寺田さんは手足が長くて抜群のプロポーションの持ち主。こういうかわいい演目を踊るのを見たのは初めてでしたが、とても似合っていたし、奥村さんも清潔感があってかわいい(笑)。
お人形さんと男の子という感じで、お二人にぴったりの演目でした。

「眠れる森の美女」第3幕のパドドゥ
オニール八菜&フロロン・メラック(パリオペラ座バレエ団)
パリオペの正式団員になったオニールさん。容姿端麗で、オーラもキラキラ。
オーロラにしてはシンプルな衣装だったのですが、本人の輝きで十分。
お相手のメラックは少々ヘタレさんで、最後の方、全然飛べてませんでした。

「トリスタン」よりパドドウ
海老原由佳&ウラジミール・ヤロシェンコ(ポーランド国立歌劇場バレエ団)
コンテンポラリーだったのですが、海老原さんは脚のラインが美しく、ウラジミールさんは長身でカッコ良かったです。

「タランテラ」
佐久間奈緒&ツァオ・チー(バーミンガムロイヤルバレエ団)
なぜこの演目を?と少々チャレンジングな気がしましたが、さすがベテラン。踊りこなしていました。

「白鳥の湖」より黒鳥のパドドゥ
高橋絵里奈&アリオネル・ヴァーガス(イングリッシュ・ナショナルバレエ団)
やはりプリンシパルは魅せ方を良く知っていると思いました。
高橋さんのフェッテは、上げた脚が90度ぐらいの高さでまっすぐにアラスゴンドまでいくのが綺麗です。

フィナーレ
「バレエの情景」
出演者全員が少しずつ踊ってフィナーレとなりました。

玉石混合とでも言いましょうか。若い世代の育成事業ならば、佐久間さんや高橋さんなどのベテランは入れなくてもいいような気がしますが…
ブルガリアのバレエ団にいる方とか、まだまだ素晴らしい日本人ダンサーが海外にはいると思います。
興味深い企画なので、また来年も観たいです。

ぴかぴか(新しい)









posted by haru at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする